2019年4回中山7日目

開催一覧
2019/12/28 (土)
中山 阪神
2019/12/22 (日)
中山 阪神
2019/12/21 (土)
中山 阪神
2019/12/15 (日)
中山 阪神 中京
2019/12/14 (土)
中山 阪神 中京
2019/12/08 (日)
中山 阪神 中京
2019/12/07 (土)
中山 阪神 中京
2019/12/01 (日)
中山 阪神 中京
2019/11/30 (土)
中山 阪神 中京
2019/11/24 (日)
東京 京都
2019/11/23 (土)
東京 京都
2019/11/17 (日)
東京 京都 福島
2019/11/16 (土)
東京 京都 福島
2019/11/10 (日)
東京 京都 福島
2019/11/09 (土)
東京 京都 福島
2019/11/03 (日)
東京 京都 福島
2019/11/02 (土)
東京 京都 福島
2019/10/27 (日)
東京 京都 新潟
2019/10/26 (土)
東京 京都 新潟
2019/10/21 (月)
東京
2019/10/20 (日)
東京 京都 新潟
2019/10/19 (土)
東京 京都 新潟
2019/10/15 (火)
東京
2019/10/14 (月)
東京 京都
2019/10/13 (日)
京都
2019/10/12 (土)
京都
2019/10/06 (日)
東京 京都 新潟
2019/10/05 (土)
東京 京都 新潟
2019/09/29 (日)
中山 阪神
2019/09/28 (土)
中山 阪神
2019/09/22 (日)
中山 阪神
2019/09/21 (土)
中山 阪神
2019/09/16 (月)
中山 阪神
2019/09/15 (日)
中山 阪神
2019/09/14 (土)
中山 阪神
2019/09/08 (日)
中山 阪神
2019/09/07 (土)
中山 阪神
2019/09/01 (日)
新潟 小倉 札幌
2019/08/31 (土)
新潟 小倉 札幌
2019/08/25 (日)
新潟 小倉 札幌
2019/08/24 (土)
新潟 小倉 札幌
2019/08/18 (日)
新潟 小倉 札幌
2019/08/17 (土)
新潟 小倉 札幌
2019/08/11 (日)
新潟 小倉 札幌
2019/08/10 (土)
新潟 小倉 札幌
2019/08/04 (日)
新潟 小倉 札幌
2019/08/03 (土)
新潟 小倉 札幌
2019/07/28 (日)
新潟 小倉 札幌
2019/07/27 (土)
新潟 小倉 札幌
2019/07/21 (日)
福島 中京 函館
2019/07/20 (土)
福島 中京 函館
2019/07/14 (日)
福島 中京 函館
2019/07/13 (土)
福島 中京 函館
2019/07/07 (日)
福島 中京 函館
2019/07/06 (土)
福島 中京 函館
2019/06/30 (日)
福島 中京 函館
2019/06/29 (土)
福島 中京 函館
2019/06/23 (日)
東京 阪神 函館
2019/06/22 (土)
東京 阪神 函館
2019/06/16 (日)
東京 阪神 函館
2019/06/15 (土)
東京 阪神 函館
2019/06/09 (日)
東京 阪神
2019/06/08 (土)
東京 阪神
2019/06/02 (日)
東京 阪神
2019/06/01 (土)
東京 阪神
2019/05/26 (日)
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2019/05/25 (土)
東京 京都
2019/05/19 (日)
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2019/05/18 (土)
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2019/05/12 (日)
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2019/05/11 (土)
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2019/05/05 (日)
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2019/05/04 (土)
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2019/04/29 (月)
京都 新潟
2019/04/28 (日)
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2019/04/27 (土)
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2019/04/21 (日)
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2019/04/20 (土)
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2019/04/14 (日)
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2019/04/13 (土)
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2019/04/07 (日)
中山 阪神 福島
2019/04/06 (土)
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2019/03/31 (日)
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2019/03/30 (土)
中山 阪神
2019/03/24 (日)
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2019/03/23 (土)
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2019/03/09 (土)
中山 阪神 中京
2019/03/03 (日)
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2019/02/02 (土)
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2019/01/26 (土)
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2019/01/19 (土)
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2019/01/13 (日)
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2019/01/12 (土)
中山 京都
2019/01/06 (日)
中山 京都
2019/01/05 (土)
中山 京都
  馬場コメント
 先週の芝の馬場差2000m対象の数値は、土日ともにマイナス1秒9だった。まずは遡って7日間の馬場差を確認しておくと、4日目まではマイナス2秒台、5日目はマイナスの数値とは言え、それまでより時計が掛かったが、先週はマイナス方向に戻した。
 開催2週目が月曜日までの3日間開催で、その後雨は水曜日の12.5ミリだけ。雨の予報があった日曜後半も、天気は保って土日を通して良馬場発表だった。Cコースに変わって相変わらずの高速馬場には変わりはないが、使って来た分馬場差は開催2週目の良馬場時と比べると時計を要してはいる。良馬場では超高速決着の1週目から、週を追う毎に0秒3ずつ掛かっている経緯。コース変わりも手伝って、内の馬の活躍が多かったが、脚質的な偏りは特にはない。GⅠスプリンターズSが行われる最終週の今週も、Cコースが使用される。
 先週の馬場差1800m対象の数値は土曜がマイナス0秒7、日曜がマイナス0秒6。1200m対象の数値は土曜がマイナス1秒0、日曜がマイナス0秒9だった。遡って7日間の馬場差を確認すると、全てマイナスの数値だが、5日目はかなり時計が出やすくなった。
 16日月曜日の開催5日目が雨の影響で高速決着だった。それに水曜日の雨も加わった。ダートも乾きが進んだが、水分が残ってはいた。良馬場発表の土曜の馬場差が1800m・1200mともに今開催の良馬場時よりも少し速いのはそのため。日曜は乾燥が進んで、それぞれ0秒1水準方向へ動いた。脚質は中山ダートの平均的な傾向。先行有利の中、差しも届いていた。


