2021年1回中京6日目

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2021/01/05 (火)
中山 中京
  馬場コメント
 先週の芝の馬場差2000m対象の数値は、土日ともにマイナス0秒8でした。ここまで6日間の馬場差を確認しておきますと、2日目までがマイナス0秒9。3日目以降全てマイナス0秒8で、ほとんど数値は動いていません。
 火曜日に少し雨が降り、土曜の昼にも小雨が降りましたがその影響はなかったですね。見た目はボコボコでですね、躓いたりノメったりしている馬もいたんですけども、まずまず速い時計が出るコンディション。ただ、パワーは必要なようです。前半4日間ほどではないですけど、まだ内有利でしたね。1回中京は6週の開催で、今週まではAコース。Aコース4週目となる今週、その内有利とかいう傾向がね、どう変わるかが見もので、その後最終日の2/7まではBコースが使用されます。
 先週の馬場差1800m対象の数値は、土日ともにマイナス0秒3でした。ここまで6日間の馬場差を確認しておきますと、初日はマイナス0秒5でしたが2日目以降はマイナス0秒3かマイナス0秒2で、数値にほとんど動きはありません。
 火曜日に少し雨が降り、土曜の昼にも小雨が降りましたが影響は小さくて、3日目・4日目と比べて少し速い時計が出るようになっただけでした。


  タイム分析
 2021/01/17 (日)  芝=-0.8  Aコース
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
5R T2000 ウィンドリッパー 牡3 未勝利 2:01.6 -0.6 -0.6 -0.4 -0.8 B C 8.69
9R T2200 ディープモンスター 牡3 梅花賞(1勝) 2:13.6 -0.6 -0.7 -0.4 -0.9 B C 5.25
11R T2200 ショウリュウイクゾ 牡5 日経新春H(G2) 2:11.8 +0.1 --- +1.0 -0.9 E D 8.60
12R T1600 エアロロノア 牡4 2勝クラス 1:33.3 -0.9 -0.2 -0.5 -0.6 B C 5.85
 2021/01/17 (日)  ダ=-0.3
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
1R D1200 エイユーストロング 牡3 未勝利 1:13.4 ±0 --- +0.2 -0.2 C D 7.81
2R D1900 ロスコフ 牡3 未勝利 2:02.2 -0.1 --- +0.2 -0.3 C D 4.30
3R D1400 メイショウマンサク 牝3 未勝利・牝 1:26.4 +0.1 --- +0.3 -0.2 D D 7.13
4R D1800 リノユニヴァース 牡3 新馬 1:56.8 +1.3 --- +1.6 -0.3 E C 10.27
6R D1800 メイショウヨソユキ 牝5 1勝クラス 1:53.0 -0.6 --- -0.3 -0.3 C D 4.50
7R D1400 アメージングラン 牡4 1勝クラス 1:25.3 +0.2 --- +0.4 -0.2 D D 6.47
8R D1800 キャノンバローズ セ5 2勝クラス 1:52.6 -0.2 --- +0.1 -0.3 C D 5.81
10R D1800 マリオマッハー 牡4 雅S(3勝) 1:52.4 +0.4 --- +0.7 -0.3 D D 9.88

中京3R 3歳未勝利・牝 注目
 4着だったダノンバジリアと6着だったドナライトニングについて。
4着:ダノンバジリア 
 まずダッシュ良く出て行ったドナライトニングが先頭に立ちかけたところに気合いをつけてダノンバジリア並んで来ると、2頭の競り合いが続いて前半が600m34秒9とハイペース。そのため、レースの上がり600mが39秒1も掛かって追い込み決着になったんですけども、特にダノンバジリアはゴール寸前までよく粘っていました。デビュー戦の時の上に伸び上がるような走りはもう治っていますし、1400mは合っていますね。少しでもペースを落として先行できれば勝てそうです。そしてドナライトニングはもう最後に急失速してしまってますが、スタートダッシュの速さは光りました。ダートの1200mなら押し切れそうな気がします。
6着:ドナライトニング 
 まずダッシュ良く出て行ったドナライトニングが先頭に立ちかけたところに気合いをつけてダノンバジリア並んで来ると、2頭の競り合いが続いて前半が600m34秒9とハイペース。そのため、レースの上がり600mが39秒1も掛かって追い込み決着になったんですけども、特にダノンバジリアはゴール寸前までよく粘っていました。デビュー戦の時の上に伸び上がるような走りはもう治っていますし、1400mは合っていますね。少しでもペースを落として先行できれば勝てそうです。そしてドナライトニングはもう最後に急失速してしまってますが、スタートダッシュの速さは光りました。ダートの1200mなら押し切れそうな気がします。
