2020年4回中山2日目

開催一覧
2020/12/27 (日)
中山 阪神
2020/12/26 (土)
中山 阪神
2020/12/20 (日)
中山 阪神 中京
2020/12/19 (土)
中山 阪神 中京
2020/12/13 (日)
中山 阪神 中京
2020/12/12 (土)
中山 阪神 中京
2020/12/06 (日)
中山 阪神 中京
2020/12/05 (土)
中山 阪神 中京
2020/11/29 (日)
東京 阪神
2020/11/28 (土)
東京 阪神
2020/11/23 (月)
東京 阪神
2020/11/22 (日)
東京 阪神
2020/11/21 (土)
東京 阪神
2020/11/15 (日)
東京 阪神 福島
2020/11/14 (土)
東京 阪神 福島
2020/11/08 (日)
東京 阪神 福島
2020/11/07 (土)
東京 阪神 福島
2020/11/01 (日)
東京 京都 福島
2020/10/31 (土)
東京 京都 福島
2020/10/25 (日)
東京 京都 新潟
2020/10/24 (土)
東京 京都 新潟
2020/10/18 (日)
東京 京都 新潟
2020/10/17 (土)
東京 京都 新潟
2020/10/11 (日)
東京 京都 新潟
2020/10/10 (土)
東京 京都 新潟
2020/10/04 (日)
中山 中京
2020/10/03 (土)
中山 中京
2020/09/27 (日)
中山 中京
2020/09/26 (土)
中山 中京
2020/09/21 (月)
中山 中京
2020/09/20 (日)
中山 中京
2020/09/19 (土)
中山 中京
2020/09/13 (日)
中山 中京
2020/09/12 (土)
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2020/09/06 (日)
新潟 小倉 札幌
2020/09/05 (土)
新潟 小倉 札幌
2020/08/30 (日)
新潟 小倉 札幌
2020/08/29 (土)
新潟 小倉 札幌
2020/08/23 (日)
新潟 小倉 札幌
2020/08/22 (土)
新潟 小倉 札幌
2020/08/16 (日)
新潟 小倉 札幌
2020/08/15 (土)
新潟 小倉 札幌
2020/08/09 (日)
新潟 札幌
2020/08/08 (土)
新潟 札幌
2020/08/02 (日)
新潟 札幌
2020/08/01 (土)
新潟 札幌
2020/07/26 (日)
新潟 札幌
2020/07/25 (土)
新潟 札幌
2020/07/19 (日)
福島 阪神 函館
2020/07/18 (土)
福島 阪神 函館
2020/07/12 (日)
福島 阪神 函館
2020/07/11 (土)
福島 阪神 函館
2020/07/05 (日)
福島 阪神 函館
2020/07/04 (土)
福島 阪神 函館
2020/06/28 (日)
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2020/06/27 (土)
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2020/06/21 (日)
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2020/06/20 (土)
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2020/06/14 (日)
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2020/06/13 (土)
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2020/06/07 (日)
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2020/06/06 (土)
東京 阪神
2020/05/31 (日)
東京 京都
2020/05/30 (土)
東京 京都
2020/05/24 (日)
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2020/05/23 (土)
