2019年3回京都10日目

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中山 京都
  馬場コメント
 先週の芝の馬場差2000m対象の数値は土曜がマイナス1秒8、日曜がマイナス1秒7だった。遡って8日間の馬場差を確認しておくと、マイナス1秒8からマイナス1秒5の間で推移しており、大きな動きはない。
 東京の様にマイナス2秒台になる程の高速馬場ではないが、速い時計の出る馬場だった。先週、しかも特に日曜は強風の影響を受けたが、一定の方向とか強さではなかったので、時計の出方に目立った特徴はなくて、速い時計の出るレベルが続いた。あと上位馬の脚質傾向を見ても、先行・差し問わず偏った傾向はなかった。ただ、後方からの差し馬3連対とやや少なくて、しかもその内の2鞍は8頭立てで脚質による有利・不利が少ないレースだった点は要注意。基本差して来るにしても、中団にはいないと厳しい状況だった。
 先週の馬場差1800m対象の数値は土曜がプラス0秒3、日曜がプラス0秒4だった。遡って8日間の馬場差を確認しておくと、水準かそれに近いレベルで推移しており、大きな動きはない。
 確かに大きく数値が動いてる訳ではないが、先週はこの開催では最も時計が掛かっていた。乾いたコンディションの上に、ダートについては風の影響もあったと考えられる。脚質的には12鞍あって、逃げ馬が半数の6連対だった。前回お話しした通り、先行有利の傾向は変わらなかったが、逃げ馬を追い掛けた先行馬が失速して、好位組が差して来るケースが多かったというのは事実としてある。


  タイム分析
 2019/05/19 (日)  芝=-1.7  Dコース
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
3R T1800 オメガハートクィン 牝3 未勝利・牝 1:47.7 -0.7 -0.7 +0.1 -1.5 C D 7.38
4R T1400 ハーフバック 牝3 未勝利 1:20.9 -1.6 --- -0.4 -1.2 B C 7.00
5R T2000 スターオブバラード 牡3 未勝利 2:00.6 -1.2 --- +0.5 -1.7 D D 7.93
8R T2000 レッドランディーニ 牝4 御室特別1000 1:59.9 +0.1 -1.0 +0.8 -1.7 D C 7.71
9R T1200 レジーナファースト 牝4 500万下 1:08.1 -1.0 --- ±0 -1.0 C D 5.14
11R T2000 センテリュオ 牝4 下鴨SH1600 2:00.1 +1.0 -1.1 +1.6 -1.7 SL D 6.50
 2019/05/19 (日)  ダ=+0.4
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
1R D1400 タガノゴマチャン 牡3 未勝利 1:25.7 +0.1 --- -0.2 +0.3 C D 6.29
2R D1800 ヤンチャヒメ 牝3 未勝利 1:54.8 +0.9 --- +0.5 +0.4 D D 9.00
6R D1200 サトノギャロス 牡3 500万下 1:12.0 ±0 --- -0.3 +0.3 B D 8.29
7R D1800 デュアルウィールド 牝4 500万下・牝 1:54.4 +1.8 --- +1.4 +0.4 E D 8.82
10R D1800 マドラスチェック 牝3 鳳雛S(L) 1:53.1 +1.3 -0.2 +0.7 +0.4 D C 7.14
12R D1800 ゼンノワスレガタミ 牡5 1000万下 1:53.2 +1.4 -0.3 +0.7 +0.4 D D 6.14

京都2R 3歳未勝利 
3着:ナリタムソウ 解説推奨
