2019年2回新潟12日目

開催一覧
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中山 京都
  馬場コメント
 先週の芝の馬場差2000m対象の数値は土曜がマイナス0秒2からマイナス0秒5への変動、日曜がマイナス0秒4。直線1000mは土日ともにプラス0秒2だった。まずは遡って8日間の馬場差を確認しておくと、全てマイナスの数値だが、終盤2週はマイナス1秒台ではなく、雨の影響で変動になることが多くあった。それから直線1000mについては、終盤プラスの数値だった。
 火曜から金曜まで毎日雨が降ったが、新潟の芝は水はけが良いので、土曜は朝の時点で稍重だった。5R以降は良馬場に回復した。徐々に乾いたので、馬場差は変動だが9R以降は一定。日曜は土曜より乾いたものの、芝の傷みが進んで土曜の後半より時計が掛かるようになっていた。そして直線1000mは土日で同じ馬場差だが、日曜の方が芝は傷んでいたものの土曜の方が向かい風が強かったので、相殺されたということ。そして周回コースのレースでも、直線で傷んだ内を避ける馬が多く、こうなると直線1000mの内枠がかなり厳しい。土日とも7・8枠の馬しか3着以内に入らなかった。
 先週の馬場差1800m対象の数値は土曜がマイナス0秒6からマイナス0秒3への変動、日曜がマイナス0秒2。1200m対象の数値は土曜がマイナス1秒0からマイナス0秒8への変動、日曜がマイナス0秒7だった。開催後半の馬場差を確認しておくと、7日目以降全てマイナスゾーンで、雨の影響を受けることも多かったが、1800mはマイナス1秒台になることはなかった。1200mについてはここ2週、雨の影響でマイナス1秒0かそれに近いレベルだった。
 火曜から金曜まで毎日雨が降って、土曜の早朝は不良だった。レースは4Rまで重。6R以降は稍重で行われ、馬場差は変動だった。1800mも1200mも後半の方が、時計が掛かっているが、後半でもこの開催の中では速い時計が出る状態。日曜は土曜より乾いたが、まだ水分が多く、馬場差は土曜の後半とあまり変わらなかった。


  タイム分析
 2019/09/01 (日)  芝=-0.4 / 直線=+0.2  Aコース
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
3R T2000 サペラヴィ 牡2 未勝利 2:04.4 +2.0 --- +2.4 -0.4 E D 8.86
5R T1400 ロードエクスプレス 牡2 新馬 1:23.1 ±0 --- +0.3 -0.3 D C 7.89
6R T1600 パラレルキャリア 牝3 未勝利 1:34.3 -0.3 --- ±0 -0.3 C C 6.50
8R T1600 メッシーナ 牝3 1勝クラス・牝 1:36.2 +2.3 -1.1 +1.5 -0.3 SL C 8.33
10R T1800 ウインガナドル 牡5 弥彦特別(2勝) 1:47.5 +1.7 -0.9 +1.2 -0.4 SL C 6.90
11R T2000 ユーキャンスマイル 牡4 新潟記念H(G3) 1:57.5 -0.4 --- ±0 -0.4 C C 8.29
12R T1000 ピカピカ 牝4 雷光特別(1勝) 0:55.5 +0.2 --- ±0 +0.2 C D 7.59
 2019/09/01 (日)  ダ=-0.2 / 1200m=-0.7
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
2R D1800 ロジポルカ 牡3 未勝利 1:54.3 +0.5 --- +0.7 -0.2 D D 6.67
4R D1200 アペタイザー 牡3 未勝利 1:11.6 -1.0 --- -0.3 -0.7 B C 6.18
7R D1800 ロードストライク 牡3 1勝クラス 1:52.7 -0.1 --- +0.1 -0.2 C D 7.20
9R D1200 スズカグラーテ 牝5 岩室温泉(2勝) 1:10.0 -1.3 --- -0.6 -0.7 B C 9.85

