2023年1回東京8日目

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  馬場コメント
 先週の芝の馬場差2000m対象の数値は土曜がマイナス1秒8、日曜がマイナス1秒7でした。遡って8日間の馬場差を確認しておきますと、全てマイナス1秒台で速い時計の出るコンディションでした。ただ、終日「稍重」だった5日目だけが他の開催日より若干水準寄りでした。
 Dコース使用での最終週となった先週にしてもですね、土曜がマイナス1秒8・日曜がマイナス1秒7の馬場差だった訳ですから、高速馬場のコンディションは変わりませんでした。ただですね、馬場の内側が荒れて来て、逃げ馬が内に進路を取らないレースもありました。だからと言ってですね、外の差し馬が優勢になった訳ではなくて、まぁある程度の位置で流れに乗った馬に有利な傾向でしたね。
 先週の馬場差1600m対象の数値は土曜がマイナス0秒7、日曜がマイナス0秒6からマイナス0秒4への変動でした。遡って8日間の馬場差を確認しておきますと、前半4日間は水準レベルでしたが、後半4日間は雪や雨の影響でマイナスの数値になり、特に3週目は高速馬場になりました。
 ダートについてはですね、雨の影響が残って、土曜そして日曜前半は「稍重」でやや速い時計の出るレベルでした。日曜後半は少し乾いて、馬場差は水準方向に動いて時計が掛かって行きました。とは言ってもですね、土日を通じて馬場差はマイナスです。先々週までの逃げ・先行馬に有利な馬場状態が騎手の心理に影響を及ぼしたのか、何故かペースが速くなって、差し・追い込み馬が届くケースが目立ちました。追い込み馬同士の決着もあって、開催1から3週目と4週目とでは、連対馬の脚質に大幅な変化がありましたから、この点には注意して欲しいです。


  タイム分析
 2023/02/19 (日)  芝=-1.7  Dコース
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
4R T1800 ウィステリアリヴァ 牡3 未勝利 1:47.6 -1.0 -0.5 ±0 -1.5 C B 4.56
6R T1600 ノッキングポイント 牡3 1勝クラス 1:32.9 -2.0 --- -0.6 -1.4 B C 4.50
7R T1800 エスコバル セ5 1勝クラス 1:46.5 -1.2 --- +0.3 -1.5 C C 8.31
8R T1400 アンセーニュ 牝5 2勝クラス 1:23.2 +1.5 -1.1 +1.6 -1.2 SL D 6.38
10R T2000 スパイダーゴールド 牡4 アメジH(3勝) 1:57.7 -1.7 --- ±0 -1.7 C D 9.50
 2023/02/19 (日)  ダ=-0.6 → -0.4
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
1R D1400 ホウオウドラッカー 牡3 未勝利 1:25.2 -0.7 --- -0.2 -0.5 C C 5.93
2R D2100 ダスク 牡3 未勝利 2:13.9 +0.1 --- +0.9 -0.8 D C 6.67
3R D1400 スマートフォルス 牡3 1勝クラス 1:24.4 -0.7 --- -0.2 -0.5 C C 8.38
5R D1600 ジオッコピアノ 牡3 新馬 1:38.5 -1.1 --- -0.6 -0.5 B D 10.00
9R D1600 ペリエール 牡3 ヒヤシン(L) 1:37.2 -0.4 --- ±0 -0.4 C C 6.86
11R D1600 レモンポップ 牡5 フェブラ(G1) 1:35.6 +0.3 --- +0.7 -0.4 D D 6.73
12R D1400 テイエムアトム 牡5 大島特別(2勝) 1:24.6 +0.4 --- +0.8 -0.4 E D 7.88