  タイム分析
 2019/09/21 (土)  芝=-1.9  Cコース
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
2R T1600 グレイトホーン 牡2 未勝利 1:34.1 -2.0 --- -0.5 -1.5 B D 8.07
5R T2000 エバービクトリアス 牡2 新馬 2:05.0 +1.7 -0.9 +2.7 -1.9 SL C 6.86
6R T2200 ヴァイスブリッツ 牡4 1勝クラス 2:14.8 +0.4 -1.0 +1.5 -2.1 SL C 8.46
9R T2500 ステイブラビッシモ 牡6 九十九里(2勝) 2:35.1 +0.6 -0.8 +2.2 -2.4 SL C 5.73
10R T1200 エスターテ 牝4 セプテH(3勝) 1:07.6 -0.8 --- +0.3 -1.1 D D 9.46
12R T1600 モルフェオルフェ 牝4 2勝クラス 1:32.9 -1.4 --- +0.1 -1.5 C D 7.94
 2019/09/21 (土)  ダ=-0.7 / 1200m=-1.0
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
1R D1800 フェイバリット 牡2 未勝利 1:56.0 -0.2 --- +0.5 -0.7 D D 6.07
3R D1800 ロンゴノット 牡2 新馬 1:55.3 -1.3 --- -0.6 -0.7 B D 8.06
4R D1200 コウギョウブライト 牡4 1勝クラス 1:11.1 -0.8 --- +0.2 -1.0 C D 6.85
7R D1800 スピアザゴールド セ6 1勝クラス 1:54.6 +0.6 -0.3 +1.0 -0.7 SL D 6.00
11R D1200 ゴールドクイーン 牝4 ながつき 1:09.0 -1.2 --- -0.2 -1.0 C D 8.64

