2018年2回札幌5日目

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中山 京都
  馬場コメント
 先週の芝の馬場差2000m対象の数値は土曜がプラス1秒6からプラス0秒6への変動、日曜がプラス0秒5だった。さかのぼって6日間の芝の馬場差を確認しておくと、今開催初日はマイナスの数値だったが、水準に近いレベルで2日目以降は全てプラスの数値だった。
 木曜と金曜に雨が降って、土曜は稍重でスタートし、8R以降は良馬場。馬場差は変動で、後半ほど速い時計が出るようになっているが、1週前にかなり芝が傷んだ事もあって、良馬場になった後半でも馬場差はプラスだった。日曜は終日良馬場で、馬場差は土曜の後半とほぼ同じだった。土曜日は差しが決まっていて、日曜はそれよりは前残り傾向に見えるが、全体としては差し馬の好走が目立った。時計が掛かり、パワーを要する馬場になっていた事と、札幌の最終週らしく、ほとんどがフルゲートになっていた事が原因だと思う。実はディープインパクト産駒が11頭出走して1勝で、着外が10だった。11頭中8頭はまぁ人気薄だったが、ディープインパクト産駒向きの馬場ではなかった。ちなみに勝った1頭には、この後タイム分析で触れるが、ディープインパクト産駒らしくない馬だった。
 先週の馬場差1700m対象の数値は土曜がマイナス0秒9からマイナス0秒3への変動、日曜がマイナス0秒1だった。さかのぼって6日間の馬場差を確認しておくと、全てマイナスの数値だが、時計の出方は異なり、2週目特に3日目がかなり速い時計の出るコンディションだった。
 木曜・金曜に雨が降り、土曜は重馬場でスタートして6R以降は稍重。馬場差は変動で、後半ほど時計が掛かるようになっているが、乾くスピードが早く、前半と後半では時計の出方がかなり違った。日曜は良馬場だが、稍重だった土曜の最後と馬場差はあまり変わらなかった。


  タイム分析
 2018/09/01 (土)  芝=+1.6 → +0.6  Cコース
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
2R T2000 ヘリオス 牡2 未勝利 2:06.9 +3.1 --- +1.5 +1.6 E C 6.31
4R T1200 デンセツノマジョ 牝3 未勝利 1:11.3 +1.0 --- +0.2 +0.8 C C 5.00
5R T1500 レースガーデン 牝2 新馬 1:31.6 +0.5 --- -0.5 +1.0 B B 6.67
8R T2000 リュヌルージュ 牝3 500万下 2:03.1 +1.0 --- ±0 +1.0 C C 6.88
10R T1200 リナーテ 牝4 札幌スポ1000 1:10.4 +1.0 --- +0.5 +0.5 D C 9.57
11R T1800 ニシノデイジー 牡2 札幌2歳(G3) 1:50.1 +0.5 --- -0.1 +0.6 C C 5.29
12R T2000 カリビアンゴールド 牝4 日高特別1000 2:03.6 +2.2 --- +1.6 +0.6 E C 6.07
 2018/09/01 (土)  ダ=-0.9 → -0.3
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
1R D1700 フクノワイルド 牡2 未勝利 1:46.8 -1.1 --- -0.2 -0.9 C B 4.86
3R D1700 エナグリン 牡3 未勝利 1:46.9 +0.1 --- +0.9 -0.8 E C 5.31
6R D1000 ニシノオリーブ 牝3 500万下・牝 0:59.1 +0.1 --- +0.5 -0.4 D C 7.00
7R D1700 ボードウォーク 牝3 500万下 1:45.7 ±0 --- +0.5 -0.5 D C 5.50
9R D1700 フランドル セ5 500万下 1:46.1 +0.4 --- +0.7 -0.3 D D 8.08

