2018年1回中山6日目

開催一覧
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中山 阪神
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2018/01/07 (日)
中山 京都
2018/01/06 (土)
中山 京都
  馬場コメント
 先週の芝の馬場差2000m対象の数値は土日ともにマイナス0秒3だった。まずはさかのぼって7日間の馬場差を確認しておくと、この開催はマイナス0秒6でスタートし、最終週がマイナス0秒3と大きな動きはなかった。
 土日とも良馬場だったが、水曜から木曜にかけて降った雨の影響が残っていた。異本が低くて乾きにくく、日曜も土曜と変わらないコンディション。そのため、今開催では最も時計の掛かる馬場だったが、まぁ力の要る馬場という程でもなかった。内側の芝の色が薄くなっているが、内を通っても不利という程ではなく、しかし外を通っても伸びるという公平な馬場なままだった。
 先週の馬場差1800m対象の数値は土曜がプラス0秒3、日曜がプラス0秒4。1200m対象の数値は土曜がマイナス0秒2、日曜がマイナス0秒1だった。さかのぼって7日間の馬場差を確認しておくと、1800mは全てプラスの数値だが、先週はそれまでの2週と比べ、水準寄りになった。1200mは水準レベルで推移していたが、先週は土日ともにマイナスの数値だった。
 水曜から木曜にかけて雨が降って、それが乾ききらず土日とも稍重で1週前より少しだけ速い時計が出るようになった。全体としては前残り傾向で、特に1200mは普段以上に前残り傾向だった。2週目までよりは時計の掛かる馬場ではなくなったという、その影響もありそうだが、1800mは飛ばしてしまうとバテてしまう馬場という意識が強く働いたのか、無茶なハイペース先行がなく、2週目までのようなズブズブの差し決着が少なかった。


  タイム分析
 2018/01/20 (土)  芝=-0.3  Cコース
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
5R T1600 テンワールドレイナ 牝3 未勝利・牝 1:34.9 -1.1 --- -0.9 -0.2 A B 6.80
6R T2000 ホリデーモード 牡3 未勝利 2:03.7 +0.6 -0.6 +0.3 -0.3 C C 7.07
10R T1600 モアナ 牝4 東雲賞H1000 1:34.6 +0.3 -0.2 +0.3 -0.2 C C 9.00
12R T2200 クレッシェンドラヴ 牡4 500万下 2:14.9 +0.3 --- +0.6 -0.3 D C 7.33
 2018/01/20 (土)  ダ=+0.3 / 1200m=-0.2
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
1R D1200 ドリュウ 牡3 未勝利 1:12.7 -0.3 --- -0.1 -0.2 C D 8.07
2R D1800 ミレフォリウム 牝3 未勝利・牝 1:58.1 +2.2 --- +1.9 +0.3 E D 8.86
3R D1800 ヤマタケパンチ 牡3 未勝利 1:59.8 +3.9 --- +3.6 +0.3 E D 10.67
4R D1200 トラストテッペン 牝3 新馬 1:12.8 -0.4 --- -0.2 -0.2 C C 10.00
7R D1200 タマモアモーレ 牡3 500万下 1:11.7 -0.6 --- -0.4 -0.2 B C 7.54
8R D1200 アースヴィグラス 牝4 500万下・牝 1:11.9 ±0 --- +0.2 -0.2 C D 9.50
9R D1800 ハイランドピーク 牡4 初茜賞1000 1:51.9 -1.3 --- -1.6 +0.3 A C 4.38
11R D1800 フェニックスマーク 牡4 アレキH1600 1:53.7 +1.3 -0.2 +0.8 +0.3 D C 8.94