 今回初めてのダート戦だった。序盤は砂を被って戸惑っていたが、このあたりにちょっと揉まれて動けないポジションに入ってしまう。ちょうどこの辺り。ちょっと追い出しを待たされるような。ここで4コーナーを回った後に、横の馬にちょっと前を遮られるような形になった。これでちょっと万事休すかなと思って見ていたが、結局ここからドンドンドンドン加速して伸びて来る。前が結構飛ばしていたので、止まる展開だったと言え、この内容ならダート適性の高さを見せたと言える。馬自身もソレが治って、出来も着実に上向いていますから、これでダートに対する慣れが見込める次走は期待できる。
京都4R 3歳未勝利 タイムB
 基準より0秒4速い勝ちタイムだった。
1着:ハーフバック 
 ハーフバックはクビ差でプラネットアースの追撃を凌いだ。ハーフバックは無理せず2番手につけて、最後の直線に向くと逃げ馬を交わして後続の追撃も凌いだ。上がりの速さでタイム全体を押し上げた点は評価できる。そして過去を遡れば、2走前はタイムランクBのレースで2着。そして前回もタイムランクBのレースで4着だった。近走は常に時計の速いレースで好走している。勝ちっぷりは地味だが、昇級後も注意は必要。
2着:プラネットアース 
 2着プラネットアースは発馬こそ早くなかったが、すぐに挽回して好位のインにつけて、ロスなく立ち回った。敗れはしたが、レース内容は安定していますし、チャンスは近い。
3着:スギノヴォルケーノ 
 そして1番人気スギノヴォルケーノが3着だった。3着スギノヴォルケーノは逃げる形でよく粘った。実は前走はプラネットアースが3着で、この馬が2着だった。今回、着順は入れ替わったが、この2頭に力量差はないと思う。2頭とも次走引き続きチャンス。
7着:グランツシチー 
 あと私が狙い馬として取り上げていたグランツシチーは残念ながら7着だった。前走は終いにかける競馬で、目を引く伸びを見せたが、ある程度ポジションを取りに行った今回伸びを欠いた。ですから、現状自ら動いて勝てる力はなさそうで、これは見込み違いと言って良いと思う。申し訳なかったと思う。
京都6R 3歳500万下 タイムB
 基準より0秒3速い勝ちタイムだった。
1着:サトノギャロス 勝ち馬注目
 サトノギャロスが後続に5馬身以上の差をつけての圧勝だった。サトノギャロスはゲートの出は早くなかったが、加速がついてからのスピードの乗りが良くて2番手につける形で、4コーナーでは後続に接近されたが、直線半ばで一気に突き放すと、そのまま5馬身引き離した。前走は逃げてAランクの時計で勝利したが、今回は時計こそ遅くなったとは言え、2番手からの競馬に対応した点は収穫だった。今回で見せた自在性なら、クラスが上がって古馬が相手になったとしても十分勝負になる。
2着:ファイアーボーラー 
 そして2着ファイアーボーラーはサトノギャロスを負かしに行く競馬をして、結果突き放されたが、見せ場は十分だった。次走も揉まれない形なら勝負になる。いずれにしろ、この馬の場合、外枠が理想。
3着:アスカノダイチ 
 3着アスカノダイチは馬群の中で楽な競馬ではなかったが、4コーナーを回るとしっかりと脚を使った。脚質的に展開に左右されるのでなかなか勝ちきれないが、常に警戒は必要な1頭。
4着:リフタスフェルト 
 そして4着リフタスフェルトも中団から差を詰めた。相手なりに走るタイプで、次走も圏内。
京都7R 4歳上500万下 タイムE
 基準より1秒4遅い勝ちタイムだった。
京都10R 鳳雛S 注目
 そして3着以下は2着のリワードアンヴァルから8馬身以上離されている。現状、能力差はかなりあると言わざるを得ない。
1着:マドラスチェック 
 勝ったマドラスチェックは2番手につけて、ピタリと折り合って勝負どころの手応えも抜群だった。そして最後の直線に向くと、食い下がるリワードアンヴァルを競り落とした。レース中盤のラップが遅かった分、勝ち時計は平凡だが、内容的には完勝。これでダートは2戦2勝で、まだ底を見せていない。次走は中3週でおそらくユニコーンステークス出走が有力かなと思う。メンバーが揃いそうなので、次走上位候補にはしないが、当然有力馬の1頭にはなってくる。