東京5R 3歳新馬 タイムB
 基準より0秒6速い勝ちタイムでした。
1着:ジオッコピアノ 勝ち馬注目
 現3歳世代最後の新馬戦を勝ったのは1番人気ジオッコピアノでした。ジオッコピアノはですね、Justify産駒の外国産馬で、評判に違わぬ馬体とポテンシャルを誇示しました。4コーナー4番手から上り600m最速タイです。昇級してもダートなら連勝するのではなないでしょうか。
2着:オーディブルコール 番組注目馬
 2着オーディブルコールは直線半ばからは2頭のマッチレースとなって、こちらも上がり最速タイを駆使しました。負けはしましたけどもね、勝ち馬とほぼ同等のレースをしていますから、まぁ次走は大体勝てるのではないでしょうか。
3着:パープルナイト 
 パープルナイトは内枠でしたから、安全策で逃げたような気がしますけれども、この1戦に限れば完敗の3着です。ただ、このレースはね次走以降につながるので、狙って行けます。
4着:ショウナンカブト 
 4着のショウナンカブトは出遅れを挽回して先行しましたが、まだこう自分から行くという感じではなかったです。それでもしぶとく伸びていましたから、ここを使ってガラッと変わる可能性はあります。
5着:ユイノイチゲキ 
 5着のユイノイチゲキは、除外で1週伸びての出走だったんですが、幾分追い不足でした。それでも軽快なスピードを見せましたし、512キロの大型馬ですからね、ここを使った上積みは大きいと思います。
東京6R 3歳1勝クラス タイムB
 基準より0秒6速い勝ちタイムでした。
1着:ノッキングポイント 
 ノッキングポイントが自己条件の平場戦で2勝目を挙げました。ノッキングポイントはテンションが高くてですね、まだ心身のまとまりが悪いんですが、1勝クラスはポテンシャルで突破しました。瞬時に加速できないんですが、長く脚を使うタイプですから、今回平均に速い流れになったのは良かったと思います。
2着:バルサムノート 
 2着のバルサムノートは序盤の力みは許容範囲で、前走の2000mから1600mへの距離短縮で折り合って走れましたし、ジリジリという感じでしか伸びなかったんですが、この馬はマイラータイプという見方で良いと思います。
3着:スズハローム 
 まず3着のスズハロームですが、この馬は馬込みを嫌いますから、今回意識的に先行させたようですが、私のイメージでは東京なら終いに脚を使わせる形もですね、悪くないと考えていました。まぁ要はね揉まれない形をいかに取るかという事です。
4着:シルトホルン 
 4着のシルトホルンは前走逃げて2着だったんですが、今回は無理をせずに控える形を取りました。2着とはアタマ・ハナ差で同タイムですから、次走以降に繋がるレースができたと言えると思います。
5着:ホウオウスーペリア 
 5着のホウオウスーペリアは、4着から3馬身半差。これは決定的な差です。テンションが高かったですし、上位馬とは瞬発力で見劣った感が強いんですが、ただし、小回りに変わればですね、注意が必要だと思います。
東京8R 4歳以上2勝クラス タイムSL
 前半ないし中盤が遅く、補正しきれずスローの扱いとします。
東京11R フェブラリーS GI
 タイムランク・メンバーランク共にDでした。さぁまずスタートでメイショウハリオが大きく遅れました。一方、逃げたのはショウナンナデシコでした。モズアスコットが勝った3年前がですね、前半800m46秒4・後半800m48秒8で前後半2秒4差のハイペースで、典型的な差し・追い込み決着だったんですが、今年も似通ったラップで、前半が46秒6・後半49秒0で、同じく前後半差ですね2秒4のハイペースになった訳です。本来なら、今年もですね差し・追い込み決着になるパターンで、実際ブービーとシンガリにいた2頭、つまりレッドルゼルとメイショウハリオが2・3着に追い込んだ訳です。と考えますとね4コーナー4番手から抜け出したレモンポップというのは、これは非常に強くてですね、完勝と言える内容だった訳です。
1着:レモンポップ 
 1番人気に応えてレモンポップがG1初制覇です。この馬、スタートとレースセンスが抜群で、操縦性に秀でた優等生で、そのためにいつもですね正攻法に近いレースになってしまうんですが、下級条件もG1もほとんど変わらないレース運びで勝つんですからね、ある意味では怪物級ですよね。ハイペースはね、上がりが掛かりますから良いタイムが出づらいんですね。ですから、タイムランクはDになりますけれども、ハイペースを先行して押し切ったという、その強さを評価するべきだと思います。
 今回勝ったレモンポップはこれまで3着以下がありませんでした。連対率10割でのフェブラリーステークス制覇は初めてです。
2着:レッドルゼル 
 そして2着がレッドルゼル、3着がメイショウハリオでした。レッドルゼルは一昨年が4着、昨年が6着と着順を落としたんですが、今年はかなり良い仕上がりで、これまでのダート1600m戦の中では最高のパフォーマンスを見せたと思います。上がり600mは最速でした。本質はスプリンターですからね、この後のドバイの遠征、それの走行会的な走りができたんじゃないかと思います。
3着:メイショウハリオ 
 そして2着がレッドルゼル、3着がメイショウハリオでした。3着のメイショウハリオはスタートで躓いて、これ落馬寸前でした。あの体勢からよくですね、ここまで伸びて来たんですが、差し・追い込み馬には有利な流れでしたしね、私見では2着馬と3着馬というのは、これタイムランク相当の評価をしたいと思ってます。
4着:ドライスタウト 
 その後の4着がドライスタウト、5着アドマイヤルプスでした。まず4着のドライスタウトですけど、こちら身体が絞れてかなり良い仕上がりだったんですが、アクションの大きい馬ですから、窮屈な位置に収まって少し力んでいましたし、今回コーナーの加速もスムーズではなかったですね。外枠を引いてね、伸び伸び走れば違っていたかもしれません。まぁ今後の地力強化に期待したいと思います。
5着:アドマイヤルプス 
 その後の4着がドライスタウト、5着アドマイヤルプスでした。アドマイヤルプスはですね、14番人気で5着でした。今回チークピーシーズからブリンカーに変えた事で、昨年の武蔵野ステークス7着からパフォーマンスが上がったと見るべきかもしれないですが、馬場差を考慮しなければですね、武蔵野ステークスと同じタイムでしか走っていないんです。
6着:スピーディキック 
 まず6着のスピーディキックですが、馬体減りが無くてパドックでの落ち着いた姿を見た時に、この馬ちょっと違うなと感じました。ペース的にはね、漁夫の利があったとは言えるんですが、直線の進路取りが上手く行っていればね、3着争いには加わっていたのではないでしょうか。才媛と言って良いかね、ちょっと一目惚れした感じです。
9着:シャールズスパイト 
 それから9着のねシャールズスパイト、これレース史上初めて出走した外国馬です。敗因はちょっと特定しづらいんですけれども、見た目はバリバリのダート馬という感じでありませんでしたし、直線も目立つほどの脚は使っていませんから、本質はね芝向きなのかもしれませんね。
東京12R 大島特別 タイムE
 基準より0秒8遅い勝ちタイムでした。
3着:ローヴェロ 通信簿
 1番人気3着でした。ちょっと序盤で競り合いがありまして、その後控えた事で力んでしまいましたね。残念ですがね、競馬だからこういう事はあります。ごめんなさい。

解説者:吉岡哲哉(競馬ブック)
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