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阪神3R 2歳未勝利 タイムSL

前半ないし中盤が遅く、補正しきれずスローの扱いとします。勝ったサフィラについて。

1着：サフィラ

番組注目馬になっていました。前走、新潟の新馬戦は内に包まれて、最内を狙うとラチに接触。3着に敗れていました。今回1番枠でもじっくり構えて、直線で外に出したのは前走があるだけに納得です。直線は少し内にもたれかけたんですが、これ以外はまっすぐ走って、ほぼまっすぐ走って突き抜けて来ました。サリオスの全妹、サラキアの半妹。追ってからの切れは、流石良血馬たるモノがあります。現段階でも牝馬ではトップクラスに入る存在ではないでしょうか。相対的には奥手な血統なんですが、この馬は早い時期から期待して良いと思います。

阪神4R 2歳新馬 タイムＢ

基準より0秒3速い勝ちタイムでした。

1着：ダノンマッキンリー 勝ち馬注目

1番人気ダノンマッキンリーが人気に応えました。父モーリス、母はイギリス1000ギニーの勝ち馬、ホームカミングクイーンの牡馬。セレクトセール2億4200万円で取引されました。前進気勢が旺盛で、前半は川田騎手がなだめていたんですが、4コーナーではたまらんとばかり。逃げ馬を交わして先頭に立って、直線そのまま押し切りました。現状はスピードが勝っていて、競馬を覚えて行っても気性からマイラーなんでしょうが、まぁ器としては朝日杯フューチュリティステークスを狙える、そんな存在だと思います。長めの距離を使わない限りは、次走も通過点になります。

2着：ポエットリー 番組注目馬

2着ポエットリー、牝馬で坂路の本数は少なめなんですが、動きが良くて仕上がっていました。好位の後ろ、内を進んで直接で外に出すと勝ち馬を追って、0秒2差まで詰めて来ました。ダイワメジャー産駒。上にセン馬のジュノーという馬がいて、これは父がDark Angelなんですが、芝の1400mから1600mで3勝しています。センスが良くて追って味があるので、すぐに勝てると思います。

3着：コーティアスマナー

その後3着馬には13番人気コーティアスマナーでした。その3着馬も含めて5着までは全て外国産馬が入りました。3着のコーティアスマナーは小柄な牝馬で仕上がっており、内からしぶとく伸びて来ました。ただ、上積みは少ないかもしれません。

4着：アウェイキング

その3着馬も含めて5着までは全て外国産馬が入りました。4着アウェイキングはKingman産駒の牡馬。返し馬から引っかかっていました。先行して流れ込んだ形なんですが、使われて落ち着きが出てくるかどうかがポイントです。

5着：インユアパレス

その3着馬も含めて5着までは全て外国産馬が入りました。5着インユアパレスは後方から上がり最速で伸びて来ました。流れが忙しかった印象があるので、距離が伸びれば前進できます。

阪神5R 2歳新馬 注目

2着だったグラヴィスについて。

2着：グラヴィス

ラヴズオンリーユー・リアルスティールの半弟にあたるハーツクライ産駒。500キロの馬体はバランスが良いので、そう大きくは見えないんですが、やっぱり体型的なモノ、お姉さんとかお兄さん似ています。そうは言ってもまだビシッと攻めてない面もあって、若干の緩さも感じました。中団の少し後ろ、4コーナー手前から外に出すとフワフワして、外にもたれてもいたんですが、鞍上が矯正してからは真っ直ぐに伸びて、2着に上がって来ました。素質の一端は見せましたし、使われる毎に変わって行くと思います。いずれにしろ、次かその次には勝てる馬だと思います。

阪神7R 3歳以上1勝クラス タイムＢ

基準より0秒6速い勝ちタイムでした。

1着：ウインルーティン

単勝1.7倍のウインルーティンがハナ差の接戦を制しました。ウインルーティンはスタンド前では行く構えを見せておいて、一旦控えて他馬に脚を使わせて抜け出す、川田騎手らしいクレバーな騎乗から接戦をしのぎました。夏の北海道は2戦連続の4着なんですが、当時と比較しても状態は上だったと思います。まぁ痛いところがなくなったとは、レース前の厩舎のコメントでした。本来自在性があって。ゴールドシップ産駒だけにスタミナが豊富。上でも能力は通用するんですが、ジリ脚で手応えほど伸びない一面も持っています。

2着：コパノサントス

2着のコパノサントス、未勝利馬。これまでの好走例は先行策が多かったんですが、新人の田口騎手が思い切って溜めて、新たな切れ味を引き出しました。まぁ減量が効いているのは確かでも、3着馬には5馬身差をつけていました。勝たせてあげたかったんですが、Bランク決着でのこの脚があれば、チャンスも近いのではないでしょうか。後はどこの場所の、どの鞍に潜り込んで出走権を得るか、だと思います。

