2019年4回中京3日目

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中山 京都
  馬場コメント
 先週の芝の馬場差2000m対象の数値は土曜がマイナス1秒3、日曜がマイナス1秒2だった。ここまで4日間の芝の馬場差を確認しておくと、全てマイナス1秒台で大きな動きはない。しかし、開幕週と比べると先週はいくらか水準方向に動いている。
 月曜日に雨が降った後適度に乾いて、含水率は1週目とほぼ同じだったが、1週経過した事で芝が傷み、少しだけ時計が掛かるようになった。先週は差し・追い込み馬が多く好走していたという印象があるが、内を通らないとダメとか言う極端な馬場にならない限り、中京の芝は差し馬に不利がなく、先週が特別に差しやすい馬場だったという事ではない。
 先週の馬場差1800mで対象の数値は土曜がマイナス0秒9、日曜がマイナス0秒8だった。ここまで4日間の馬場差を確認しておくと、マイナス0秒8かマイナス0秒9でほとんど動きはない。
 月曜日の雨の影響が少し残って、土日とも表面は乾いていても、中の水分量は多めで走りやすい馬場だった。そのため土曜の馬場差は1週目よりマイナス方向に動いたということ。この実際のタイムを見ると、もっと時計が掛かる馬場のようだが、ただでさえこの3週開催の2週目というのは、どうしてもメンバーの質が下がる傾向がある上に、今開催1週目にG1が行われているので、ちょっと遅いタイムの決着が多くなった。


  タイム分析
 2019/12/07 (土)  芝=-1.3  Aコース
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
7R T2000 メイショウボサツ 牡2 未勝利 2:01.7 -0.8 -0.8 -0.3 -1.3 C C 7.14
8R T1600 スーパーブレイク 牡5 1勝クラス 1:33.7 -1.1 --- -0.1 -1.0 C C 7.38
10R T1400 ペコリーノロマーノ 牝2 つわぶき(1勝) 1:21.8 ±0 --- +0.9 -0.9 E C 8.43
11R T2000 サトノガーネット 牝4 中日新聞H(G3) 1:59.2 +0.3 -0.4 +1.2 -1.3 E D 9.47
12R T1200 マルカテノール 牡5 鳥羽特別(2勝) 1:09.5 +0.8 -0.4 +1.2 -0.8 SL C 9.33
 2019/12/07 (土)  ダ=-0.9
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
1R D1200 ナムラボス 牡2 未勝利 1:13.3 -0.2 --- +0.4 -0.6 D D 9.63
2R D1400 アオイツヤヒメ 牝3 1勝クラス・牝 1:25.5 +0.4 --- +1.1 -0.7 E D 9.07
3R D1200 ザベストエバー 牡5 1勝クラス 1:12.0 -0.5 --- +0.1 -0.6 C D 9.29
6R D1900 ストロングライン 牡3 1勝クラス 2:00.0 -0.5 --- +0.5 -1.0 D D 6.40
9R D1800 ゴールデンライオン 牡3 1勝クラス 1:53.8 +0.2 --- +1.1 -0.9 E D 9.75