札幌1R 2歳未勝利 注目
 申し訳ない事に5着に終わった番組注目馬のハクナマタタについて。
5着:ハクナマタタ 
 まず太めだった新馬戦から連闘なのに体重が減っていなかったのが誤算。ただし、道中は楽々と前に行っていて4コーナーでも手応えは楽。あぁ、これなら大丈夫と安心して見ていたが、急に失速してしまった。太めが残っているから、失速したという可能性もあるが、そもそも距離が長いんじゃないかと思った。父がヘニーヒューズで母は1800mの2歳交流重賞は勝っているものの、短距離向きのスピード馬だった。1400m以下に出てきたら改めて注目したいですし、その時に体重が減っていればなお良いと思う。
札幌2R 2歳未勝利 タイムE
 基準より1秒5遅い勝ちタイムだった。
札幌3R 3歳未勝利 タイムE
 基準より0秒9遅い勝ちタイムだった。
札幌5R 2歳新馬 タイムB
 基準より0秒5速い勝ちタイムだった。グリュイエールの全妹であるレースガーデンが1番人気に応えた。
1着:レースガーデン 勝ち馬注目
 4コーナーから直線の入り口にかけては、2着のエールヴォアの方が余力を残しているのかなぁと思ったが、直線に入るとレースガーデンが回転の早いフットワークで抜け出した。短い脚をクルクル回す走り方は、先週・先々週の重い馬場に苦しんだ、普通のディープインパクト産駒とはまるで違った。この事がクラシック路線に良い方に出るのか、そうではないのかという問題はありますし、恐らく2000mを超えると厳しいが、能力そのものはオープンでも通用しそう。
2着:エールヴォア 
 2着のエールヴォアは手応えが良くても追い出してからの反応がイマイチ。デビュー戦だから反応が鈍かったのなら、次に変わる事が期待できるが、ヴィクトワールピサ産駒なので、手応えほど伸びないタイプかもしれない。
3着:フィリアーノ 番組注目馬
 3着のフィリアーノは出遅れた上に4コーナー手前で後ろにいるのに、追い通しになっていたが、直線、特にラスト150mぐらいは素晴らしい伸びだった。次はかなり期待できると思う。
札幌11R 札幌2歳S 重賞
 タイムランク・メンバーランクともにCだった。4コーナーに入って外からナイママが上がって行く。先行争いがそこそこ激しくなって、重い馬場で600mが36秒0。そこからの600mも12秒2-12秒2-12秒1とペースが落ちず、さらに3コーナーからナイママがマクって来たので、先行勢は苦しくなった。ナイママもここで脚を使ったので、楽では無かったが、直線でニシノデイジーに並ばれてからも驚異的な粘り。最後はニシノデイジーに競り負けるが、追って来たクラージュゲリエには抜かせず、2着を守った。
1着:ニシノデイジー 
 ニシノデイジーがナイママに競り勝って重賞初制覇。ニシノデイジーはハービンジャー産駒らしく、重い芝の小回りコースで消耗戦になって力を発揮した。今後は軽い芝や直線の長いコースでどれだけ走れるかが焦点となる。
2着:ナイママ 
 2着のナイママはやはり重い芝だったコスモス賞でも止まりそうで、止まらないという走りを見せたが、門別での2戦を見る限りパワー勝負の馬場でこそというタイプではないはず。次走は東京スポーツ杯2歳Sのようだが、軽い芝ならもっと走る可能性もある。
3着:クラージュゲリエ 
 1番人気で3着のクラージュゲリエは気を抜いたのか、向正面でステッキが入り、コーナーでは外に膨らんでいた。それにしても直線で前との差を詰められなかったが、上位2頭の粘り強い走りを褒めるべきだろう。能力の高さは見せている。
5着:アフランシール 
 3番人気のアフランシールが5着、2番人気ウィクトーリア7着だった。このアフランシールとウィクトーリアは新馬戦をAランクで勝った馬だが、当時とは全く馬場の質が異なってパワー負けしたという印象。スピードや切れ味を活かせる馬場なら巻き返せると思う。
7着:ウィクトーリア 
 3番人気のアフランシールが5着、2番人気ウィクトーリア7着だった。このアフランシールとウィクトーリアは新馬戦をAランクで勝った馬だが、当時とは全く馬場の質が異なってパワー負けしたという印象。スピードや切れ味を活かせる馬場なら巻き返せると思う。
札幌12R 3歳上1000万下 タイムE
 基準より1秒6遅い勝ちタイムだった。

  馬券Summary
ダービーの着差で秋を占う
 夏競馬が先週で終わり、秋競馬が始まる。3歳馬ではとりあえずダービー馬の動向が注目されるが、ダービーでどれだけ差を付けたかで秋の成績を占えるので、それを紹介する。
ダービーの着差で秋を占う
 1988年から2017年までの日本ダービー馬を2着とのタイム差が大きい順に並べたもの。まず1枚目は0秒2以上の差。特に0秒3以上の差を付けて勝った馬、上の9頭だが、こちら故障で秋のGIに出走できなかった馬も少なくないが、無事に秋を迎えられれば、ほぼレジェンド級。牝馬のウオッカを除いて、3歳限定戦でも古馬相手のGIでも凡走したことがない。0秒2差になるとちょっと微妙になって来るが、菊花賞の成績はイマイチでも天皇賞やジャパンカップでは好走している。続いて2枚目
ダービーの着差で秋を占う
 こちら0秒1差以下。先にタイム差なしだった下の5頭を見ると、秋は全く期待できない事がわかる。そして最後に0秒1差。今年のワグネリアンはここに入るが、昨年レイデオロがジャパンカップで2着と好走するまで、この組は秋のGIで2着以内に入った事なかった。昨年も今年も差がつきにくい超スローペースだったので、ワグネリアンもレイデオロぐらいの活躍をするかもしれないが、イマイチの成績で終わる可能性もかなりあるという事。今回はダービーでの着差・タイム差を取り上げたが、強い馬はその気がなくても千切ってしまうという格言があり、他のレースでも着差は重要。我々はよく僅差で勝った馬に対して、着差以上の強さという表現を用いるが、それよりも現実に千切って勝った馬の方が強い事が圧倒的に多い。
解説者:
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