阪神9R ヤマボウシ賞 注目

勝ったサトノフェニックスについて。

1着：サトノフェニックス

これで2戦2勝。6月の新馬勝ちと比較して馬体が一回り成長。ひとマクリで決着をつけた勝ち方も強かったです。ただ、芝スタートで遅れて、3・4コーナーで上がって行けたのも、少頭数がプラスとなった面も否定できません。また、3着のラムジェットがテンにズブく、ダートで高レベル勝ちして来た2頭は、それが1000m戦だったり、初ダートの馬もいたりと、終わってみれば有利なメンバー構成でもありました。まぁ頭数が揃って、レベルが高くなって今回のような大味な競馬になるとどうでしょうか。無敗だからと無条件に飛びつくのは危険が伴います。

阪神10R 西宮S タイムＥ

基準より1秒0遅い勝ちタイムでした。2着だったエアサージュについて。

2着：エアサージュ

屈腱炎とかギドウナンカ(？)で長い休養があって、5歳馬ながら今回はまだ8戦目。底が割れていません。サンライズロナウドがハイペースで逃げた縦長の展開。これを早めに仕掛けて、チャンスザローゼスを交わして粘り込みました。勝ち馬は展開の利があったのも確かで、内容的には前に行って1番強い競馬をしています。札幌2600mの2勝クラスを勝って、タイトルホルダーの勝った菊花賞に挑戦。前につけて8着と見せ場のあった馬です。今回のような持久力勝負に向いている背景があって、この後順調ならステイヤータイプとして大成できるだけの素質があります。

阪神11R シリウスS 重賞

タイムランクがD・メンバーランキングはCでした。サンマルレジェンドの逃げで前半1000mが1分2秒4。少し遅めの平均ペースです。2000m戦で前半は淡々と進んでいました。動きがあったのは4コーナーの手前。好位で流れに乗ったアイコンテーラーが前との差を縮めて、先頭に躍り出て、後続を離しにかかります。中団の外で満を持していたハギノアレグリアスも勝負所ではスパートを開始。アイコンテーラーとの差を少しずつ少しずつ縮めて行って、最後は逆転しました。結果的に0秒2差の完勝です。好位から流れ込んだ形のヴァンヤール、これが内を突いて追い込んで来たフルヴォートの追撃を封じ手3着に残ったという所ですね。

1着：ハギノアレグリアス 勝ち馬注目

見事人気に応えて勝利を挙げたハギノアレグリアス。帝王賞は3・4コーナーで一気に脚を使って4着でした。まぁ頂上決戦で、少し強引な競馬になってしまったんですが、あの経験と内容は今回の相手では一枚も二枚も上です。放牧を挟んで調教も動いて、万全の体制でした。屈腱炎からの復帰当時と、今のでは順調さが違うんですが、その間も競馬場を問わず、堅実に走ってきました。トップハンデでタイでの勝利で、まぁてっぺんを狙える位置に上がってきたと、そう言っても良いのではないでしょうか。ウシュバテソーロがアメリカに遠征してる間に、チャンスがあるかもしれません。

2着：アイコンテーラー

ダート2戦目のアイコンテーラー、2着でした。アイコンテーラーは急遽乗り変わりの団野騎手が、潔い好騎乗でした。流れを考えれば、一気に勝負に出たのは正解でした。初ダートの前走が強い勝ち方だったんですが、当時は芝での全4勝を挙げている新潟で、相性の良さも好走の要因とも考えられました。今回は右回りのダートでどこまでやれるかが課題だっただけに、それにも馬もよく応えていました。適正の高さと自在性は高く評価できます。まぁ今後牝馬限定の交流重賞、結構数多いんですよね。これを席巻する事ができる存在になってくる、そんな気がします。

3着：ヴァンヤール

3着はヴァンヤール。この馬も堅実です。まず崩れる事がなくて、競馬が上手いです。ただ、今回はゴール前で脚色が鈍りました。乾燥した砂の2000mでペースが流れると距離が少し長いんだと思います。オープン特別でも勝ち切れないのがネックで、少し湿ったダートが向いている可能性があります。

4着：フルヴォート

その後4着がフルヴォートでした。フルヴォートは後方からロスのないコース取り。内を伸びて来ました。2走前6月の東京での2着が好内容だったんですが、当時の勝ち馬ワールドタキオンはその後札幌のG3エルムステークスで2着と好走しています。まぁその後、この馬も前走の小倉戦が強かったと思います。ここに来て自力強化が顕著なんで、常に目を光らせておきたいと思います。

12着：キリンジ

そして人気の一角キリンジ12着でした。唯一の3歳馬だったんですが、内の好位から勝負所でズルズルと後退して行きました。先週水曜、船橋の重賞日本テレビ盃に参戦したミトノオーも唯一の3歳馬だったんですが、離された6着に終わりました。この時に頭をよぎったのは、同じ大井の良馬場で行われたジャパンダートダービーの勝ち時計が、帝王賞よりも2秒7も遅い事です。ダート戦線における、現3歳世代のレベルが非常に微妙になって来た、そんな気がします。

解説者：長谷川仁志(馬サブロー専属評論家)