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2020/05/17 (日)
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2020/05/16 (土)
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2020/05/10 (日)
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2020/05/09 (土)
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2020/05/03 (日)
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2020/05/02 (土)
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2020/04/26 (日)
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2020/04/25 (土)
東京 京都 福島
2020/04/19 (日)
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2020/04/18 (土)
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2020/04/12 (日)
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2020/04/11 (土)
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2020/04/05 (日)
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2020/04/04 (土)
中山 阪神
2020/03/31 (火)
中山
2020/03/29 (日)
中山 阪神 中京
2020/03/28 (土)
中山 阪神 中京
2020/03/22 (日)
中山 阪神
2020/03/21 (土)
中山 阪神
2020/03/20 (金)
中山 阪神
2020/03/15 (日)
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2020/03/14 (土)
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2020/03/08 (日)
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2020/03/07 (土)
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2020/03/01 (日)
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2020/02/29 (土)
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2020/02/23 (日)
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2020/02/22 (土)
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2020/02/16 (日)
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2020/02/15 (土)
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2020/02/09 (日)
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2020/02/08 (土)
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2020/02/02 (日)
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2020/02/01 (土)
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2020/01/26 (日)
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2020/01/25 (土)
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2020/01/19 (日)
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2020/01/18 (土)
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2020/01/13 (月)
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2020/01/12 (日)
中山 京都
2020/01/11 (土)
中山 京都
2020/01/06 (月)
中山 京都
2020/01/05 (日)
中山 京都
  馬場コメント
 先週の芝の馬場差2000m対象の数値は土曜がマイナス0秒4からプラス0秒3への変動、日曜がプラス0秒2だった。
 土曜は朝から雨だった。昼までは結構激しく降った。午後からは雨も小雨になって降ったり止んだりが続いた。馬場差は変動。マイナスからスタートして午後にプラスゾーンに入る経緯。ただ、全体の雨量は4.5ミリ。これが例年の野芝の開幕初日なら馬場発表が稍重になっても高速に近い範囲のはず。ただ、今回の中山は見た目から芝がフサフサしていて、野芝特有の軽さとか硬さが感じられない。ここが大きなポイント。雨が降らず良馬場に回復した日曜日も馬場差は終日一定で、プラスの数値だった。普通タフな馬場設定では上がりが掛かって、外からの差しや追い込みが届きやすいが、外を回る馬は逆に伸びが止まる印象もあって、前の組や差し馬でも内を通って来た馬の台頭が多かった。今週の3日間競馬までBコース使用。後半2週はCコースに移行するが、週初めに芝を刈った事くらいで、この傾向が変わるかどうかは現場半信半疑でもある。なお、2歳戦・年明けの3歳戦については、成長力を加味して開催が進むにつれ同じクラスでも基準タイムを徐々に速める方針を取っているのは、現2歳世代でも変わらない。あと、中山開催では芝2000mについて、近年のデータを踏まえて今開催から古馬のレースでも修正した。ピンポイントでの修正は逐一お知らせする事はしていないが、今回は一律で0秒2速めたのでお伝えしておく事にした。
 先週の馬場差1800m対象の数値は土曜がマイナス0秒9からマイナス1秒1への変動、日曜がマイナス1秒0。1200m対象の数値は土曜がマイナス1秒0からマイナス1秒2への変動、日曜がマイナス1秒1からマイナス0秒8への変動だった。
 土曜の雨で1800m・1200mともに速い時計の出やすいコンディションから始まり、雨量が増すにつれて0秒2さらに速くなって行った。その土曜は直線アゲインストの風が吹いていたが、時計の出方に影響を及ぼすほどではない。日曜は雨が降らなかったが、日中曇り空で土曜から大きくは回復しなかった。1800mは3Rと6Rの2鞍だけなので同じ数値。1200mは4鞍が1Rから10Rまでと離れていて、0秒1ずつ回復して行く経緯。脚質面は1800mより1200mの方が後ろの組が届いていた。


  タイム分析
 2020/09/13 (日)  芝=+0.2  Bコース
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
2R T2000 アドマイヤハレー 牡2 未勝利 2:03.7 +0.9 --- +0.7 +0.2 D D 6.40
5R T1600 アヴァノス 牡2 新馬 1:37.7 +1.3 --- +1.1 +0.2 E C 7.80
7R T1600 フォースオブウィル 牡3 1勝クラス 1:35.0 +0.1 --- -0.1 +0.2 C C 6.64
9R T1800 デクレアラー 牡5 白井特別(2勝) 1:49.6 +1.7 -0.7 +0.8 +0.2 D D 8.75
11R T1600 トロワゼトワル 牝5 オータムH(G3) 1:33.9 +0.8 --- +0.6 +0.2 D C 7.50