新潟3R 2歳未勝利 タイムE
 基準より2秒4遅い勝ちタイムだった。
2着:トロワシャルム 解説危険
 これハナ差の2着だが、完全タイム差はプラス2秒4でmしかもスローペースの先行で差された。2着だった新馬戦は不良馬場で馬場差設定不能だったということもあって、レベルを判別しかねていたが、今回の結果も踏まえてあの新馬戦は、かなり低レベルだったということで、私は納得した。これでデビューから2回連続2着な訳で、次走もかなりの確率で1番人気になると思うが、どちらもかなりの低レベル戦なので、全く信用ならないと見る。実はダートならもっと走るかもという感触を私は持っているが、この成績で次にいきなりダートに出てくることはあり得ないと思う。
新潟4R 3歳未勝利 タイムB
 基準より0秒3速い勝ちタイムだった。
1着:アペタイザー 
 1番人気アペタイザーが2馬身以上の差をつけて勝った。アペタイザーは最初から先行と決めていたようで、スタート直後からガンガン押して行った。そのためしばらくを抑えるのに苦労していたが、4コーナーで上手く息が入って、直線でもしっかり伸びた。完全タイム差で言うと、2着だった前走よりパフォーマンスは下がっているが、これまで間隔を詰めると良くなかった馬が連闘だったので、まぁ仕方ないかなと思う。恐らくこれで一息入れるが、体調が万全なら1勝クラスでも上位可能だろう。
2着:ルンルンバニラ 
 2着のルンルンバニラはずっとアペタイザーをマークする位置にいたが、最後まで差が変わらなかった。レースレベルが低かった3走前は不利を受け、スムーズに走れたここ2戦はレースレベルが高いという不運に見舞われてしまったが、レベルの高くない1勝クラスなら通用して良いぐらいの能力はあると思う。ただ、ダート短距離の1勝クラスに未勝利馬が出走できる確率は極めて低い。
新潟8R 3歳以上1勝クラス・牝 タイムSL
 前半・中盤が遅く、補正しきれずスローの扱いとする。
新潟9R 岩室温泉特別 タイムB
 基準より0秒6速い勝ちタイムだった。
1着:スズカグラーテ 勝ち馬注目
 スズカグラーテが今回は競り勝った。スズカグラーテは特に仕掛ける事もなく、2番手につけて抜群の手応え。直線では持ったまま2着馬に並んで行き、残り200mから追い出すと競り勝った。追い出しを待った割には差は広がらなかったが、これは2着馬を褒めるべきだろう。ブリンカー着用後はレースぶりが安定しており、3勝クラスでもすぐに好勝負になると思う。
2着:マラードザレコード 番組注目馬
 2着のマラードザレコードは好スタートから楽に先手が取れた。直線では追い出しを待つぐらい余裕があった勝馬に離されませんでしたし、非常に強い内容の2着だと思う。以前からダート1200mに限れば凡走したことがない馬だが、ブリンカー着用後は実に安定している。次走で勝つ確率はかなり高いだろう。
3着:アルーアキャロル 
 3着のアルーアキャロルは直線での伸びは以前ほどではなかったが、1200mで前に行けたということが以前とは違う。間隔を詰めて使えたことがない馬で、次走がいつになるのかわからないが、次走も上位候補にはなる。
新潟10R 弥彦特別 タイムSL
 前半・中盤が遅く、補正しきれずスローの扱いとする。
新潟11R 新潟記念 重賞
 タイムランク・メンバーランクともにCだった。ブラックスピネルが先手を取って直線半ばまで粘っていたが、後続が接近。スタート直後、クラウンディバイダも行く構えを見せたが、すぐにブラックスピネルが交わして行って、新潟外回りとしては速い流れになった。さらに芝も傷んでいるので、切れ味よりもスタミナやパワーの勝負。逃げるブラックスピネルを内から交わしたユーキャンスマイルが先頭に立つと、外からジナンボーが並んで行ったが、交わすところまでは行かず、ユーキャンスマイルが押し切った。カデナは今回もよく伸びたが3着までだった。
1着:ユーキャンスマイル 
 同じ勝負服の2頭の争いとなったが、内のユーキャンスマイルが追い比べを制し、重賞2勝目を挙げた。ユーキャンスマイルはステイヤーというイメージになっているかもしれないが、左回りなら2000mでも問題ない。今回に関しては芝が傷んでいて、なおかつスローペースからの瞬発力勝負にならなかったことも幸いしたが、決して3000m以上限定の馬では無い。となると秋はジャパンカップが最大の勝負所かなと思う。
2着:ジナンボー 
 そして勝ち馬と同タイムクビ差2着がジナンボーだった。ジナンボーはもう少しで差し切る勢いで、もうどんどん強くなっている。これがまだ7戦目。3歳クラシックで活躍したディープインパクト産駒は4歳秋には成績が低下してしまうのが普通だが、デビューが遅れたり長期休養があったディープインパクト産駒はここからの活躍が期待される。
3着:カデナ 
 その後3着にカデナ、そして4着がブラックスピネルだった。3着のカデナはコースもペースも関係無く伸びて来るので、常に上位候補になるが、まぁ単勝を買ったり、軸に据えたりするのは怖いという扱いになる。
4着:ブラックスピネル 
 その後3着にカデナ、そして4着がブラックスピネルだった。そして4着のブラックスピネルはペースを問わず、逃げればしぶとい。ただ、勝ち切るためには2年前の東京新聞杯や今年の白富士Sのように、スローペースで恵まれる必要はある。
5着:フランツ 
 それから5着のフランツは、2着のジナンボーと同じようにレース経験が少ない4歳のディープインパクト産駒。今回の3番人気はちょっとやりすぎかと思ったが、これから活躍しそう。
10着:レイエンダ 
 さぁ一方、1番人気のレイエンダだが、10着に終わった。それもねレイエンダ、何か不利があったとかじゃなくて、まぁ全然見せ場もなく10着だが、勝ったエプソムCがとてつもなく恵まれた超スローペースの先行だった。底力を要求されるレースでは厳しかったんだと思う。

