2019年5回京都4日目

開催一覧
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中山 京都
  馬場コメント
 先週の芝の馬場差2000m対象の数値は土曜がマイナス0秒7、日曜がマイナス0秒5だった。遡って8日間の馬場差を確認しておくと、前の開催後半は雨の影響で全てプラスの数値。しかも変動だったが、今開催に入ってマイナスの数値が続いている。
 何よりも雨の影響の有無が大きい。この開催にしても高速馬場という程ではなくて、マイナス1秒0でスタートして、徐々に水準方向に動いてはいるが、今週からCコース使用になるので、乾いた馬場なら一気に時計が掛かる事は無いと見ている。あと連対馬の脚質を見ると、中団からの差し馬が幅を利かせている状況は、先々週と変わりなかったが、後方からの差し馬が届き始めている感じ。詳しくは後ほどのコーナーで紹介したいと思う。
 先週の馬場差1800m対象の数値は土曜がマイナス0秒9、日曜がマイナス0秒8だった。遡って8日間の馬場差を確認しておくと、全てマイナスの数値だが、前の開催後半は全て変動で、マイナス1秒台かマイナス2秒台だったのに対し、今開催に入ってからはマイナス1秒台になった日がない。
 まずこの開催に入ってから全て良馬場。時計が掛かっている訳ではないが、高速馬場と言えるレベルでもない。あと連対馬の脚質を見ると、10鞍あって逃げ馬が6連対した。先々週よりも先行馬の活躍が目立った。ただ、その内3つはペース補正を施したレースなので、ラップそのものが脚質に影響している可能性はある。


  タイム分析
 2019/11/10 (日)  芝=-0.5  Bコース
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
3R T1600 オーマイダーリン 牝2 未勝利 1:35.3 -0.2 --- +0.2 -0.4 C C 7.13
4R T1400 メデタシメデタシ 牝2 新馬・牝 1:23.1 +0.3 --- +0.7 -0.4 D C 7.81
5R T1800 グランデマーレ 牡2 新馬 1:49.7 +0.6 -1.1 ±0 -0.5 C C 6.22
7R T2400 ショウリュウイクゾ 牡3 1勝クラス 2:27.4 +0.6 -0.8 +0.4 -0.6 C C 7.30
9R T2000 シンプルゲーム 牡2 黄菊賞(1勝) 2:02.1 +0.8 -0.7 +0.6 -0.5 D C 6.33
10R T1800 エスポワール 牝3 修学院S(3勝) 1:46.5 +0.5 -0.5 +0.5 -0.5 D C 7.80
11R T2200 ラッキーライラック 牝4 エリザベ(G1) 2:14.1 +2.7 -0.8 +2.5 -0.6 SL C 7.61
 2019/11/10 (日)  ダ=-0.8
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
1R D1200 ハクアイブラック 牡2 未勝利 1:12.2 -0.8 --- -0.3 -0.5 B D 6.14
2R D1800 エイシンガネーシャ 牡2 未勝利 1:53.9 -0.6 -0.4 -0.2 -0.8 C D 5.67
6R D1800 アドマイヤビーナス 牝3 1勝クラス・牝 1:51.7 -0.9 --- -0.1 -0.8 C D 7.18
8R D1800 ブルーメンクローネ 牝4 2勝クラス・牝 1:52.5 +0.7 -0.3 +1.2 -0.8 E D 7.20
12R D1400 スズカフェスタ 牡4 ドンカス(2勝) 1:23.9 +0.1 --- +0.7 -0.6 D D 7.77

京都1R 2歳未勝利 タイムB
 基準より0秒3速い勝ちタイムだった。ハクアイブラックが後続に5馬身差をつけての圧勝だった。前半のハイラップがタイム全体を押し上げた印象。5馬身差で勝利した勝ち馬のみがBランクの対象になる。
1着:ハクアイブラック 
 勝ったハクアイブラックはスタートが抜群に早くて、無理することなくハナに立って、そのまま自分のリズムで運んで難なく逃げ切った。確かに時計は速いが、残り100m、この辺までビッシリ追われていたにも関わらず、ラスト200mは13秒2掛かっている。この点はやや不満。今回の走りからダート適性があるのは確かだが、昇級してスピードだけで押し切る事ができるかとなると、どうかと思う。あくまで押さえ候補。
