2019年3回阪神6日目

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中山 京都
  馬場コメント
 先週の芝の馬場差2000m対象の数値は土曜がマイナス0秒2からプラス0秒2への変動、日曜がマイナス0秒2からマイナス0秒4への変動だった。遡って6日間の馬場差を確認しておくと、水準かそれに近いレベルで大きな動きはなく推移している。
 阪神は土曜の東京のように、終日雨が降り続いた訳ではないが、雨の影響が残って土日ともに稍重。土曜は1R時点ではマイナスの数値だったが、その後に雨が降って午後はプラス0秒2。終盤に再び雨が降ったが、すでに芝のレースは終了していましたから、午後は変わらなかった。日曜は逆に乾いてマイナス方向に動いた。そもそも開幕週が、高速馬場ではなくてのこの開催は時計が掛かっていくのかと予想していたが、先週は雨が降って土曜は風も強かったが、思ったほど掛からなかった。先週からBコースに変わったことも影響していたのかもしれない。上位馬の脚質には、大きな偏りは見られなかった。
 先週の馬場差1800m対象の数値は土曜がマイナス0秒9からマイナス1秒5への変動、日曜がマイナス1秒5からマイナス1秒1への変動だった。遡って6日間の馬場差を確認しておくと、2日目以降の開催日は全て変動で、特に3日目以降は基本的に速い時計の出るコンディションとなっている。
 土曜はですね午前と終盤に雨が降って、後半の方が更に時計が出やすくなった。日曜日は逆に、後半の方が乾いて水準方向に動いたが、いずれにしても土日を通じて、時計の出やすい馬場だった。中でも高速馬場だったのは、土曜終盤と日曜の午前。逃げ・先行馬の連対は少なく、差しの効きやすい馬場だった。


  タイム分析
 2019/06/16 (日)  芝=-0.2 → -0.4  Bコース
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
5R T1600 エールヴィオレ 牝2 新馬 1:37.7 +1.2 -0.1 +1.3 -0.2 E C 5.73
6R T1400 モズハチキン 牝3 未勝利 1:22.1 -0.6 --- -0.5 -0.1 B D 7.79
8R T2000 アルファライズ 牝3 1勝クラス 2:03.2 +2.3 --- +2.6 -0.3 E D 7.00
11R T1600 オールフォーラヴ 牝4 米子S(L) 1:34.7 +1.7 -0.5 +1.5 -0.3 E D 7.00
12R T1200 ロードアクア 牡3 1勝クラス 1:09.4 +0.1 --- +0.3 -0.2 C C 9.00
 2019/06/16 (日)  ダ=-1.5 → -1.1
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
1R D1800 サイレントクララ 牝3 未勝利・牝 1:56.1 +1.8 -0.5 +2.8 -1.5 E D 9.70
2R D1200 メイショウロサン 牡3 未勝利 1:11.9 -1.2 --- -0.2 -1.0 C D 10.67
3R D1800 タイサイ 牡3 未勝利 1:53.1 -1.2 --- +0.3 -1.5 C D 10.22
7R D1200 カモンスプリング 牡3 1勝クラス 1:11.6 -0.7 --- +0.2 -0.9 C D 6.90
9R D1200 スピリットワンベル 牡4 箕面特別(2勝) 1:11.0 -0.7 --- +0.1 -0.8 C D 9.60
10R D1800 マイネルクラース 牡5 灘S(3勝) 1:50.2 -1.3 --- -0.2 -1.1 C D 9.00

