2020年2回中山8日目

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  馬場コメント
 先週は金曜からの3日間開催で、芝の馬場差2000m対象の数値は金曜がマイナス0秒5、土曜がマイナス0秒6、日曜がマイナス0秒5だった。まずは遡って9日間の馬場差を確認しておくと、3日目まではマイナス1秒台だったが、その後雨の影響でプラスの数値になり、先週はマイナスゾーンに戻った。
 木曜の深夜に雨が降ったが、3日間全て良馬場だった。これがまぁ久しぶりの良馬場で、なおかつ先週火曜日に芝を刈っているのでマイナスの馬場差になった。数値に大きな動きはないが、土曜は金曜よりも乾いてマイナス方向に動き、日曜は芝の傷みが進んで水準方向に動いた。芝にも風の影響はあったと思われるが、ダートよりは影響が小さく、また金曜の特に風が強かった前半の時間帯に芝のレースはなかったので、変動にはなっていない。また1200mが無かったので、距離別に馬場差を分ける必要もなかった。今週はAコース連続使用5週目となるが、芝が成長する時期なので、雨や風の影響がなければ先週より馬場差はマイナス方向に動く可能性もある。そしてBコースに移る来週以降は、さらに速い時計が出るようになる可能性がある。
 先週の馬場差1800m対象の数値は金曜がマイナス0秒1からマイナス0秒6への変動、土曜・日曜はともにマイナス0秒7だった。1200m対象の数値は金曜がプラスマイナスゼロからマイナス0秒6への変動、土曜がマイナス0秒7、日曜がマイナス0秒6だった。遡って9日間の馬場差を確認すると、ほとんどマイナスの数値だが、雨の影響度によって時計の出方が異なる。特に3週目は速い時計の出るコンディションだった。
 3日間全て良馬場だったが、木曜深夜の雨の影響で金曜はしっとりと水分を含んでいて、そこから土曜・日曜と乾いて行った。しかし、先週の中山のダートはそれよりも風の影響が大きかった。まず金曜日は北風で、最後の直線が向かい風だった。特に1Rから3Rまではかなり強い風が吹いていて、そのため馬場差は変動になっている。土曜・日曜は南風で、最後の直線が追い風。特に日曜の方が強かった。土曜は金曜より馬場は乾いていたが、金曜とは風が逆になった上に弱くなったので、1800m以上も1200mも金曜の後半より少し速い時計が出るようになった。日曜は土曜よりさらに乾いたので、風の影響がなければ1800mも日曜は土曜より水準方向に動いたはずだが、強い追い風の部分を2回通るので、馬場差は土曜と同じだった。1200mは土日の風速の違いがほとんど影響せず、乾いた分だけ日曜は土曜より少し時計が掛かるようになった。


  タイム分析
 2020/03/21 (土)  芝=-0.6  Aコース
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
5R T1800 アンティシペイト 牡3 未勝利 1:49.4 -0.3 -0.5 -0.3 -0.5 C D 10.25
9R T1600 クロノメーター 牡3 黄梅賞(1勝) 1:35.1 ±0 --- +0.5 -0.5 D C 9.13
10R T2000 トーセングラン 牡4 館山特別(2勝) 2:00.6 -0.2 --- +0.4 -0.6 D C 6.09
12R T1600 ゲバラ 牡4 1勝クラス 1:34.5 -0.4 -0.5 -0.5 -0.4 B D 9.07
 2020/03/21 (土)  ダ=-0.7 / 1200m=-0.7
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
1R D1800 ギャラクシーソウル 牝3 未勝利・牝 1:55.2 -0.4 -0.4 -0.1 -0.7 C D 7.21
2R D1200 アイアムイチオシ 牡3 未勝利 1:12.3 -0.5 --- +0.2 -0.7 C D 8.69
3R D1800 アシェットデセール 牡3 未勝利 1:54.7 -0.9 --- -0.2 -0.7 C D 7.57
6R D1800 プレシオーソ 牡3 新馬 1:55.5 -0.4 -1.1 -0.8 -0.7 B D 9.81
7R D2400 ヨシヒコ 牡6 1勝クラス 2:37.8 +1.9 -0.7 +2.1 -0.9 SL D 5.75
8R D1200 シャインカメリア 牝5 1勝クラス・牝 1:12.4 +0.5 --- +1.2 -0.7 E C 6.93
11R D1200 ジャスティン 牡4 千葉SH 1:09.7 -0.5 --- +0.2 -0.7 C C 7.81