中山2R 3歳未勝利・牝 タイムE
 基準より1秒9遅い勝ちタイムだった。
中山3R 3歳未勝利 タイムE
 基準より3秒6遅い勝ちタイムだった。
中山5R 3歳未勝利・牝 タイムA
 このレースの勝ちタイムは当開催3歳未勝利戦の基準タイムより1秒1速く、1600m対象の馬場差がマイナス0秒2になる事を踏まえても、-1.1-(-0.2)=-0.9で、基準より0秒9速い勝ちタイムだった。ロンデルが内枠から緩みの無いペースで逃げて行った。4コーナーで8枠両馬、その外からテンワールドレイナが押し上げて行く。そして直線ではテンワールドレイナが抜け出し、差を広げて1着。その後ゴージャスランチが内を突いて伸びて来るが、レガロデルソルが交わして2着入線。
1着:テンワールドレイナ 
 東京芝1400mで2走続けて3着だったテンワールドレイナ、中山1600mで初勝利。中山芝1600mの内枠はスムーズなら距離損がないので、有利だが多頭数で馬群が固まると包まれたり、詰まったりするリスクがある。しかしこのレースは馬群がバラけていたため、テンワールドレイナはスムーズに外へ出し、なおかつあまり距離損することなく追い上げる事ができた。直線に入るまで上手く運べた事を差し引いても、抜け出して突き放す脚は見事で、文句なしのAランク。東京コースでは後ろから差される事もあったので、速い上がりの瞬発力勝負ではどうかという課題はまだあるが、コースやレースの流れが合えば、上のクラスでも通用すると思う。
2着:レガロデルソル 
 2着のレガロデルソルも勝ち馬と同様内枠だったが、スタート直後に寄られて下がり、4コーナーで上手く捌いて上がっては来たが、勝ち馬と比べれば直線に入るまでがスムーズではなかった。それでも直線ではしっかり伸びており、次走は期待できそう。
3着:ゴージャスランチ 
 3着のゴージャスランチは内の好位で脚を溜め、直線でも進路があって絶好の展開かと思えたが、いざ追ってからがジリジリとしか伸びなかった。楽に追走しているようでも、結構ペースが速かったためだろうと推測する。
中山7R 3歳500万下 タイムB
 基準より0秒4速い勝ちタイムだった。休み明けのタマモアモーレが逃げ切り連勝した。
1着:タマモアモーレ 勝ち馬注目
 タマモアモーレは楽々とハナという程でもなかったが、少し仕掛ける程度で先頭に立ち直線でもノーステッキで圧勝した。昨年8月以来の休み明けでこの勝ちっぷりとタイムは素晴らしく、上のクラスでも期待したいが、問題は3歳の2勝馬が出走できるダート1200mが春にはないという事。ただ、サウスヴィグラス産駒は距離が保たないように見えて保つ馬が多く、タマモアモーレの母は1800mで好走していましたし、兄や姉は父がネオユニヴァースやブライアンズタイムやハーツクライだという事はあるが、長めの距離で好走している。タマモアモーレも1400mや1600m辺りで大幅にパフォーマンスが下がる事もないと思う。
2着:フェリーチェ 
 1番人気フェリーチェが5馬身差の2着だった。このフェリーチェはDランク相当のタイムですし、内ピッタリでロスもなかった。次走に関しては相手次第というところ。
8着:モリトユウブ 
 8着のモリトユウブ。直線で挟まれて下がって走りがバラバラになったが、立て直してからはそれなりに伸びていた。前走は直線で内ラチに突っ込んでしまっていて、いろいろ難しいようだが、Bランクで勝っているように能力はあるので、見捨てず穴馬としてチェックリストに入れておく。
中山9R 初茜賞 タイムA
 基準より1秒6も速い勝ちタイムだった。ハイランドピークが今回も前へ行く。主導権を握って後続を離したが、ペースを落として後続が接近して来ると、再び差を広げて行く。そして直線ではハイランドピークが10馬身差をつけて1着。一方2着争いは接戦となりリヴァイアサンがハナ差でコティニャックの追撃をしのぎ先着。
1着:ハイランドピーク 番組注目馬
