2023年4回阪神4日目

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  馬場コメント
 3日間開催だった先週の芝の馬場差2000m対象の数値は土曜・日曜がマイナス2秒3、月曜がマイナス2秒2でした。ここまで5日間の馬場差を確認しておきますと、全てマイナス2秒台で高速馬場となっています。
 開催前日の金曜日に1.5ミリの雨が降ったんですが、ほとんど影響は無く、芝はびくともしません。開幕週に輪を掛けた超高速馬場となって、ローズステークスでJRAレコードが記録されたのは、ご存じの通りです。5日目の月曜は、土曜・日曜と2日間使われた分、0秒1だけ時計を要していました。時計が速いからと言って、前が止まらないような馬場ではないのは、先週・先々週の開幕週と同じです。今週からの後半2週はBコースが使用されます。
 先週の馬場差1800m対象の数値は土曜がプラスマイナスゼロ、日曜がプラス0秒1。月曜がプラス0秒4でした。ここまで5日間の馬場差を確認しておきますと、マイナスの数値の日はありません。3日目は開幕週と比べてやや時計が出やすくなりましたが、4日目・5日目と徐々に時計が掛かって行きました。
 金曜の雨で土曜の朝は良馬場でも水分を含んだ状態です。まぁ先々週のプラスの馬場差から、速くなってプラスマイナスゼロからスタートして、日曜・月曜と乾いて行く経緯です。月曜日は最も乾いた状態。マクリが3連対しているのも、上がりを要したからだと思います。


  タイム分析
 2023/09/17 (日)  芝=-2.3  Aコース
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
3R T1400 イツモニコニコ 牝2 未勝利 1:21.2 -1.6 --- ±0 -1.6 C D 7.69
5R T2000 ザパリスマッチ 牝2 新馬 2:01.2 -1.1 --- +1.2 -2.3 E C 7.22
7R T1200 プロスペリダード 牝3 1勝クラス 1:08.6 -0.7 -0.2 +0.5 -1.4 D C 7.47
9R T2400 ライリッズ 牡4 兵庫特別(2勝) 2:24.2 -2.2 -0.9 -0.3 -2.8 C C 5.91
10R T1600 セッション 牡3 仲秋S(3勝) 1:31.9 -1.5 --- +0.3 -1.8 C C 6.27
11R T1800 マスクトディーヴァ 牝3 ローズS(G2) 1:43.0 -2.6 --- -0.5 -2.1 B C 6.29
 2023/09/17 (日)  ダ=+0.1
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
2R D1200 エフエイト 牡2 未勝利 1:14.3 +1.1 --- +1.0 +0.1 E C 7.50
4R D1800 エストレヤデベレン 牡2 新馬 1:55.8 +0.8 --- +0.7 +0.1 D C 8.75
6R D1400 ディアサクセサー 牡3 1勝クラス 1:24.9 ±0 --- -0.1 +0.1 C C 8.87
8R D1800 オラヴェリタス 牡4 1勝クラス 1:54.4 +1.3 --- +1.2 +0.1 E D 4.91
12R D1400 ヘンリー 牡3 2勝クラス 1:23.9 -0.3 --- -0.4 +0.1 B C 7.64