  馬券Summary
古馬との初対戦はむしろ有利
 降級制度が廃止されて、夏の1勝クラス・2勝クラスがどのような傾向になったのかシリーズ第3回。前回に続いて1勝クラスを取り上げる。今回は1勝クラスにおける昇級初戦ではない3歳馬についてだが、前回や前々回と同じく集計期間は今年の6/1から8/11までとしている。その後もう3週経過しているが、集計期間を統一するということ。それから、降級制度の廃止は夏の特に前半戦に大きく影響していると思われるので、あえて早めに期間を切ったという理由もある。まず、過去2回をちょっとまとめておくと、1つ目は「2勝クラスでは昇級初戦の3歳馬が好成績を残している。なおかつ1勝クラス、あるいは500万下を勝った時のタイムランクの信頼度が高く、さらにCランクで勝った馬でも昇級初戦で好走する事が多い」という事だった。
そして1勝クラスだが、こちらは「昇級初戦の3歳馬はそれほど好成績ではなく、特に夏になってから好タイムで勝った馬の成績が良くない」という事だった。
古馬との初対戦はむしろ有利
 さて本題に戻るが、2勝クラスでは前走でオープンに出走していた3歳馬よりも、昇級初戦の3歳馬の方が実は好成績だったが、1勝クラスでは前走でオープンに出走していた3歳馬を嫌うべきではない。前走、オープンで9着以内なら連対率は5割を超えていますし、前走10着以下でも昇級初戦の3歳馬よりは成績が良い。
古馬との初対戦はむしろ有利
 次に前走も1勝クラスあるいは500万下だった3歳馬について。前走が2歳・3歳限定の500万下だった馬と、前走も3歳以上の1勝クラスだった馬に分類してみたが、ここからわかることは古馬との初対戦というのは、全然不利じゃないという事。狙うべきはむしろ古馬と初対戦の3歳馬であって、特に3歳限定の500万下で6着以下に負けていた馬は、期待値や回収率が高い。降級制度が廃止されて、古馬との初対戦でどうかといった類の厩舎コメントは流石にかなり減ったが、まだ時々出て来る。トップクラス同士なら、夏の時点では3歳馬が古馬に対して劣勢である事は明白だが、夏の1勝クラスや2勝クラスでは3歳馬と4歳以上では在籍クラスにギャップがある。どういう事かと言うと、5月の時点の3歳500万下ってオープンの一歩手前。もう1個勝てばオープン。一方、4歳以上の5月の時点の500万下・1勝クラスというのは、最下級条件。2勝クラスに関して言えば、2勝していれば3歳馬はオープンですから。それが2勝クラス。去年までは降級でバランスが取られていたけれども、それが廃止されて完全に、能力と在籍クラスにギャップができている。そのギャップが今年からより大きくなった訳ですから、下級条件では4歳以上の方がむしろ、3歳との初対戦でどうかと心配される立場になったとのだ思う。

 秋競馬に向けて、ここ3回で取り上げたのは、あくまで夏競馬のしかも前半の傾向だという事。夏の間に勝ち上がるべき3歳馬が勝ち上がった後の秋競馬では、夏競馬のように3歳馬が圧倒的に優位という傾向が続くとは限らないと思う。
解説者:大川浩史(日刊競馬)
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