2019年4回中山3日目

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  馬場コメント
 3日間開催だった先週の芝の馬場差2000m対象の数値は土曜・日曜がマイナス2秒2、月曜はマイナス0秒9でスタートし、マイナス0秒7へ、そしてマイナス1秒0への変動だった。ここまで5日間の馬場差を確認しておくと、4日目まではマイナス2秒台だった。5日目もマイナスの数値だったが、4日目までと比較すれば時計が掛かった。
 台風15号の影響から先週月曜日にまとまった雨が降って、火曜・水曜も合計およそ26ミリの雨量を計測したが、木曜・金曜と雨が降らなかったので、馬場は乾きが進んだ。3日間開催の土曜と日曜は良馬場発表。ともに早朝にパラッと雨は降ったが、馬場差に影響はない。土曜と日曜は、1週目同様の高速決着だったが、若干の水分を含んだ事と使用頻度の関係から、1週目よりもコンマ3秒は掛かっていた。脚質も前有利の中、1週目よりは後ろの馬が届いていた。日曜の深夜から降り出した雨は昼過ぎまで降り続いて、月曜は終日重馬場。朝の段階の馬場差は2000m換算でマイナス0秒9。新馬戦が行われた5R時が最も時計を要していて、マイナス0秒7。雨が上がった後半は徐々に乾燥が進んで、後半の11R・12Rはマイナス1秒0だった。乾いた後半は内の馬の健闘が目に付いた。今週からの後半2週はCコースが使用される。雨の影響を受けなければ、少なくとも今週の土曜日はマイナス2秒前後の高速馬場になりそう。
 先週の馬場差1800m対象の数値は土曜がマイナス0秒9からマイナス0秒7への変動、日曜がマイナス0秒5、月曜がマイナス2秒1。1200m対象の数値は土曜がマイナス1秒3からマイナス1秒0への変動、日曜がマイナス0秒9、月曜がマイナス1秒5からマイナス1秒8への変動だった。ここまで5日間の馬場差を確認しておくと、全てマイナスの数値だが、終日不良馬場で行われた5日目は高速化した。
 中間の雨の影響から、土曜は稍重でスタート。6Rから良に回復した。馬場差は中・長距離、1200mともに変動。終日良馬場の1週目よりも速くはなっていた。日曜は乾燥が進んで、1800m・1200mともに開催初日の数値に戻っている。そして雨の影響を受けた月曜日は、中・長距離も1200mも一気に高速化した。1200mの馬場差が変動なのは、朝の1R時は水が浮いていて、水が引いた中盤以降と比べると時計が掛かる状況だったから。中・長距離は水分が引いた後なので、しかも6R・7Rと続けて行われたためにコンディションに変化は無く、1800m換算の馬場差は同じになっている。脚質的には最も乾いていた日曜が、差し馬の台頭が多かった。土曜・月曜は特別な偏りはなかった。


  タイム分析
 2019/09/14 (土)  芝=-2.2  Bコース
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
3R T1200 エリーグランプリ 牝2 未勝利 1:09.6 -0.5 --- +0.8 -1.3 E D 10.69
4R T1600 ハーモニーマゼラン 牡2 未勝利 1:34.3 -1.8 --- ±0 -1.8 C D 7.75
5R T1800 ローレリスト 牡2 新馬 1:52.5 +2.2 -1.1 +3.1 -2.0 SL C 7.09
9R T1600 フォルコメン 牡3 古作特別(1勝) 1:32.6 -2.3 --- -0.5 -1.8 B C 6.00
11R T2000 ブレステイキング 牡4 レインボ(3勝) 1:58.4 -1.7 --- +0.5 -2.2 D C 9.80
12R T1800 ミディオーサ 牝3 1勝クラス・牝 1:47.7 -0.9 -0.4 +0.7 -2.0 D D 6.23
 2019/09/14 (土)  ダ=-0.9 → -0.7 / 1200m=-1.3 → -1.0
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
1R D1200 デビルスダンサー 牝2 未勝利・牝 1:12.4 -0.7 --- +0.6 -1.3 D D 6.27
2R D1800 キョウエイゴー 牡2 未勝利 1:56.1 -0.1 --- +0.8 -0.9 D D 6.08
6R D1200 ウィーンソナタ 牝2 新馬 1:13.1 -0.2 --- +0.9 -1.1 E C 9.40
7R D1800 エクリリストワール 牡3 1勝クラス 1:53.7 -0.3 --- +0.4 -0.7 D D 5.33
8R D1200 クインズラミントン 牡5 1勝クラス 1:10.7 -1.2 --- -0.2 -1.0 C D 8.54
10R D2400 スターライトブルー 牡5 松戸特H(2勝) 2:36.8 +1.8 -0.6 +2.1 -0.9 E D 9.67