12R T1200 アルミューテン 牝6 2勝クラス 1:09.3 +0.5 --- +0.4 +0.1 D D 8.86
 2020/09/13 (日)  ダ=-1.0 / 1200m=-1.1 → -0.8
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
1R D1200 リルブラーヴ 牡2 未勝利 1:13.4 +0.4 --- +1.5 -1.1 E D 9.42
3R D1800 ティアップリオン 牡2 新馬 1:56.2 -0.3 --- +0.7 -1.0 D D 7.60
4R D1200 インウィクトス 牡3 1勝クラス 1:11.5 -0.4 --- +0.6 -1.0 D D 7.80
6R D1800 ピオノノ 牡3 1勝クラス 1:53.0 -1.0 --- ±0 -1.0 C D 7.60
8R D1200 ブランオラージュ セ6 1勝クラス 1:11.2 -0.7 --- +0.2 -0.9 C D 8.23
10R D1200 ロードラズライト セ5 初風SH(3勝) 1:09.9 -0.8 --- ±0 -0.8 C D 7.50

中山1R 2歳未勝利 タイムE
 基準より1秒5遅い勝ちタイムだった。
中山5R 2歳新馬 タイムE
 基準より1秒1遅い勝ちタイムだった。
中山7R 3歳以上1勝クラス 注目
 日曜の芝ではこのレースは完全タイム差が唯一のマイナスの数値だった。
1着:フォースオブウィル 
 1着のフォースオブウィル、新潟外回り芝で連続5着。出遅れが影響していた。今回も出遅れたが、ハイペースで展開が向いたのと鞍上が内を回って追い上げた事でロスを最小限に抑えられた。ここが勝因。昇級しても力は足りると思う。ただ、出遅れ癖が解消しないとダメ。さらに左回りは内にもたれる。東京は少しマイナス要因が多い。
2着:ミヤビマドンナ 
 2着のミヤビマドンナ、内で脚を溜めてゴール前で差し込んだ。内枠が良かったと思うが、スタート後に外から被されて手綱を引っ張った事とキャリアの浅さ、新馬戦で惨敗した芝を走れたことなど見るべき点は多かった。1勝クラスでは素質が上。ダートや牝馬限定戦での選択肢もある。
3着:カレンピピ 
 3着のカレンピピ、前走は4コーナーで勝ち馬の斜行があって躓く不利があって5着だった。今回は流れに乗って初めての1600mを克服して見せた。センスの良い馬で1600mでもやれるが、全兄カレングロリアーレの3勝は1400m。東京の1400mなら2勝クラスでも遜色ない、そのぐらいの適性があると思う。
4着:オシリスブレイン 
 その後の4着が1番人気のオシリスブレインだった。オシリスブレインは今週の馬場で外外を回ったら前に届かない。勝ち馬とはコース取りの差。ラストまで伸びていた。本質的には中山よりも東京向き。
5着:マイネルプリンチペ 
 5着のマイネルプリンチペ、外からレッドラルジュに掛かって来られてペースを上げざるを得なかった。新潟では控えて連続3着していたが、思い切った逃げで新しい味が出た可能性もある。引き続き上位候補。
8着:レッドラルジュ 
 あと8着のレッドラルジュ、大外枠から唸って行ってしまった。東京の前2走では折り合いがついていましたから、休養明けでテンションの高さがモロに出た感じ。次は落ち着くはずだが、道中の行きっぷりの良さを考えると距離を短縮して狙うのが馬券の肝になりそうな気もする。
中山8R 3歳以上1勝クラス 
3着:ジョーフォレスト 解説推奨
 前走1回新潟の未勝利戦で0秒6差の楽勝。完全タイム差はマイナス0秒3。ギリギリのBランクだった。今回は休養明けの昇級戦。敗因の1つ目はスタートで後手を踏んで、前に取り付くまでに脚を使った事。2つ目は栗東坂路での調教が軽めの4本だけ。少し急仕上げで、体重12キロ増と立派な作りだった事。このように明確な敗因がある。それでも4コーナー先頭から一旦は後続を突き離した。2着のベイビーボスは減量騎手。同じ3歳牡馬で3キロの斤量差もあった。1度使った次走はこれら全てが好転して来る。
中山10R 初風S 注目
1着:ロードラズライト 