中京2R 3歳以上1勝クラス・牝 タイムE
 基準より1秒1遅い勝ちタイムだった。
中京8R 3歳以上1勝クラス 注目
 8着だったレッドクレオスについて。
8着:レッドクレオス 
 まず向正面で外枠の馬たちが、こうワサワサと外から上がって行くとフラフラとしてリズムが悪くなり、手綱を引っ張っているような格好になった。そして直線に入ると、外へ出そうとしてジョッキーが右の手綱を横に引いて、なおかつ左からステッキで叩いていたが、それでも内にもたれていて、まともに追えず、最後はもう追っていなかった。同じ左回りだった前走では、外に馬がいても問題ありませんでしたし、直線でももたれずに伸びていたので、今回こんな事になった理由はわからないが、リズムが悪くなって力を出せなかったのは間違いない。中京までの輸送が影響した可能性はあり、そうであれば長距離輸送が無い競馬で巻き返せるのではないかと思う。
中京9R 3歳以上1勝クラス タイムE
 基準より1秒1遅い勝ちタイムだった。
中京10R つわぶき賞 タイムE
 基準より1秒2遅い勝ちタイムだった。
中京11R 中日新聞杯 タイムE
 基準より1秒2遅い勝ちタイムだった。タイムランクがE・メンバーランクはDだった。ランドネが先手を取って4コーナー。前半と後半の1000mずつに分けると、前半が後半より2秒4も遅いんが、前半がずっと上り坂の中京2000mでは、これでも少し遅いという程度。前が断然有利という程の流れではなかった。逃げたランドネは残り200mを切っても先頭だったが、もう勢いがなく、馬群の間から抜けて来たラストドラフトが一気に交わして先頭に立つ。しかし1番外から伸びたサトノガーネットが差し切って1着。サトノガーネットと一緒に伸びて来たアイスストーム・ショウナンバッハが3着・4着となった。
1着:サトノガーネット 
 サトノガーネットが外から差し切って、重賞初制覇。中日新聞杯を牝馬が制したのは2001年以来18年ぶり。サトノガーネットは押しても行き脚がつかず、楽な追走には見えなかったが、外に出してからは一気に伸びた。安定して良い着順を取れるタイプではないが、展開などが向いた時の伸びは素晴らしい。函館でも勝ってはいるが、直線の長いコースで極端なスローにならない事が好走条件だろう。
2着:ラストドラフト 
 そして2着ラストドラフト、3着アイスストームまで勝ち馬と同タイムの接戦だった。2着のラストドラフトは先頭に立って気を抜いたようだが、展開に恵まれて京成杯を勝った頃に比べると、力をつけていると思う。
3着:アイスストーム 
 そして2着ラストドラフト、3着アイスストームまで勝ち馬と同タイムの接戦だった。3着のアイスストームはジワジワと最後まで伸びていたが、勝ち馬には切れ負け。差せる流れにならなければ厳しいタイプだと思うが、以前より脚が続くようにはなっている。
4着:ショウナンバッハ 
 4着のショウナンバッハは窮屈な所にいて少し仕掛けが遅れたが、よく伸びた。美浦のウッドで2週続けて5ハロン70秒を切る追い切りをしていて、こういう脚元の不安が出てないのが分かる調教をしている時に、左回りに出てくるとこの馬は動く。
5着:サトノソルタス 
 そして5着のサトノソルタスは直線で前が壁になっていて、壁が解消した後も狭い所を縫うようなコース取りで目一杯に追えなかった。それで小差ですから、G3なら好勝負になるだけの能力はある。
中京12R 鳥羽特別 タイムSL
 前半が遅く、補正しきれずスローの扱いとする。

  馬券Summary
3歳馬にとっての3勝クラス
 5年前、2014年の8月にアズマシャトルが札幌芝2000mの1600万下を勝った時に、8月までに芝1600m以上の1600万下を勝てる3歳馬は重賞級だし、もう大半ほとんどG1級、そういう馬が多いという話をしたが、覚えていらっしゃいますか?このアズマシャトルだが、翌年になったが小倉記念を勝った。その後、こういう8月まで1600万を勝った3歳馬は2015年のリアファルは神戸新聞杯を勝って菊花賞3着。そして2018年のグローリーヴェイズも、その後重賞を勝って、さらに先日香港ヴァーズでG1タイトルも手にした。今年の8月に3歳馬のロードマイウェイが芝1600mの3勝クラスを勝ったが、この事に触れなかった。そこ理由は降級制度が廃止されたため、3勝クラスが旧1600万下よりもレベルダウンし、以前より3歳馬が勝ちやすくなっていて、という事は早期に3勝クラスを勝てても重賞級とは言えないのではないかと、そう思ったから。
3歳馬にとっての3勝クラス
 まぁサンプルも増えて来ましたので、実際に今年の3勝クラスにおける3歳馬の成績がどうなっているのかを調べたところ、何と昨年より悪化していた。早いうちに2勝クラスを勝つ3歳馬が激増したので、出走数は多く、その母数・分母が増えたことで勝率や連対率が下がるのは仕方ないとしても、1着も2着も数が減っている。つまり、今のところ降級制度が廃止されても、3勝クラスは3歳馬にとって1つの壁のままだということの模様。そしてこの3勝クラスを勝った3歳馬の次走、すなわち昇級戦のオープンでの成績だが、こちらは昨年の3歳つまり現4歳世代よりもかなり良くなっている。こちらに関しては、まだサンプルが少ないので微妙なところはあるが、今のところ3歳馬は3勝クラスで壁に当たりやすいが、そこを突破してしまえば、すぐにオープンで通用するという傾向になっている。
解説者:大川浩史(日刊競馬)
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