阪神1R 3歳未勝利・牝 タイムE
 基準より2秒8遅い勝ちタイムだった。
阪神5R 2歳新馬 タイムE
 基準より1秒3遅い勝ちタイムだった。
阪神6R 3歳未勝利 タイムB
 戦基準より0秒5速い勝ちタイムだった。
1着:モズハチキン 
 ここまで6戦全て馬券圏内に入っていたモズハチキンが7走目で勝ち上がった。モズハチキンは父がハービンジャー。好スタートからハナを奪って、そのままでおいでおいでの大楽勝だった。いつ勝っても良いレベルだったが、今回は再び1400mへ戻したのが良かった模様。ただ、昇級して控えるレースをした時は、折り合いが問題になると思う。
2着:ラッキーバローズ 
 2着のラッキーバローズは出遅れたが、その後は概ねスムーズで、この馬も芝1400mが1番合っている模様。スタート・展開・相手次第ではチャンスがあるだろう。
3着:プラネットアース 
 3着のプラネットアースはスタートで躓いたが、インで促しながら好位は確保した。追ってからが案外だったが、これは馬場が合わなかったか平坦向きかのどちらかだと思う。
4着:ハニエル 
 4着ハニエル・5着クロスオブヴァローまでは3着プラネットアースと同タイムですから、タイムランクはD相当になる。
5着:クロスオブヴァロー 
 4着ハニエル・5着クロスオブヴァローまでは3着プラネットアースと同タイムですから、タイムランクはD相当になる。
阪神8R 3歳以上1勝クラス タイムE
 基準より2秒6遅い勝ちタイムだった。
阪神10R 灘S 注目
1着:マイネルクラース 
 1着マイネルクラース、4コーナー2番手から上り600m最速で、ビックリするぐらい強かった。6馬身差になるが、タイムランクはCですから他の人気馬がちょっと走らなさすぎtたきらいもある。しかし、振り返ってみると、4歳4月に古馬1600万下を勝っていて、地力がある事は確かだった。これまでの全4勝が2100m以上ですから、まぁ1800mでこんな走りができるというのは、ちょっと私には予想外だった。
2着:ストーミーバローズ 
 2着のストーミーバローズ、こちら1番人気だった。4歳で、このクラスに入ってから7着・5着・4着、そして今回2着と着順を上げてきていますから、相手次第では勝てそうなレベルと言えないこともないが、2着のタイムランクはDになりますので、ちょっと評価は微妙。
阪神11R 米子S タイムE
 基準より1秒5遅い勝ちタイムだった。

  馬券Summary
今の4歳馬は毎年、普通に強い
 一昨年のマイルチャンピオンシップで、ペルシアンナイトが優勝したが、3歳馬の優勝は2000年のアグネスデジタル以来で、負担重量56キロの3歳馬の優勝は史上初めてだった。そして昨年も3歳のステルヴィオが優勝した。そのステルヴィオだが、6月の2歳新馬戦を1分34秒8で勝って、この時点でもう朝日杯フューチュリティステークス並のレベル、その能力を示していたと思う。昨年は、6月の2歳新馬戦でグランアレグリアが1分33秒6で勝って、2着のダノンファンタジーは1分33秒9だった。やはりですねこの時点で、阪神ジュベナイルフィリーズ、いやもう桜花賞レベルの能力を示していたという訳です。何が言いたいかと言うと、育成と調教技術の進歩などから、もう2歳の6月は以前の2歳12月に匹敵する体力が身についていると考えるべきだということ。時計の針を半年進めて考えてみましょうということです。話をさっきのマイルチャンピオンシップに戻すと、今3歳秋の時点で3歳牡馬56キロで、4歳以上の牡馬は57キロと、もう互角に戦えるということです。この考え方は、マイルチャンピオンシップに限らないことを示している。表をご覧下さい。
今の4歳馬は毎年、普通に強い
この表だが、平地の4歳以上の重賞について、世代別の成績が表示されている。比較のために、2008年・2009年目そして最近2018年・2019年の成績をピックアップしている。4歳以上の重賞ですから、3歳馬が年上の馬とともに出走する下半期の重賞は含まれていない。
 この表を見ると、近年は4歳馬が強いことがわかる。昨年・今年の合算成績を見ても、勝率・連対率・3着内率の全てで父親の世代を上回っている。昨年秋以降に、今年の3歳馬は強いと、つまり今年の4歳馬は強い強いと言われて来たが、この表に見るように、もう今の時代は、世代レベルに関係なく、普通に4歳馬が強い。昔の4歳馬の成績と比較して見ると、尚更よく分かると思う。このことを予想と馬券に活かすためには、先ほど言ったように時計の針を半年進める訳ですから、3歳秋は4歳春。4歳春は4歳秋と置き換える。一般的に競走馬が最も充実すると、そして強いと言われているのは、4歳秋と言われていますから、4歳秋は4歳春と考えなければならない。ところで、先々週G3のエプソムカップ・マーメイドステークスともに、4歳馬同士の決着だったが、連対した4頭は全て昨年までなら古馬の1000万下から1600万下に降級していた馬。降級制度がなくなって、4歳馬がそのまま高額条件に止まる背景を考えると、3勝クラスからオープンでは、しばらくは4歳馬上位で予想を組み立てて良いのではないかと思う。そして、秋競馬になったら、今度は3歳馬上位に切り替える。そんな戦略が有効ではないかと考えている。時計の針を半年進めるということは、3歳の9月は実質的には、4歳3月と考える。そういうことです。
解説者:吉岡哲哉(競馬ブック)
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