中京4R 3歳新馬 タイムE
 基準より1秒6遅い勝ちタイムでした。
中京5R 3歳未勝利 タイムB
 基準より0秒4速い勝ちタイムでした。
1着:ウィンドリッパー 
 ウィンドリッパーが4走目で勝ち上がりました。ウィンドリッパーは3番手で脚を溜め、直線で前の2頭の間が空いたところから抜けて来ました。この直線のコース取りに関しては上手く行ったという感じですけども、前走とは違ってガッチリ折り合えた事が収穫ですね。今後の課題は、外枠なので前に壁を作れなくても折り会えるかどうかでしょう。
2着:ブレークアップ 
 2着のブレークアップはスタートは遅かったんですが、3コーナー手前から動き出して4コーナーでは前に取りつき、一旦は先頭に立ちました。これまでは後ろのままで終わっていたんですけども、早めに動き出してポジションを上げ、最後まで止まりませんでした。かなり内容は良くなりましたね。
3着:セブンサミット 
 そして一方、2番人気セブンサミットは3着。1番人気サトノラムセスは5着でした。3着のセブンサミットは追ってからの切れ味が足りないモーリス産駒なので、逃げるのは正解なんですけども、ペースを落として後続を引き付けると結局は伸び負けしてしまいますね。現状。
5着:サトノラムセス 
 そして一方、2番人気セブンサミットは3着。1番人気サトノラムセスは5着でした。そして1番人気のサトノラムセスは5着です。ほぼ前の馬で決着する展開で失速していて、距離が長いようですね。
中京9R 梅花賞 タイムB
 基準より0秒4速い勝ちタイムでした。
1着:ディープモンスター 勝ち馬注目
 ディープモンスターが今回は1番人気に応えて勝ちました。ディープモンスターは直線市口でノメって躓いたような格好になっていましたが、怯むことなくしっかり伸びました。綺麗な良馬場ならもっと走れそうなので、春は重賞でも上位を期待できます。
1着:ディープモンスター 解説推奨
 もう滑っちゃって馬場を苦にしているのに勝ったということが強調点なんですけども、次走狙えると考える根拠は、池江厩舎のディープインパクト産駒だという事ですね。池江厩舎のディープインパクト産駒の内ですね、重賞出走経験がないまま3歳の4月までに1勝クラスを勝った馬は、その9頭が次走春のオープン・重賞に出走して5勝・2着2回・3着1回です。唯一の着外はシンザン記念で大きな不利があったアルアインで、そのアルアインもその後毎日杯と皐月賞を連勝しています。サトノアラジンとかね、アルジャンナは新馬勝ちの後いきなり重賞に使って、その後3歳春は尻すぼみになりましたけども、じっくり1勝クラスを勝たせるのがこの厩舎の主な手法でして、その場合は大体すぐにオープンで通用しています。
2着:ヴェローチェオロ 
 2着のヴェローチェオロは出遅れて後ろからになりました。4コーナーで仕掛けても反応が悪く、さらに直線で内に刺さりながらでしたけども伸びて来ました。気性は幼いですけども、スタミナはありそうで精神面で成長すれば長めの距離で活躍も見込めます。
3着:ニホンピロマリブ 
 3着のニホンピロマリブはスローペースの逃げ。そして切れ味を発揮しにくい馬場で逃げ粘り込みましたけども、今回に関しては恵まれたという印象です。
4着:ギャラントウォリア 
 4着のギャラントウォリア、これまで右回りで手前を替えていなかったんですけども、初めての左回りで流石にコーナーは左手前になっていました。しかし、そのコーナーで外に膨れ気味で根本的に左手前が苦手なようですね。
中京10R 雅S 注目
 2着だったメイショウダジンについて。
2着:メイショウダジン 
 前半が上り坂になっている中京ダート1800mで1000m通過1分1秒5は速く、そのため先頭に立った後の200mで13秒4と失速して差されましたけども、まぁ能力の高さを示したレース内容だと言えます。問題は出遅れが非常に多くてですね、今回のような先行策を取れる事が少なくない事で、今回このペース考えるとむしろ出遅れて後ろになった方が良かったのではないかと思える程なんですけども、ハイペースの先行で粘れた事は素直に評価したいですね。次もまともにスタートできるかどうかなんですけども、このクラスを勝つだけの力はあります。
中京11R 日経新春杯 タイムE
 基準より1秒0遅い勝ちタイムでした。タイムランクはE・メンバーランクはDでした。大外からミスディレクションが先手を取って4コーナーに差し掛かります。平均ペースで進みましたので、前の方にいる馬の多くは手応えが楽でした。しかし、直線で伸びたのは前3頭の外にいて手応えが悪く、直線入り口では少し下がってしまったショウリュウイクゾでした。4コーナーではショウリュウイクゾのすぐ後ろで、やはり手応えは悪かったクラージュゲリエが並びかけて来たんですけども、突き離して1着。この後クラージュゲリエも粘っていましたけども、最後方から伸びて来たミスマンマミーアが2着に届きました。
1着:ショウリュウイクゾ 
 ショウリュウイクゾが勝ち重賞初制覇。鞍上の団野大成騎手も重賞初制覇となりました。ショウリュウイクゾはですね、これまで直線に坂があるコースだと伸びを欠く事が多かったんですが、格上挑戦で中京の重賞を勝ちました。まぁレースレベルが低かった事も幸いしていますが、成長もしているのだと思います。