中山2R 2歳未勝利 タイムB
 このレースの勝ちタイムは当開催2歳未勝利クラスの基準タイムより2秒0速く、1600m対象の馬場差がマイナス1秒5だった事を踏まえても、 -2.0-(-1.5)=-0.5 で基準より0秒5速い勝ちタイムだった。ゴールデンエポックが先手を取って、レジイナアンが続くが、その外からブンロート、さらにグレイトホーンが上がってくる。そして直線ではゴールデンエポック・ブンロートをグレイトホーンが交わし、抜け出して1着。2馬身離れてブンロートが2着。ブルーノジュネスがジワジワと伸びて、ゴールデンエポックを交わし、3番手入線。
1着:グレイトホーン 勝ち馬注目
 グレイトホーンが1600mに戻って初勝利。1着のグレイトホーン、6月の新馬戦では2着。当時の勝ち馬サクセッションは、その後アスター賞を勝って2戦2勝。2戦目の福島戦は物見をして5着に敗れていた。今回は好位の内に収まって、4コーナーで外へ出して差し切り勝ち。上がり600m推定タイムは34秒9でなかなかの瞬発力だった。放牧明けで12キロ増、馬体に成長も感じましたし、脚質の幅を広げたのは収穫だった。全兄のイッツクール、この馬は芝短距離のオープン特別で1着・2着の実績がある。昇級しても1600mまでなら楽しめると思う。
2着:ブンロート 番組注目馬
 勝ち馬から2馬身離された2着が1番人気のブンロートだった。2着ブンロート、この馬自身の完全タイム差はCランクに相当する。これまで3戦して2着2回、芝1200mの前走で4着に敗れてソエ気味という事で、立て直されていた。同時に距離を1600mに延長。格上のエンジニアと併せた調教の動きが抜群に良くて、状態も上がっていた。よどみのない流れを前で捌いていて、内容は評価して良いと思う。
3着:ブルーノジュネス 
 3着ブルーノジュネス、函館の2戦はオーソリティやブラックホール、強敵を相手にしていた。放牧明けで12キロ減。馬体に締まりが出た事で、時計勝負にも対応してきた。内からしぶとく伸びて来ている。まだ勝ち負け必至とまでは言えないが、一応の目処は立てている。
4着:ゴールデンエポック 
 4着がゴールデンエポック、新馬戦でグレイトホーンと同じレースで3着だった。当時2着のグレイトホーンに0秒5差だった。2戦目4着を挟んでの再戦だったが、0秒5差が0秒7差と差が広がってしまった。スピードは認めるが、現状はワンペース。そんな印象がある。
中山3R 2歳新馬 タイムB
 基準より0秒6速い勝ちタイムだった。ロンゴノットが逃げて、その外にドノスティア・トーセンリズム、そして内からエースレイジングが追い上げ、直線に入った。先頭のロンゴノットの勢いは衰えず、後続との差をグングン広げて行く。結果は9馬身差で圧勝。一方、2着争いは接戦となったが、最内のエースレイジングはドノスティアにハナ差先着した。
1着:ロンゴノット 勝ち馬注目
 ロンゴノットはデビュー戦を圧勝した。その1着ロンゴノット、追い切り本数は少なめだったが、古馬のプレシャスリーフと互角に動いていた。ハナを切って4コーナーでは持ったまま。直線も独走状態で、ラスト200mは流していた。パイロ産駒の牡馬で、半兄に芝の中・長距離で3勝のアフリカンゴールド。素質は高く、この世代のダート戦線では間違いなく上位を賑わす存在と考える。ちなみに、鞍上戸崎騎手は芝でも良いくらいのバネがあるとコメントしていた。
2着:エースレイジング 
 2着のエースレイジング、1秒5離されてEランク相当。3着ドノスティア・4着アフィラトゥーラも同タイムだが、その中では4コーナーで追っつけて離されながらも2着に上がったエースレイジングに魅力を覚える。父がゴールドアリュール、母の父がキングカメハメハの血統からも未勝利は勝てる器。
中山5R 2歳新馬 タイムSL
 前半・中盤が遅く、補正しきれずスローの扱いとする。
中山6R 3歳以上1勝クラス タイムSL
 前半・中盤が遅く、補正しきれずスローの扱いとする。