阪神2R 2歳未勝利 タイムE
 基準より1秒0遅い勝ちタイムでした。
阪神3R 2歳未勝利 注目
 勝ったイツモニコニコについて。
1着:イツモニコニコ 
 新潟芝1400mの新馬戦が3着。外枠で出遅れたんですが、上がり600m最速タイで追い込んで来ました。今回も1番枠で、1馬身ほど出遅れたんですが、前走と一変したハナを奪うと、200m過ぎてから10秒2-10秒9で飛ばして、そのまま押し切ってしまいました。着差以上の余裕があって、ラップの速さからも内容は出色と思います。ビッグアーサー産駒で、ピッチ走法のスプリンター。馬体が絞れていたのも、スピードの乗りが良かった、その要因だと思います。1200mならさらに良いタイプと思うんですが、その前にスタート五分に切る事が課題になってきます。
阪神5R 2歳新馬 タイムE
 基準より1秒2遅い勝ちタイムでした。
阪神6R 3歳以上1勝クラス 
10着:レイワホマレ 通信簿
 3番人気10着でした。なお、前走から6ヶ月以上間隔が開いていますので、評価の対象外となっています。見せ場は作ってくれたんですが、長期休養明けでしたし、負担重量の基準も変わっていたんで、いきなり58キロを背負った事もキツかったんだと思います。
阪神8R 3歳以上1勝クラス タイムE
 基準より1秒2遅い勝ちタイムでした。
阪神11R ローズS タイムB
 基準より0秒5速い勝ちタイムでした。タイムランクはB・メンバーランクはCでした。まずスタートですがブレイディヴェーグ良くありませんでした。1馬身はないと思うんですけれども、やっぱりこれはちょっと大きな不利だと思うんですよね。新馬戦から見てきて1回もまともに出た事が無いという、まぁこの辺が本番でどう出るかという事なんでしょうけどもね。前後半の800mがどちらも45秒7と、ペースとしては平均なんですが、阪神外回り1800mは元々能力の差が出やすいコース。結果として、力のある差し馬が上位を占めました。マスクトディーヴァは残り600mから200mにかけて推定で連続10秒台。単に切れただけではなくて、速い脚の持続性を見せつけました。掲示板にね、レースが終わった後時計が出てスタンドが沸きました。これ、久しぶりの事ですね。まぁホーリックスのジャパンカップとか、それからクロフネの武蔵野ステークスとか、アーモンドアイのジャパンカップとか、そういった事を少し思い出しましたけども、もちろんその速い時計は超高速馬場のせいなんですが、内容は掛け値なしに強かったと思います。まぁ出遅れた1番人気のブレイディヴェーグ、直線馬群を割って縫って2着に上がりました。
1着:マスクトディーヴァ 
 マスクトディーヴァ、前回の重賞展望で上がり馬が目白押しと話したんですが、この馬も候補の1頭ではありました。新馬勝ちが「重」馬場で、1勝クラス勝ちが「稍重」とあって速い時計の裏付けに未知数の面があって、それが私自身白三角に留めた理由なんです。ところが、この馬が日本レコードで勝ってしまったんですから、競馬は難しくも面白い所ですね。MAXの能力でリバティアイランドに接近した可能性もあって、少なくともオークスの2着・3着、ハーパーとかドゥーラより上の気がします。課題は中3週と少なくなる本番、秋華賞までの状態維持。この辺が第1ポイントですね。それから第2ポイントは内回りに変わる事です。それでも順調なら相手候補の上の方に置くのが普通と考えています。
2着:ブレイディヴェーグ 
 2着ブレイディヴェーグ、今回もねスタートが良くなかったんですが、1/2馬身ぐらいですかね。どうしても後ろからになってしまいます。4コーナーでも後方から2・3頭目だったんですが、直線馬群を捌いて、凄い脚を使って来ました。上がり600m33秒を切ったのはこの馬だけです。潜在能力は勝ち馬マスクトディーヴァと五分に近いと思います。こちらの課題も内回りでしょう。余計にスタートを決めたい所です。あとはね、2度骨折してる過去があるんですよね。それだけに今回速い時計で走った反動があるかないか、その辺でしょうね。
3着:マラキナイア 
 その後3着マラキナイア、ここまでが優先出走権を手にした。道中は中団の後方寄り、馬群の切れ目をポツンと、プレッシャーの掛からない追走ができていました。この辺りが川田騎手の仕事だと思いますね。直線はよく伸びています。1勝クラスの1600mでBランク勝ちはあるんですが、1800mの速い時計にも対応できた。これは血統馬たるところだと思いますね。本番も3着ぐらいには入れておきたい、そんな1頭です。
5着:ココナッツブラウン 
 ココナッツブラウンは5着でした。2勝目を挙げた前走が8キロ増の体重だったんで、今回14キロ減っても細くは見えるんですが、許容範囲と考えていました。差し馬同士の決着の中で、掲示板に載った馬の中では1番前に位置していました。まぁ2勝クラスなら牡馬相手でも勝てると思います。
6着:フォーチュンコード 
 フォーチュンコードは6着でした。内枠を生かした競馬をしてね、内からよく伸びていました。ラストでちょっと甘くなったのは、坂が原因かもしれません。阪神で勝った事はあるんですが、クラスが上がると平坦の方が良い。そんな感じがします。
7着:ラファドゥラ 
 番組注目馬ラファドゥラ、こちらは7着でした。勝ち馬とほぼ同位置から、一歩遅れて外に出して、勝ち馬を追ったんですが、離されてしまいました。それでも最後までバテなかったのは素質の高さ。自己条件で見直したい所です。
8着:ソーダズリング 
 ソーダズリングは8着でした。前回の重賞展望で強いイメージが沸かないと話したんですが、血統とか調教のパフォーマンスから常に人気先行のきらいがあるタイプです。本番に出走なら、一雨欲しい、そんな感じがします。
14着:ラヴェル 
 14着のラヴェルについて。アルテミスステークスが追い込み、それからオークス4着が徹底先行、真ん中の位置で競馬になるかが心配でした。時計も速すぎたんでしょうが、揉まれてどうかの課題の残る1戦でした。ただ、体重増は好感が持てたんで、次は良くなると思います。
阪神12R 3歳以上2勝クラス タイムB
 基準より0秒4速い勝ちタイムでした。
1着:ヘンリー 
 ヘンリーが1400mに戻って3勝目を挙げました。ヘンリーは今回ユニコーンステーク1秒3差7着以来の実戦でした。仕上がりは良かったと思います。未勝利戦・1勝クラスの連勝がダート1400mでしたし、ユニコーンステークスがそれより200m長い1600mでのモノで、完全タイム差がマイナス0秒7の高レベル。これを踏まえると、自己条件のダート1400mなら1枚上の存在でした。外め好位で流れに乗っての楽勝。昇級してもそこそこ通用して良いと思います。
2着:エンペラーワケア 
 2着が番組注目馬だったエンペラーワケアですね。芝スタートの一完歩目が遅いです。そこから押してハナを切ると、600m33秒8と速い流れになりました。Aランク勝ちの前走とは、前半のラップからして違うので、直線苦しくなりましたが、それでも2着に残ったのが能力の高さです。まずスタートを決める事が大事ですが、多少置かれても前走のように外めの枠だったら追走に余裕が出ると思います。
3着:ヤマニンルリュール 
 あと3着ヤマニンルリュールですね、21戦目にして初めてのダートでした。大外枠で揉まれずに位置も理想的でしたが、あと一歩で連対だったんですからダートの適正は高いと思います。直前の坂路が好時計。状態が良く、再び外枠だったら侮れないです。
16着:マホロバ 
 ある程度人気を集めたマホロバはシンガリ16着でした。若干の出負けを巻き返したんですが、被されて内に入って砂を被って苦しい追走になりました。長距離輸送で馬体減もありましたし、どちらかと言うと湿ったダートが向くタイプです。条件が好転すれば変わってくると思います。

解説者:長谷川仁志(馬サブロー専属評論家)
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