 ハイランドピークが積極策で逃げ切った。逃げたハイランドピークの1000m通過は1分1秒7。今の中山ダートでは楽では無いペースだったが、次の2000mが13秒1。ここで後続を引きつけつつ、息を入れるとそのあと一気にペースを上げて、直線では10馬身もぶっちぎって楽な手応えのままだった。1000mから1200mにかけてペースダウンして、その後一気にペースを上げるジョッキーの技術も凄いが、その通りに走れる馬も凄い。ちなみに同じ日の11Rが1600万条件だが、1000m通過が63秒5で走破タイムは1分53秒7。つまり1000m通過がこちらの方が1秒8速くて、勝ちタイムも1秒8速い。つまり、後半800mは11Rと全く同じということ。普通に考えて、ハイランドピークは1600万ですぐに通用すると思う。
2着:リヴァイアサン 
 2着のリヴァイアサンは差を詰めて先頭に追いついたと思ったら、ペースが速くなって、それに着いていくしかないという厳しい展開になった。直線で大きくバテても不思議ではなかった、と言うか実際にバテてしまっているが、10馬身差とは言え2着は守ったのだから立派。そもそも10馬身差でも完全タイム差はプラスマイナスゼロですから、次走が普通の組み合わせなら有力。ただし、かなりキツい競馬をしている上に、東京コースには良績がないので、間隔を開けずに次の東京開催で出て来ると危険な面もあるかと思う。
3着:コティニャック 
 3着のコティニャックはペースが上がった所でも動かず、直線で最内から伸びて来た。これだけロスのないレース運びでも一杯になっているリヴァイアサンを差せなかったように、坂コースが歓迎ではないという印象。狙いやすいのは新潟か福島だと思う。
中山10R 東雲賞 注目
5着:スズカメジャー 
 5着だったスズカメジャーについて。出遅れて最後方になる。しかもスローで馬群が固まっているので、4コーナーでかなり外を回る事になり、なおかつ前の馬が脚を余しているという最悪の展開だったが、直線で外から目立つ伸びを見せた。今回のような出遅れというのは多くはないが、それでも後ろからのレースが多く、後ろから伸びてきたこと自体はまぁことさらに強調するような事でもないが、左回りだと外に逃げて右回りだと内にもたれる馬が、直線で内にもたれずしっかりと追えた事が収穫だと思う。今回にしても右から肩ムチを入れてもたれないようにしているが、これまではもたれるのを修正しているだけでまともに追えていない事も多かった。片側ブリンカーの効果が出てきたようなので、これで好位につける事ができれば、何とかこのクラスは勝てそう。

  馬券Summary
なぜ京都ダート1800mは内枠有利なのか
 前回中山ダート1200mが外枠有利である理由として、スタートから最初のコーナーまでが長いほど外枠有利になりやすいと言う一般論を述べたが、逆にスタートから最初のコーナーまでが短いため、内枠有利・外枠不利になっている代表的なコースが京都ダート1800m。
なぜ京都ダート1800mは内枠有利なのか
スタートから1コーナーまでおよそ285mしかないので、外枠から先行しようとすると前半で無理する事になりやすい。しかも京都は3コーナーと4コーナーが大きいので、向正面で体列やペースが落ち着いてしまうと、後半で外を回って追い上げる場合のロスが内を通っている馬との相対的な比較で大きくなる。
 まず8枠の連対率は悪くないが、いかなるコースでも8枠には揉まれる事がないという利点があるので、特にダートの場合トータルの数値で8枠の数字が成績が著しく悪い、そういうコースはあまり無い。対照的に同じコーナー4回の中山ダート1800mは内枠の成績が良くない。スタートから1コーナーまでが、およそ375mある上にそこで坂を登るので、無茶な先行争いが発生しにくく、外枠からでもゆったりと先行しやすい。とは言っても、外枠有利という程ではないが、内枠は有利では無いというのは明確に数字に表れている。で、京都ダート1800mの多頭数の外枠から先行しようとして先行できなかった馬、あるいは先行したものの、併走になってずっと外を回った馬。中山ダート1800mの内枠で先行できず、揉まれる展開になった馬、こういった馬はチェックしておきたい。
解説者:大川浩史(日刊競馬)
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