 1着のロードラズライト、4月に解説を担当した際に3回中山4日目の春風Sで、内枠から後手を踏んで馬群に包まれて、脚を余して0秒1差3着。勿体ない競馬なので巻き返しありと言った記憶がある。ただ、ここからスランプに入ったのですからその時に推奨馬に挙げなくて良かったと考えている。前走新潟の上越Sは結果6着でも復調を示す内容で、当時の57キロが今回はハンデ戦が55キロとなり、坂路調教が動いていましたから、良い時の状態に戻って順当勝ちだと思う。完全タイム差はプラスマイナスゼロ、2着に0秒4差で余力を考えれば、オープン特別のハンデ戦ぐらいなら通用する余地はある。
2着:シスル 
 2着のシスル、ハナに行ききるか番手でスンナリが条件。中山1200mが一番信頼できる。2走前の新潟戦4着がマラードザレコードが失速する流れを粘り込んでいて、状態さえフレッシュなら強い競馬をするタイプ。今回はこの馬としてはマイペースの前半600m33秒9、しかも行き切れてハンデも軽かった。最終日にダート1200mの外房Sが組まれている。定量戦でも同型の存在次第では有力になる。
3着:アイアムハヤスギル 
 そして2着から2馬身半差でアイアムハヤスギルが3着だった。3着アイアムハヤスギルは東京の1400mで内枠からの2着はあるが、中山1200mは外枠が理想。今回大外枠が良くて、馬群の切れまで揉まれずに追走できた。枠や斤量に左右されるところはあるが、間隔を空けて使えさえすれば、崩れないタイプでもある。
4着:スナークスター 
 4着のスナークスター、良馬場としては決着時計が速すぎた面はあるが、前走の鋭さが薄れたのは18キロ増の馬体重も無関係とは言えないと思う。このクラスでは絞れて来ないと厳しいかも知れない。
6着:ノンライセンス 
 6着のノンライセンス、昇級戦の前走4着に53キロ。ルメール騎乗で過剰人気だった。本命にして申し訳ないと思っているが、負けてみればそんな気もしていた。そんな本命馬でもあった。もう少しクラス慣れが必要に思う。
中山11R 京成杯AH 重賞
 タイムランクはD・メンバーランクはCだった。大外枠からスマイルカナが逃げてトロワゼトワルが続いて4コーナー。前半800mが46秒7、後半が47秒2の平均ペース。トロワゼトワルが逃げずに2番手で折り合いをつけた事で、スマイルカナの途中からの単騎逃げで体列が決まった。3着のボンセルヴィーソも3番手のインにいた。これらが上位を独占して差しとか追い込み勢は決め手を封じられた。状況は昨年の高速馬場と異なるが、前が止まらなかったという点では、開幕週らしい結果でもある。
1着:トロワゼトワル 
 ゴール前は3頭の接戦だったが、真ん中のトロワゼトワルが競り勝ってこのレース連覇達成。トロワゼトワル横山典弘騎手は「馬が落ち着いていたからリズム重視で騎乗したら控える競馬になった」という事。開幕週の良馬場は同じでも、馬場も戦法も違う中で昨年より3キロ重いハンデを背負って勝ったのですから、気性の成長が大きいのだと思う。馬も競馬場を選ばなくなっている可能性があって、ようは横山典弘騎手か三浦皇成騎手が騎乗して来れば、信頼して良さそうだという事だと思う。
2着:スマイルカナ 
 そしてハナ差で内の2着がスマイルカナ、ハナ差で外のボンセルヴィーソが3着だった。2着スマイルカナ、テンションが高いのはいつもの事。大外枠、意識的にかスタートをゆっくり出てトロワゼトワルの出方をうかがいながらスタート後200m過ぎにハナに立った。そのまま一気呵成に逃げるのではなくて、行き切った時点で折り合うのがこの馬の賢さ。惜しかったが、今年の3歳馬で古馬相手のオープンに奮闘してるのはこの馬ぐらいのモノ。この馬も柴田大知騎手との信頼関係が抜群だと思う。
3着:ボンセルヴィーソ 
 そしてハナ差で内の2着がスマイルカナ、ハナ差で外のボンセルヴィーソが3着だった。3着ボンセルヴィーソ、ダービー卿チャレンジトロフィー2着同様、中山芝1600mの内枠を巧みに立ち回った。他にニュージーランドトロフィー3着があって条件はベスト。今回はハナ+ハナ差だけに、これも惜しかったと思う。高速決着や瞬発力勝負以外の条件なら本来のしぶとさが生きてくる。
10着:アンドラステ 
 1番人気アンドラステは10着だった。外から被されて位置を下げて、直線は前が壁になって全く追えなかった。本質的に忙しい1600mは不向き、だからこうなったんじゃないかなと思う。また、常に人気にもなるが、得意な条件でも重賞レベルになると突き抜けるまでの鋭さがない。牝馬限定の重賞なら勝ち負けになると思う。
16着:ルフトシュトローム 