中山7R 3歳以上1勝クラス タイムSL
 前半・中盤が遅く、補正しきれずスローの扱いとする。
中山9R 九十九里特別 タイムSL
 前半・中盤が遅く、補正しきれずスローの扱いとする。
中山10R セプテンバーS 注目
 1200mで前半600mが33秒6、後半が34秒0。高速馬場でこのラップでは前有利という事は明らか。逃げたエンゲージリングと2番手を進んだエスターテの着順がゴール前で入れ替わっただけと、単調な決着の中、敗走した人気の馬に触れておきたいと思う。
3着:ホープフルサイン 
 まず差して来た3着のホープフルサイン、耳を絞る癖があって、怖がりのタイプが内枠を引いてしまった。それでも我慢してはいたが、道中周囲に囲まれて位置を下げたのが痛かった。直線はよく伸びていた。脚力はこのクラスで上位だと思う。
4着:エムティアン 
 4着エムティアン、夏の小倉の連勝はタイムランクがDとC。昇級にしては善戦との見方も可能だが、好スタートを決めながらエンゲージリングにハナを譲ったのが勿体なかったと思う。仮に逃げていれば違った可能性がある。
5着:ナランフレグ 
 5着ナランフレグ、これが1番人気だったが、新潟で見せた圧巻の切れが封印され、流れ込んだだけの5着とそんな印象。敗因は前に行った分か、昇級かは微妙なところだが、それよりも良積の無かった右回りが堪えていたと推測する。この後左回りなら、一変してくると考える。
6着:ナンヨーアミーコ 
 あと6着のナンヨーアミーコ、相変わらずスタートが決められない。仕方なく内を突いて伸びたが、最後は位置取りの差が出たと。そういった印象がある。いつ勝っても不思議はないが、こういったツキが無いのも弱点に入るだろう。
中山11R ながつきS 注目
1着:ゴールドクイーン 
 1着のゴールドクイーン、とにかく早かった。前半600m33秒0。一瞬競り掛ける体勢に入ったヒロシゲゴールドが引いた事もあるが、直線は後続を離す一方だった。1分9秒0は2008年のカペラSでビクトリーテツニーがマークしたレコードに0秒3差。それでもダート1200mの馬場差マイナス1秒0を踏まえれば、タイムランクはCになるが、あと0秒1速ければ高レベル対象だった。牝馬でありながら57キロを克服した点も含めて、1400m以下で行ききれば相当強い。使って来れば浦和のJBCスプリントでも有力候補になると考える。
2着:ヒロシゲゴールド 
 2着のヒロシゲゴールド、これ以上は危険と察知したそう考えるが、2番手に控えて前半600m33秒3。最低限自分のマイペースを守らせた武豊騎手は流石だと思う。3着以下には0秒2差をつけて安泰の2着だった。詰めて出走しなければ、次がどこででも有力候補に挙げられる。
3着:ラインシュナイダー 
 3着のラインシュナイダー、好位の外に出してこれも自分の位置を踏ん張った。初めてのダート1200mでこの内容。もっと早く使っていれば良かったと考える。この距離なら今後崩れる可能性は少ないと思う。
4着:シュウジ 
 4着シュウジ・5着カフジテイク、この2頭は59キロを背負っていた。特にカフジテイクは1年8ヶ月ぶりの実戦だった。馬体は仕上がっていたが、ここまで来るのですから、力がある。次走反動さえ無ければ、前進必至に思う。
5着:カフジテイク 
 4着シュウジ・5着カフジテイク、この2頭は59キロを背負っていた。特にカフジテイクは1年8ヶ月ぶりの実戦だった。馬体は仕上がっていたが、ここまで来るのですから、力がある。次走反動さえ無ければ、前進必至に思う。
11着:ヴァニラアイス 
 あと1番人気で11着のヴァニラアイス。前走のエニフSがEランクの2着だった。その後の高速決着が厳しかったという事だと思うが、その前走2着にしても、道中馬が辞めようとしていたと。そういうコメントがあった。今回の敗走も直線頑張ろうとしないで、最後は辞めていた。この気性ですから、あまりアテにはできない。