2着:アナザーエンド 
 2着以下は5馬身以上離された。2着アナザーエンドはスタートが遅くて差す形になって、しかも砂を被ったが、ラストは差を詰めて来た。高速決着には対応できないタイプだとは思うが、走りは安定していますし、次走も圏内。
3着:スナークレジスト 
 3着スナークレジストはアナザーエンドと同じような位置からジワジワと差を詰めた。次走も相手に恵まれたらチャンスはあると思う。
4着:シーハーハー 
 4着シーハーハーは強い勝ち馬を追い掛けた分、ラストは失速した。それでも展開面を考えると、むしろ2・3着馬よりかは強い競馬をしていると思う。
京都5R 2歳新馬 注目
 芝の中距離の新馬戦らしくかなり緩やかなペースで、補正が1秒1入ってCランクとなったが、上位馬には見所がある馬もいたので、ここで取り上げておく。
1着:グランデマーレ 
 勝ったグランデマーレは序盤から無理に抑える事なく、自然な形でハナに行って、その後も遅いラップで運んで、最後の直線に向くと後続を寄せ付けなかった。調教では結構もたれる面を見せていたが、レースに行けば問題なかった。スピードの持続力とスタミナを兼ね備えてる印象があり、昇級しても警戒が必要。
2着:オメガエリタージュ 
 2着オメガエリタージュは内々でピタリと折り合って、勝ち馬の後ろを通って伸びて来た。レースセンスが良くて、どんな流れになっても対応出来そう。仮に距離が延びても問題ないと思う。次走も上位争いになる。
3着:エレヴァテッツァ 
 3着エレヴァテッツァは上位2頭の後ろを通って伸びて来た。ペースが遅かったことを考えればよく差を詰めていますし、この馬中京記念を連覇したフラガラッハの半妹に当たる馬。何となく奥手っぽいので、ちょっと長い目で見て行きたい1頭。
京都8R 3歳以上2勝クラス・牝 タイムE
 基準より1秒2遅い勝ちタイムだった。
京都9R 黄菊賞 
2着:ポタジェ 通信簿
 1番人気2着だった。負けはしたが、差し切る勢いで伸びて来て、ハナ差の惜敗。危険馬としては完敗だった。新馬戦と一転して、沈むフットワークに変わっていて、この辺りが血統なのだろう。参りました。
京都11R エリザベス女王杯 タイムSL
 タイムランクがSL・メンバーランクはCだった。クロコスミアが後続を離して逃げていて、2番手にラヴズオンリーユー。これ1000m通過が62秒8なんですよね。ですから、2番手以降は64秒台ぐらい行っているかなという遅いラップになった。ですから、クロコスミアにとってはホントマイペースの逃げで、上手くラップを落として逃げたが、最後残り200mを切ったぐらいから後続が迫って来て、ラッキーライラックが最内で、その横でラヴズオンリーユーも伸びて来るが、最後に最内から一気にラッキーライラックが伸びて抜け出して、ラヴズオンリーユー追い掛けるが、僅かにクロコスミアには届かなかった。
1着:ラッキーライラック 
 ラッキーライラックが内から抜け出して、昨年の3月以来の勝利となった。どちらかと言うと、早めに動いて失速するパターンの競馬を続けて来たが、今回溜めるだけ溜めて最内を突いて、加速した状態でゴールインした。これ本当スミヨン騎手がこの馬の特性をうまく引き出したと思う。どちらかと言うと、しぶといけど、切れないイメージがあったが、今回でそのイメージを何か、一変させた感じはある。この活躍ならちょっと距離が延びても楽しみ。いろんな意味でこの馬の可能性が広がったと思う。鞍上C.スミヨン騎手のJRA G1制覇は2014年のジャパンカップ以来、およそ5年ぶり。
C.スミヨン騎手 以前は体重が重かったりとか、いろんなことがあって、なかなか自分でフィジカルの上でベストの状態で乗れなかった事もあったが、今回はベストの状態で日本に来た。体重もコントロールできやすくなりましたので、牝馬も乗れるようになったが、自分自身としても体調が良い、ベストコンディションであったということもありますし、もちろんそれ以上に馬の状態も非常に良かったという風に思っている。調教に乗った時から非常に良い馬だなというイメージは持っていた。今日、パドックに行って、馬を見た時には非常にウォーキングも良かったですし、凄くシェイプも良かったという所で、自分としても自信を持って乗った。もう少し前のポジションを取る予定だったが、スタートがそれほど上手く、クイックに動けなかったということで、思ったよりは後ろの位置になってしまった。ただ、前走よりも距離が伸びていますし、内枠という事もありますから、溜めて行こうと。ふと前を見ると、人気馬もいましたし、まぁ道中ついて行こうという感じで行った。4コーナー、前の段階では加速がついたので、外を回ろうと一瞬思ったが、パッと右側を見ると内ラチが空いてたので、内を突いた。この馬の切れる脚が無ければ勝てなかったと思いますし、そういう部分を非常にこの馬が良かったという風に思った。