 2番人気ルフトシュトロームは16着シンガリ負け。良かったのは発馬練習の効果があったスタートだけ。あとは目を覆うばかりのレース内容だった。まず大幅な体重増。一言で太かったと思う。あとは体質が万全でない中、上半期に4戦した反動があったんじゃないかと思う。これほど負けてしまうとそんな感じもする。本来、気で走るタイプだと思うので、立ち直りには少し時間が掛かるかもしれない。

  馬券Summary
夏の2歳戦回顧
 先々週で夏開催が終了したので夏場の2歳戦から強調したい馬を東日本・西日本、そして北海道の3つにエリアに分けて挙げておきたいと思う。

<東日本>
 東京・新潟から合わせて5頭を取り上げる。今年も6月の3回東京から2歳戦が始まった。この開催の新馬戦、勝ち馬を見ると後に札幌のコスモス賞を勝ったウインアグライア、新潟2歳S2着のブルーシンフォニー、札幌2歳S2着のユーバーレーベンなどがいて今年も素質馬が揃っていたが、ここでは1頭将来性から6/7開催2日目5R、牝馬限定芝1600mの新馬戦を勝ったサトノレイナスを取り上げたい。
夏の2歳戦回顧
 1000m通過1分3秒2の超スロー、タイムランクはSL。前半は5番手の外で折り合いに専念して4コーナーで前の馬を射程に入れ、1番人気の支持通りあっさりと思わせたが、ここから少しもたついた。ただし、内の馬を気にして外に逃げる面があって、これをルメール騎手が矯正しながらそれでもきっちりとゴール前で差し切ったんですから、終わってみれば強かったと思う。1つ上の全兄サトノフラッグは今年の弥生賞ディープインパクト記念を制して3連勝したが、2歳10月の新馬戦では6着に敗れている。牝馬で仕上がり早の部分はあるにしても、兄が勝てなかった新馬戦をそれも2歳6月に勝ったんですから、素質的には兄に見劣りしない。充電しての次走以降が楽しみ。体型からは距離が伸びて味が出そうでクラシックは桜花賞よりもオークス向きと思っている。

 2回新潟からは3頭。
夏の2歳戦回顧
 まず7/25初日5R芝1600mの新馬戦を逃げ切った牝馬リフレイムは気性が半端なく難しくて、先手は取ったが4コーナーからは外へ外へと切れて、直線では外ラチ添いまで行ってしまって、鞍上の木幡巧也騎手はアブミを外しそうになりながらの勝利だった。タイムランクは補正込みのCだったが、外にヨレずに真っ直ぐ走っていたとすれば凄い時計になっていた可能性がある。今後の課題は気性の成長だろう。調教時から相当に苦労していたので、簡単ではないのは確かだと思う。それでも能力的には桁違いのモノを感じる。出走すれば注目したい。父はアメリカ3冠馬American Pharoahだが、海外ではむしろ芝の活躍馬が多い。
夏の2歳戦回顧
 同じ初日から2R芝1800mの未勝利戦を勝ったワンダフルタウン。1分46秒5の2歳レコードでタイムランクはBだった。メンコを外した効果があって、新馬戦2着から良化。抜け出すとリードを広げてラストは一杯に追われる事無く8馬身差で圧勝した。ルーラーシップ産駒の牡馬で叔母にオークス3着のビッシュがいる。G1級とするにはまだ早いとしても、2歳戦の重賞やクラシックのトライアル辺りで狙ってみたい馬。
夏の2歳戦回顧
 そして7/26、2日目5R芝1800mの新馬戦で3馬身差をつけて勝ったドゥラヴェルデは新種牡馬ドゥラメンテ産駒の牡馬。タイムランクはSLだったが、メンバーランクはBとメンバーは結構揃っていた。506キロの馬体は重厚感があって、それでいて身のこなしも軽いのでラジオの解説でも評価を上げた記憶がある。スローペースの中中団を進んで、直線は内の馬群を割って出て突き抜けた。母の父はドイツ血統のShiroccoで、ドゥラメンテとの配合自体はステイヤー。この血統で上がり600m推定33秒1と上々の瞬発力を発揮したのですから、奥が深いと思う。クラシックに乗ってくる器ではないでしょうか。
夏の2歳戦回顧
 3回新潟からは新種牡馬モーリスの産駒を取り上げる。8/23、4日目5R芝1800mの新馬戦を勝ったルドヴィクスは1000m通過1分2秒5のスローの逃げ切りだが、ラスト600mを全て11秒台でまとめて来た。補正が入りタイムランクはB。ラストは2着バジオウに0秒1差まで詰められた格好だが、直線追い出しを我慢していましたし、ゴール前は抑えられていましたから、着差以上の感触がある。今後は控える競馬を覚えさせて来るとのこと。本来センスの良い馬ですから対応して来ると考えている。

 今年の夏、西日本の開催は7月末から3週間開催がなくて例年とは異なる開催スケジュールになった。ただ、3回阪神は通常と同じ6月に行われて、この開催から2歳戦が始まった。
夏の2歳戦回顧