中山3R 2歳未勝利 タイムE
 基準より0秒8遅い勝ちタイムだった。
中山4R 2歳未勝利 注目
1着:ハーモニーマゼラン 
 1着のハーモニーマゼラン、前走3着が完全タイム差マイナス0秒5でBランク相当だった。今回は1000m通過58秒2のハイペースの3番手。直線では早めに抜け出して1着。ダイワメジャー産駒の牡馬でスピードがありますし、競馬が上手になってきている。今回は完全タイム差プラスマイナスゼロだが、この勝ちっぷりなら昇級しても相手なりに走れそうな感じがする。
2着:オーロラフラッシュ 番組注目馬
 勝ち馬に同タイム、クビ差2着が1番人気のオーロラフラッシュだった。2着のオーロラフラッシュ、札幌の新馬戦は内枠から出て物見がヒドくて、最後に伸びただけだった。2戦目で馬にやる気が出て、上がって行く時の勢いが違ったが、4コーナーで2番手のエリナイトニケが外に逃げて、さらにその外を回らされるロスが大きかったと思う。それでもそこから急追してのクビ差。マクっていた可能性があった。Frankel産駒の牝馬、少し小ぶりだが、切れは本物。次は勝てると思う。
3着:プリマジア 
 あと3着のプリマジア、2着オーロラフラッシュのさらに後方から外を追い込んで来た。上がり600m推定34秒9はメンバー中2番目に速かった。キンシャサノキセキの産駒の割にテンに行けないが、終いは確実。馬自身は確実にも良くなっている。
中山5R 2歳新馬 タイムSL
 前半・中盤が遅く、補正しきれずスローの扱いとする。
中山6R 2歳新馬 タイムE
 基準より0秒9遅い勝ちタイムだった。
中山9R 古作特別 タイムB
 このレースの勝ちタイムは古馬1勝クラスの基準タイムより2秒3速く、1600m対象の馬場差がマイナス1秒8だった事を踏まえても、 -2.3-(-1.8)=-0.5 で、基準より0秒5速い勝ちタイムだった。グランソヴァールが最内枠から先手を取って直線に入って行った。モンブランテソーロ・フォルコメン上がってくる。そして追い比べから外のフォルコメンが抜け出して1着。2馬身離れた2着争いは接戦となり、ダンシングチコが追い上げて来るが、モンブランテソーロがアタマ差先着。
1着:フォルコメン 勝ち馬注目
 3走連続して2着だったフォルコメン、今回は2馬身差で勝った。1着フォルコメン、東京・函館・札幌と3戦連続の2着。若さが抜けて来た所に持って来て、チークピーシーズ着用もあって、操縦性が向上している。見ての通りの完勝だった。取り口が安定している馬なので、2勝クラスでも上位候補。2000mでも連対例があるが、距離は1600mから1800mが合っていると思う。
2着:モンブランテソーロ 
 2着以下は2馬身以上離された。2着のモンブランテソーロ、勝ち馬から0秒3差で、自身のタイムはCランクになる。好位の内で我慢できたと言うよりも、1600mに距離が短縮しても着いて行けたのと、差す脚が取れたのは収穫だった。まだワンペースな面はあるが、このクラスでは力が上。東京なら2000m前後が良いのかもしれない。
3着:ダンシングチコ 
 3着のダンシングチコ、馬券的にフォルコメンからダンシングチコへの組み合わせが大本線だったので、ちょっと残念な競馬になってしまった。勝負所から前が詰まって脚は余した。アネモネS・スイートピーSでともに4着の実績がある。ただ、その後は入れ込みがきつくて、折り合いが難しかった。前走からは落ち着きが戻って、再び良い雰囲気にはなっている。東京なら1400mが向くのではないだろうか。
5着:パルマリア 
 そして1番人気のパルマリアは5着だった。5着パルマリアは爪の不安明けで、9ヶ月半ぶりの実戦だった。休み明けにしては出来てはいたが、体重は6キロ増で536キロの巨漢。いくらかの緩さは感じ取れた。まぁ坂路だけの乗り込みではこんなモノかなと。そんな感じもする。次は変わってくると思う。ただ、今回ぐらいのメンバー水準ではもう1戦くらいは様子を見たい気もする。
中山10R 松戸特別 タイムE
 基準より2秒1遅い勝ちタイムだった。
中山11R レインボーS 
1着:ブレステイキング 通信簿
 1番人気1着だった。札幌は合わない。次走もまた札幌だろうから危険という趣旨だったが、次走もまた札幌という部分が読み違いなので、仕方ない。

  馬券Summary
エピファネイア産駒も好調
 前回に続いて新種牡馬を取り上げたい思う。と言うのも、エピファネイアの産駒が秋競馬に入って、3勝上積みして現在11勝。キズナの15勝を追っているから。これら2頭は現役時代もライバル関係にあったが、どうやら今年の新種牡馬ランキングも2強となる可能性が高くて、一緒に取り上げておくべきと判断した。
エピファネイア産駒も好調
 エピファネイア産駒のここまでの11勝は全て芝。1200mがおよそ半数の5勝、残り6勝は1600mと2000mで3勝ずつ。エピファネイア自身、菊花賞とジャパンCの勝ち馬ですから、短距離に適性のある産駒が多いのはある意味驚きだった。決め手勝負のキズナと比べると、自身は平均したラップで決着するレースに強かった。この少しワンペースな点が遺伝している模様。また、期待を裏切ったケースでは、しばしば折り合いの難しさを露呈していた。これも短距離馬を排出させる理由ではないだろうか。2000mの3勝の内、2勝が逃げきりと3コーナー先頭だった。これは自身の競走パターンに似ている。今後は中距離前後を先行する産駒が増えて来そう。早熟でも晩成でもない。Mr.Prospectorの血が入っていない。繁殖相手としては、そのMr.Prospectorの血を受け継いでいる牝馬をつけやすいという利点がある。ここまで11頭の勝ち馬の内、6頭が該当する。また、サンデーサイレンス直仔の種牡馬が母の父の場合、サンデーサイレンスの4×3になる。母の父がディープインパクトという馬も2頭いて、この配合からはスピードと瞬発力の強化が期待できる。生産者にとっては、使い勝手の良さが魅力でもある。ダートの勝ち鞍はないが、エピファネイアの父シンボリクリスエスはダートG1馬のルヴァンスレーヴ・サクセスブロッケンを出していて、このダートからも大物の出現も可能に思えてくる。
解説者:長谷川仁志(馬サブロー専属評論家)
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