なお、今回のラッキーライラックは518キロでの出走だった。エリザベス女王杯が3歳限定だった頃を含めて、優勝馬としては最も重い体重だった。
2着:クロコスミア 
 そして2着がクロコスミア、3着はラヴズオンリーユーだった。2着クロコスミアはこれで3年連続2着という事で、惜しい競馬が続いているが、今回もピンチヒッターで乗った藤岡佑介騎手が本当この馬の能力をうまく引き出したと思う。ラッキーライラックの決め手が1枚上だったという事だろう。
3着:ラヴズオンリーユー 
 そして2着がクロコスミア、3着はラヴズオンリーユーだった。そして3着ラヴズオンリーユーは、これはどうなんでしょうね。スタート、まずゲート入りに多少手こずりましたし、直線も内に外にとちょっと寄れる事があったので、言っても3歳馬の中では1番先着してるので、負けはしたが悪い内容ではなかったと思う。ただやっぱり上位2頭にちょっと強い馬がいたということで、これ1度使われて、次に期待したい。
M.デムーロ騎手 良いところでレースできました。直線は内を狙っていたが、なかなか開かなかった。一瞬、右にモタれたましたが、すぐに立て直せました。。敗因はいろいろと考えられますが、3歳馬で今日が半年ぶりでしたからね。勝ち馬も強かったです。今まで負けたことのない馬なので、残念な結果ですが、次また頑張ります。
4着:センテリュオ 
 まず4着センテリュオ、これ結果的にラッキーライラックより前にいた馬しか、上位に来ていない競馬なので、ルメール騎手がポジショニング最高だったと思いますし、やっぱり人気薄に乗っても彼の場合怖いなと思うので、3年前のシングウィズジョイで好走していますから、馬券には絡まなかったが、良い競馬だったと思う。
5着:クロノジェネシス 
 で、2番人気だったクロノジェネシスは5着だったが、これは折り合いついてラストも伸びているが、秋華賞の内回りの2000mの時の方が、やはり伸びが良かった。2200mは微妙にやっぱりこの馬にとっては、少し長いのかなという気がする。ただ、立ち回りの上手いタイプなので、今後もまぁ安定して走ってくれるとは思う。
7着:スカーレットカラー 
 そして7着スカーレットカラーだが、これは体重が14キロ増えていた。見た目、ちょっとボリュームがありすぎる感じがしたので、加えてちょっと背中が短くて、むっちりしたタイプの馬なので、どちらかと言うと2000mより短い距離、ちょっと2200はこの馬にとって少し長かったのかなという気がした。

  馬券Summary
ちょっとだけ先読み
 仕事でも恋愛でもあまり先読みしすぎると良い事はないのは重々承知しているが、競馬的にはちょっと先読みした方が良い事もあるという事で、まず京都のタイム分析で取り上げたよう、京都の芝は好位・中団からの差し馬が頑張っていた先々週と比べると、先週はの中団と後方からの差し馬が結構頑張っていた。となると外差しが決まり始めたような印象を与えるが、ご覧のように土曜のデイリー杯2歳Sのレッドベルジュールは出遅れた後、最内を通って抜け出して来た。そして同じくエリザベス女王杯、これはラッキーライラックが最内を突いて、まぁスミヨンマジックも重なって、今までにないほどの切れ味を発揮した。もちろん外からの差し馬が届いたレースもありましたし、ここ2週マイナスの馬場差とは言え、徐々に水準方向に動いて来ているが、内の差し馬が届いてるのは、馬場の内側がやっぱり荒れてきていない証拠だと思う。そして、それに追い打ちを掛けるように、今週から実はCコース使用で、馬場の内側を覆うことになる。ですから、イメージ的には好位・中団・後方のインを上手く立ち回った馬が結果を出すんじゃないかなという気がする。ですから、ちょっと先読みにはなるが、マイルチャンピオンシップも含め、その点もちょっと想定しながら予想に取り組みたいと思う。
解説者:津田照之(競馬エイト)
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