  馬券Summary
10月の3歳GⅠへ向けて
 日曜阪神の神戸新聞杯で10月の3歳GⅠへ向けての前哨戦は終了したので、牝馬と牡馬に分けてここまでの重要なレースをタイムランク・メンバーランクも踏まえて振り返っておきたいと思う。改めて補足するまでもないが、タイムランク・メンバーランクはそれぞれのクラスのモノで、単純に比較することはできない。またGⅠの場合、GⅡ以下とは別にGⅠとしてのタイムランク・メンバーランクを設定している。
10月の3歳G1へ向けて
 まずは牝馬。春のクラシック第一弾阪神芝外回り1600mの桜花賞は、タイムランクがA・メンバーランクはBだった。今年の桜花賞はグランアレグリアが昨年のアーモンドアイの勝ちタイムを0秒4更新した。2着シゲルピンクダイヤ・3着クロノジェネシス・4着ダノンファンタジーもアーモンドアイと同じタイムで走っていた事になる。馬場差は今年が0秒1速いだけ。さらに今年はペース補正が入っているように、緩やかなペースでこのタイムをマークした事を考慮すると、2着以下のこの3頭のレベルもかなり高いと考えて良いと思う。

 続いて東京芝2400mのオークス。タイムランクがB・メンバーランクはCだった。今年のオークスではジェンティルドンナのオークスレコードが0秒8更新された。翌週のダービーには0秒2劣るが、ダービーウィークはBからCへとコースが替わったために、馬場差がさらに速まっていた。よってタイムランクは、オークスがBでダービーがCになる。オークスの勝ち馬ラヴズオンリーユーは爪の不安で秋華賞を断念したが。勝ち馬と同タイムクビ差2着のカレンブーケドールの内容は評価できる。

 そして夏を越して、今開催中山芝2000mでは、2000mのGⅢ紫苑SはタイムランクがC・メンバーランクはDだった。超高速決着の開幕週に行われて、スロー補正を入れてもタイムランクはCになるが、後半は速いラップが続く持久力勝負になって、ルーラーシップ産駒のワンツー決着だった。1番人気カレンブーケドールは休養明けが影響した面はあっても、このカレンブーケドール、オークス2着馬を3着に退けた点で1着パッシングスルーと2着フェアリーポルカの成長力は確か。これら2頭はフローラSの4着馬・5着馬でもあって、そこから考えるとフローラSの内容にも改めて注目すべきかと考えて、この点からもフローラS上位2頭が出走するローズSに注目して見る。

 では、牝馬戦線のおしまいにそのローズSを振り返る。今開催阪神芝外回り1800mGⅡ、タイムランク・メンバーランクともにCだった。ペースを見ると、前半800mが後半より2秒遅いスロー。各馬が位置を上げようとする中、ダノンファンタジーは好発から折り合い重視。位置を下げながらも外から差し切りを決た。オークスの5着は距離が長かった結果だろうが、3歳春までに実績を残していた1600mだけではなくて、中距離でも切れる脚を使えた事で、2000mの本番にも視野が広がった。途中から動いたビーチサンバが早め進出のウィクトーリアに競り勝っての2着。ただウィクトーリアは繋靱帯炎を発症して、秋華賞回避となった。

 その他では1頭楽しみな馬がいる。7/14中京12R3歳以上2勝クラスのシンガポールTC賞で3勝目を挙げたエスポワールという馬。古馬を相手に4馬身差の楽勝だった。タイムランクはBと優秀だった。父はオルフェーヴル、青葉賞を楽勝してダービーで出遅れて3着に来たアドミラブルの半妹にあたる。追って味があって、どんどん強くなっている印象がある。短期免許で来日予定のシュタルケ騎手で、直行という予定。

 3歳牝馬のG1秋華賞について、現時点での長谷川仁志の見解
紫苑S勝ちのパッシングスルーは出走未定という事。となると、春の実績馬カレンブーケドールにダノンファンタジー。オークス3着から直行して来るクロノジェネシス、この3頭に落ち着くが、絶対の存在でないのは確か。混戦には違いないだけに、エスポワールに食指が動く。ひょっとして3勝クラスは抽選の可能性もあるので、突破して出てきて欲しいと思う。

10月の3歳G1へ向けて
 まず4月の中山芝2000m、G1の皐月賞。タイムランクがA・メンバーランクはBだった。今年の皐月賞が前半1000mが59秒1、後半59秒0。全体に緩み無く流れてラスト600mは11秒7-11秒6-11秒4と急坂へ向けて加速して行った。この段階で、昨年の最優秀2歳牡馬のアドマイヤマーズは0秒4差4着に脱落している。1着サートゥルナーリア・2着ヴェロックス・3着ダノンキングリーは同タイム、アタマ+ハナ差の接戦だった。見応えのある素晴らしいレースだったが、裏を返せばサートゥルナーリアが少なくともこの段階では1強ではない証でもあったと思う。

 そして5月の最終週、東京芝2400mの日本ダービー。こちらはタイムランクがC・メンバーランクはBだった。ドゥラメンテの持つダービーレコードを0秒6更新したと言っても、超の字がつく高速馬場。タイムランクはCだった。逃げたリオンリオンは1000m通過57秒8のハイペースだったが、離れた2番手を進んだロジャーバローズには丁度良い流れであって、皐月賞の上位3頭はこの変則的な展開に泣いた形。その中では2着ダノンキングリーの戸崎騎手が察知して早めに動いたが、このクビ差2着はもう運の領域ではないかなと思える。サートゥルナーリアはちょっと入れ込んでいて、出遅れが痛かった。