2着:ミスマンマミーア 
 そして2着が牝馬のミスマンマミーア、3着がクラージュゲリエでした。2着のミスマンマミーアは特にね、展開が向いたという訳でもないんですけども、手応え良く先行していた馬たちが、何故かあまりにも伸びなかった事で届いたという印象ですね。
3着:クラージュゲリエ 
 そして2着が牝馬のミスマンマミーア、3着がクラージュゲリエでした。3着のクラージュゲリエは残り100mで失速しましたが、直線入り口の手応えからするとよく走っていると思います。これは勝ったショウリュウイクゾにも言えるんですけども、手応え良く回って来て追ってスパッと伸びるというタイプよりも、追い通しになっていてもしぶといタイプに合っている馬場状態なのだと思います。
9着:ヴェロックス 
 2番人気のヴェロックスは9着、1番人気アドマイヤビルゴは10着、3番人気ダイワキャグニーは12着と、3頭とも手応え良く前の方にいたんですけども、全く伸びませんでした。まずヴェロックスはですね、長期休養明けの中日新聞杯で3着だったんですけども、まぁこの結果からすると、そこからあまり上積みがなかったんだと思われます。
10着:アドマイヤビルゴ 
 2番人気のヴェロックスは9着、1番人気アドマイヤビルゴは10着、3番人気ダイワキャグニーは12着と、3頭とも手応え良く前の方にいたんですけども、全く伸びませんでした。で、アドマイヤビルゴはですねこれまで1度だけ強さを見せた若葉ステークスは12頭立てで、バラけた縦長の体列になり、全く揉まれませんでした。今回は馬群に入ったのは良くなかったと私は推測します。私ねこの番組で何度か言っていますけども、母の父がGone West系のディープインパクト産駒というのは、精神面がモロくて多頭数で馬群に入ると、力を出せない馬が非常に多いです。
12着:ダイワキャグニー 
 2番人気のヴェロックスは9着、1番人気アドマイヤビルゴは10着、3番人気ダイワキャグニーは12着と、3頭とも手応え良く前の方にいたんですけども、全く伸びませんでした。そしてダイワキャグニーですけども、単純に距離が長かったと思います。
中京12R 4歳以上2勝クラス タイムB
 基準より0秒5速い勝ちタイムでした。
1着:エアロロノア 勝ち馬注目
 エアロロノアが競り勝ち、連勝しました。エアロロノアはですね、スローペースを差して来て届かない事が多かったんですけども、好位につけて直線入り口では2番手。こうなればま差し損なう恐れはほとんとないんですけども、2着馬がしぶとくてハナ差勝ちになりました。ただ、こういう切れ味を生かせない馬場が得意とは思えず、きれいな良馬場なら3勝クラスでも上位候補だと思います。
2着:ノルカソルカ 
 2着のノルカソルカはかつてハイペースの先行でこそっという馬だったんですけども、ペースを落とした逃げで追い比べになっても食い下がりました。かなり成長していますから次走も有力です。
3着:チュウワノキセキ 
 3着以下は1・2着の首位争いから離れて入線しました。3着のチュウワノキセキはペースが遅く、しかも直線入口付近で追い出しを待たされて、前の2頭に離されましたけどもね、ブリンカーの効果なのか1頭になってもしっかり伸びていました。次走も上位候補となります。

  馬券Summary
池江泰寿厩舎の新馬戦の傾向
 このシリーズは新馬戦とその次走の2戦目をセットで解説して来ましたけども、池江厩舎は非常にボリューミーなので、2回に分けます。まず今回は新馬戦についてですね。厩舎開業が2004年なので、集計は2004年以降となります。
池江泰寿厩舎の新馬戦の傾向
 まず池江厩舎の新馬戦、87勝のうちですね約1/3はディープインパクト産駒です。ディープインパクトの初年度産駒がデビューした2010年6月以降に限ると、66勝中29勝となりまして、占める割合が非常に高いです。しかし、ディープインパクト産駒でも牝馬は不振でして、牝馬21頭中16頭が1番人気か2番人気だったのに、3勝しかしていません。これに対してよ牡馬は驚異的な連対率を残しています。初戦駆けするのは牝馬というのは、昔からのイメージがなんとなく残っているだけに、牝馬が初戦駆けせずに牡馬は初戦から走るという傾向は知っていると役に立つと思います。
ただし、ディープインパクト産駒今年の2歳世代が実質最後になります。なので、このデータそのものの寿命は長くないんですけども、まぁ池江厩舎がその後どうなるのは注目したいですね。
 もう1つ別の傾向ですけども、連対率ベースで言うと、デビュー時期による違いがほとんどないという事ですね。厩舎を問わずディープインパクト産駒はデビュー戦が遅くなっても、成績が落ち込まないという特徴があるので、その影響も多少はあるんですけども、ディープインパクト産駒を仮に除いたとしても、3歳新馬戦の成績が良い厩舎です。
解説者:大川浩史(日刊競馬)
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