中山6R 3歳新馬 タイムB
 基準より0秒8速い勝ちタイムだった。
1着:プレシオーソ 
 プレシオーソがこの世代最後の新馬戦を勝った。ペース補正マイナス1秒1が入って、完全タイム差はマイナス0秒8。上位は全て前に行っていた馬なので、完全タイム差に関しては割り引く必要はある。また、残り400mまでペースが遅いままだった事を考えると、ラストの400mが11秒9-11秒7と加速ラップだった事を過大評価すべきでは無いが、勝ったプレシオーソは好馬体でフットワークにも迫力があり、能力の高さを感じる。ここまでデビューが遅くなった馬は体質が弱いとか、精神面の繊細と言った課題がある場合が多いので、すぐに上のクラスで通用するとは言いにくいが、上のクラスで好勝負するだけの素質はあると思う。
2着:ラストマン 
 2着のラストマンは砂をかぶりながら4コーナーで追い上げ、直線で勝ち馬との差は詰められなかったが、しっかり伸びて3着には5馬身差。こちらもデビューがここまで遅くなったので、次走は好勝負と言い切れないところがあるが、1つ勝つだけの素質はある。
3着:クロフネシルエット 
 そして3着のクロフネシルエットは太め残り。そして4着のフォワードアゲンは去勢手術から間もないデビューで、この2頭はどちらも使っての上積みが見込めると思う。
4着:フォワードアゲン 
 そして3着のクロフネシルエットは太め残り。そして4着のフォワードアゲンは去勢手術から間もないデビューで、この2頭はどちらも使っての上積みが見込めると思う。
中山7R 4歳以上1勝クラス タイムSL
 前半・中盤が遅く、補正しきれずスローの扱いとする。
中山8R 4歳以上1勝クラス・牝 タイムE
 基準より1秒2遅い勝ちタイムだった。
中山10R 館山特別 
2着:サトノセシル 通信簿
 1番人気2着だった。とにかくフットワークが大きいので、中山内回りで内のコース取りにこだわっていると走りが窮屈になってしまう。加速に時間が掛かるので、短い直線で追い出してもスピードが乗り切らない。広いコースで伸び伸び走ればこんなモノではないと思う。
中山12R 4歳以上1勝クラス タイムB
 このレースの勝ちタイムは古馬1勝クラスの基準タイムより0秒4速く、1600m対象の馬場差がマイナス0秒5だったことを踏まえると、 -0.4-(-0.5)=+0.1 となる。しかしペース補正が0秒6入っており、 +0.1-0.6=-0.5 で基準より0秒5速い勝ちタイムだった。
1着:ゲバラ 番組注目馬
 丁度1年ぶりの実戦だったゲバラが圧勝だった。ゲバラはスタートが遅くて最初は最後方になる。この後400m進んだ辺りからまともに引っかかって、外から上がって行って3コーナーではもう先頭という乱暴なレース運びになったが、目一杯に追わず5馬身差の圧勝。もうこのクラスでは明らかにモノが違うという勝ちっぷりだった。今の2勝クラスのレベルならすぐに好勝負になりますし、それよりさらに上のクラスでも通用しそう。
2着:ジーナスイート 
 ジーナスイートはマクって来たゲバラを先に行かせて、その後を追って良い感じだったが、突き放された。ただただ相手が悪かったという2着。間隔を詰めて使える事があまりない馬で、常に状態面を考える必要はあるが、普通の状態で出走できれば次走も上位候補。
3着:ウインレフィナード 
 3着のウインレフィナードは中山芝1600mの内枠から好位に収まって、前が詰まったりする事もなく、ずっと内を回るというロスのないレース。それで2着と2馬身差ついている訳ですから、ちょっと恵まれた感じがする。

  馬券Summary
1月から2月の4歳以上2勝クラス
 前回のこのコーナーでは今年1月・2月の4歳以上1勝クラスで、以前より休み明けの馬の好走確率が上がったという話をした。その原因は前年夏に降級する馬がいなくなったため、レベルが下がるスピードが以前より早くなったから。
1月?2月の4歳以上2勝クラス
 では、今年1月・2月の2勝クラスはどうだったのかだが、降級制度の廃止によるレベル低下スピードのアップというのは1勝クラスと事情は同じだが、1勝クラスと違うのは下のクラスを勝って来る馬がいるということですね。そのためだが、1月・2月の休み明けの馬の成績は以前とほとんど変わっていない。そして、その原因はやはり下のクラスから上がって来る馬がいる事。今年1月・2月の前走で1勝クラスを1着、勝った馬の成績というのは以前の同時期と比べて連対率はかなり高くなっている。1勝クラス・2勝クラスを連勝する馬が少ないのは、夏や秋の前半との大きな違いです。それはこの時期まで来ると、もう1勝クラスのレベルも下がっているからだが、にも関わらず連対率は高い。この時期まで来ての連軸として結構期待できるのは、昇級初戦の馬という事になっている。
解説者:大川浩史(日刊競馬)
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