 夏を越して今開催中山芝外回り2200mのG2セントライト記念。こちらはタイムランク・メンバーランクともにCだった。前後半1000mがともに59秒8。淀みのない流れからリオンリオンが青葉賞やダービーで見せた逃げでは無くて、3番手の内から抜け出して来た。タイムランクはCだが、あと0秒1速ければBランクになる。このレベルでの2馬身差は非常に強くて、この秋絶好調の横山典弘騎手の魅力も手伝って、本番でも有力候補にのし上がって来た。2着サトノルークス、3着ザダルも素質に注目できる馬だが、今回に関しては内枠の利が大きかったと思う。むしろ後方から大外を上がり600m推定タイム最速35秒0の脚で追い上げた5着ニシノデイジーに一発の魅力がある。

 そして先週の阪神芝外回り2400mの神戸新聞杯はタイムランクがSL・メンバーランクはCだった。タイム分析で触れたが、極限の瞬発力勝負となって、サートゥルナーリアが上がり32秒3という、次元の違う脚で抜け出して3馬身差の楽勝だった。ただし、これは菊花賞に登録しないということなので、2着のヴェロックスと3着に追い込んで来たワールドプレミア、この2頭が権利を取ったという事で、まずこの2頭だが、ヴェロックスは若干距離に不安があるが、実績が違う。実績は本番では今年のメンバーではナンバーワン。ワールドプレミアは入れ込むので、ちょっと3000mはどうかなと。同じように最後方から行くと思うが、それでも微妙にペースも違いますし、引っかかる可能性があると思う。むしろ4着レッドジェニアル、京都新聞杯を勝って賞金は足りている。この馬の一発が、ひょっとしたらあるかもしれない。意外と本番に強いの背景があるようなところがある。

 夏の上昇馬のコーナーと言うか、1週目に取り上げた8/18新潟10R 3歳以上2勝クラス阿賀野川特別を勝ったホウオウサーベル。この馬も阿賀野川特別から直行という事。まあ阿賀野川特別を勝って直行した馬に、昨年3着のユーキャンスマイルとか、それからキセキの年3着のポポカテペトル、この2頭がいる。まぁこの阿賀野川特別は菊花賞の隠れ出世レースになっているような所もある。しかも5馬身差の楽勝ですから、東京の2400mで遅く2勝目を挙げた経緯があるが、その時も強かったし、今回4コーナー手前から外を上がって来る時の勢いが全然違った。オークス3着のビッシュの下だが、父がディープインパクトからハーツクライに変わって、そして牝馬から牡馬に変わって、馬体も少しビッシュより大きくて、非常に将来性がある馬が、ようやく夏を境に一皮むけたという印象がある。これはちょっと▲ぐらいの評価にしておきたいなと思う。

 今のホウオウサーベルは、一応伏兵としての扱いで、主力を形成するのは3頭に絞られるのではないかなと思う。まず、セントライト記念を勝った青葉賞の勝ち馬でもある、リオンリオン。横山典弘騎手が魅力。逃げるか、それともセントライト記念みたいに抑えて行くか、途中から離すか、非常に楽しみ。ヴェロックスは多分マークする。川田騎手ですから。とにかくソツがありませんし、最近重賞で絶好調で、とにかく精神的にも張り詰めた感じで素晴らしい。ヴェロックスはなるべく折り合いに専念しながら乗るので、どう乗るかというところだろう。ニシノデイジー、何とルメール騎手が予定されているという事なので、ハービンジャー産駒で3000mはドンと来いとまでは言えないまでも、適性があるのは確かなので、ダービーでも5着に来てあと数メートルあったら、サートゥルナーリアを差している勢いだった。あの脚がひょっとしたら3000mに活きそうな気がする。もちろん、セントライト記念も3000mの菊花賞を考えれば、悪い負け方ではなかったと思う。大外回しましたから。ひょっとしたらニシノデイジーかなという感じもする。私、先行馬よりも追い込み馬の方が好きなので、今のところニシノデイジー・ホウオウサーベルこのラインがちょっと魅力がある。
解説者:長谷川仁志(馬サブロー専属評論家)
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