 そしてこの開催から取り上げたいのは、6/28 8日目5RタイムランクAの新馬戦を勝ったジャスタウェイ産駒の牡馬ダノンザキッド。先ほど新潟開催で取り上げたワンダフルタウンを負かした馬。前半は中団、勝負所から順位を上げて4コーナー、ここでちょっと内にもたれてしまって、他馬に迷惑をかけてしまったが、これ以外は完璧という事で、さらに直線で抜け出すとラスト200mは全く流していた格好。2着ワンダフルタウンだけではなくて、0秒8差のテンバガーも次走で勝ち上がっている事からも評価はさらに高くなる。馬体の大きさ、奥深い母系などジャスタウェイ産駒という事では初年度産駒でクラシックを沸かせたヴェロックスに似た雰囲気がある。
夏の2歳戦回顧
 なお、4回阪神からは強く推すほどの馬はいないが、2歳未勝利戦でAランクが3鞍あって、この内7/12 1R芝1200mの未勝利戦を大差勝ちしたモントライゼは次走小倉2歳ステークス2着だった。
夏の2歳戦回顧
 2回小倉からは2頭を取り上げる。まず8/22、開催3日目5R芝1200mの新馬戦を勝ったメイケイエール。タイムランクはDだったが、ほとんど追わないでの楽勝だった。その後2戦目の小倉2歳ステークスでは1番人気モントライゼを交わして抜け出して来た。この勝利によって父のミッキーアイルは今年の新種牡馬として重賞勝ち第1号となった。母系はシロインジャー、ユキチャン・シラユキヒメに遡る白毛の血統。ただ、メイケイエールについては父ミッキーアイルの鹿毛が出ている。
夏の2歳戦回顧
 そして同じく開催3日目からもう1頭。6Rダート1700mの2歳新馬戦を勝った牡馬ダノンハーロック。2着の1番人気ゴールドジャーニーに5馬身差をつけて圧勝し、タイムランクもBと高かった。こちらは祖母がシラユキヒメ。526キロの大型馬でこの血統、本来のダート適性の高さをストレートに受け継いでタイム面でも優秀だった。まだ緩さを残す馬体、競馬も荒削りだが、言い換えればそれだけ伸びしろが大きくてダートで上級クラスに行く事が期待できる素質があると思う。
夏の2歳戦回顧
 今年の北海道の開催では札幌から3頭を取り上げる。1回開催からは2頭で、まず8/2 開催4日目5R芝2000mの新馬戦を7馬身差で圧勝した牡馬バニシングポイント。前半1000mが1分1秒0、後半が1分1秒4の淀みないペースで押し切った。タイムランクはCだが、全体にフワフワして遊びながらの勝利なので、器は相当に大きいと思う。父はTapit、ダートの印象が強い種牡馬なのかもしれないが、洋芝に逆に適性が高いのかもしれない。ただ走るフォームは硬さは感じられなくて、柔軟性があるので芝の中距離でも恐らく重賞級と見ている。
夏の2歳戦回顧
 そして8/9開催6日目5R芝1800mの新馬戦を勝った牡馬オーソクレースはエリザベス女王杯・宝塚記念を勝ったマリアライトの初仔にあたる。出遅れて中団を追走、ラスト400m11秒2-11秒4を差し切って2着馬に0秒3差、圧巻の切れ味に映った。父エピファネイアは母方がサンデー系種牡馬あるいはサンデー系の牝馬なら、サンデーサイレンス4×3の配合。これを基本としていて、この馬も今年2冠牝馬デアリングタクトも同じ。牝系全体の特性から、軽い芝向きとは言えない部分はあるが、少し時計を要する馬場設定なら大きな舞台でも頭角を現す可能性がある。
夏の2歳戦回顧
 2回札幌ではやはり札幌2歳ステークス。2歳のコースレコードとは言え、タイムランクはCだが、あと0秒1速ければBになる。勝ったソダシが道中すごい手応えを我慢していて、最後の余力を考えれば時計短縮は可能。高レベル匹敵の価値はあると思う。祖母シラユキヒメに至る、こちらもまた白毛の牝馬。お母さんのブチコが荒い気性だったのに対して、2回函館の新馬勝ちもこのレースも走りが素直で、一生懸命さが伝わって来る。いかにも平均ペース型で、流れの緩急とか高速上がりに対応できるか、課題はあるんですが牡馬相手に中距離重賞を制した価値は大きいと思う。母系という点ではソダシ、小倉2歳ステークスのメイケイエールと同一週に重賞を制覇。ユキチャンやハヤヤッコなどダートで活躍馬が多い中、芝の重賞勝ちを異なる距離で続出させたのですから、この系統は興味深いと思う。また、仮にこの馬がG1を勝つようなら、種牡馬を引退した父クロフネの最後の傑作になると思う。
解説者:長谷川仁志(馬サブロー専属評論家)
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