2着:リワードアンヴァル 
 2着リワードアンヴァルは1勝馬ながら、果敢にこのレースに参戦して、勝ち馬の粘り腰に屈したが、正攻法の競馬でよく頑張った。実は前走はAランクの時計で勝っている馬だが、改めて能力の高さを証明した。次走500万下に出走して来たら勝つ可能性はかなり高いですし、仮にユニコーンステークスに出走してきたとしても面白いと思う。
京都11R 下鴨S タイムSL
 前半・中盤が遅く、補正しきれずスローの扱いとする。
1着:センテリュオ 
 勝ったセンテリュオ、ゲートでアオって最後方の位置取りだったが、勝負所から進出を開始して、最後はしっかり伸びて差し切った。上がりの速い決着の中、外を回って差し切った点は着差以上の強さだった。次走はオープンに昇級して、しかも発馬に課題のある馬なので、上位候補とはしないが、当然警戒は必要な1頭。
2着:アクート 
 2着アクートは道中かなり力んでいた。結局折り合いがついたのは、もう3・4コーナーの中間あたりだった。それでもラストまでよく伸びている。能力は高い。最近はスローペースの競馬ばかりに使っているが、速い流れならアッサリ突き抜けるシーンも考えられる。
3着:サトノケンシロウ 
 そして3着サトノケンシロウは中団のインでレースを運んでいたが、道中口を割って頭を上げて、完全に折り合いを欠いていた。しかも最後の直線では、前にスペースがなくて外に持ち出すのに時間が掛かった。ラストは伸びているだけに、スムーズなら前との差は詰まっていたと思う。とにかく勿体ない競馬だった。次走スムーズな勝ち負けになる。
4着:バレーノロッソ 
 あと4着同着のバレーノロッソとチカノワールは上位3頭と比べると、決め手で見劣る印象。次走展開に恵まれたとしても、馬券圏内までかなという気はする。
4着:チカノワール 
 あと4着同着のバレーノロッソとチカノワールは上位3頭と比べると、決め手で見劣る印象。次走展開に恵まれたとしても、馬券圏内までかなという気はする。

  馬券Summary
初めての経験
 意味深な感じだが、もうね私も競馬記者になって24年ほど。多分、24年ぐらいになると思うが、先週の京都は過去を振り返っても、記憶にないぐらいの強風に見舞われた。まず、阪神を引き合いに出して話をすると、阪神の場合は六甲山から吹き下ろす風が強くて、そもそも強風になるケースは多い。ただ、その吹き下ろしの風はいつも同じ方向で、1コーナーから4コーナーに向けて吹く。すなわち、最後の直線は、馬にとっては向かい風になる状況。しかも断続的に吹き続けるので、傾向的にはわかりやすい風だと言えると思う。
当然、風の強さによっては馬場差にも影響を及ぼしことは、阪神は十分にある。
それと比べると、先週の京都はかなり特殊だった。ここからは風に吹かれてる映像ばっかりだが、結構スターターのジャケットがヒラヒラする感じで、基本、向正面からスタンドに向かって吹いているが、旗の揺れ方も凄い。数秒間風が止んだかと思ったら、もう1回吹いたりとかして、所謂上空に風が舞っているような感じの吹き方だった。
結果、芝の馬場差は先週とほぼ同じで、脚質傾向も大きく変わらなかったという事になる。芝に関しては。
一方、ダートはプラスゾーンの馬場差になって、先々週と比べると少し時計が掛かって、若干差しも届いていた。ダートは少し変化があった点は注目ポイント。幸い、京都開催は今週、もう1週行われる。先週との違いを意識しつつ、慎重に馬場差を出して行きたい。特にオチはなく、単に強風だったという話。
解説者:津田照之(競馬エイト)
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