2021年2回東京10日目

開催一覧
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2021/01/05 (火)
中山 中京
  馬場コメント
 先週の芝の馬場差2000m対象の数値は土曜がマイナス1秒8からマイナス1秒への変動、日曜がマイナス1秒8でした。遡って8日間の馬場差を確認しておきますと、8日目まではマイナス2秒台でしたが、先週はマイナス1秒台でした。
 水曜・木曜・金曜と雨が降りまして、さらに土曜の早朝にも少し降ったので、土曜は良馬場でも湿った状態でした。そのため1週前より少し時計が掛かったという事ですね。そして土曜は11Rの前から雨が降ったので、11Rだけさらに時計が掛かるようになりましたけども、まぁそれでも依然として高速馬場と言える状態でした。土曜の夜にもさらに雨が降りましたけども、日曜はレースが始まる前に多少は乾いて、土曜の10Rまでと同じ馬場差でした。日曜は気温も高く、後半の方が乾いてはいるんですけども、徐々に内側が傷んで来たので結果的に馬場差は一定だったという事です。例年通り、ダービーウィークの今週からCコースに移り、次の3回東京の2週目までCコース、3回東京の後半2週はDコースが使用されます。
 先週の馬場差1600m対象の数値は土曜がマイナス1秒1からマイナス0秒9、そしてマイナス1秒1への変動、日曜がマイナス1秒1からマイナス0秒7への変動でした。遡って8日間の馬場差を確認しておきますと、雨の影響で変動の日が多くなっています。そして先週は土日ともに稍重で、マイナス1秒かそれに近いレベルで推移していました。
 水曜・木曜・金曜と雨が降りまして、土曜の早朝にも少し降ったので土曜は稍重でした。徐々に乾いて午後は少しずつ時計が掛かるようになりましたけども、11Rの前から雨が降ったため12Rは再び午前中と同じ馬場差に戻りました。土曜の夜にもさらに雨が降りましたが、レースが始まるまでに多少は乾いて日曜も土曜の前半と同じ馬場差でスタート。日曜は気温も高く、後半の方が乾いて徐々に時計が掛かるようになりましたけども、12Rでもまだ稍重で速い時計が出る状態でした。


  タイム分析
 2021/05/23 (日)  芝=-1.8  Bコース
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
3R T1400 コスモノート 牡3 未勝利 1:21.2 -1.7 --- -0.4 -1.3 B C 7.56
4R T2400 ベルウッドエオ 牡3 未勝利 2:26.7 -1.4 -0.6 +0.2 -2.2 C D 5.92
6R T1600 ホウオウラスカーズ 牝3 1勝クラス 1:33.2 -1.7 -0.6 -0.9 -1.4 A C 6.77
9R T1800 ルリアン 牡4 調布特別(2勝) 1:46.2 -0.8 --- +0.8 -1.6 D C 9.33
10R T1400 リアンティサージュ 牡4 フリーウ(3勝) 1:20.3 -0.9 --- +0.4 -1.3 D C 8.89
11R T2400 ユーバーレーベン 牝3 優駿牝馬(G1) 2:24.5 -1.0 -0.6 +0.6 -2.2 D C 7.07
 2021/05/23 (日)  ダ=-1.1 → -0.7
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
1R D1400 オレデイイノカ 牡3 未勝利 1:26.0 +0.1 -0.1 +1.0 -1.0 E D 8.50
2R D1600 ランカンカン セ3 未勝利 1:37.5 -1.7 --- -0.6 -1.1 B D 7.73
5R D1400 サンライズウルス 牡3 1勝クラス 1:24.0 -1.1 --- -0.2 -0.9 C D 6.73
7R D1600 デルマラピスラズリ 牡4 1勝クラス 1:37.7 -0.3 --- +0.6 -0.9 D D 8.00
8R D2100 サンビュート セ4 是政特別(2勝) 2:11.5 +0.2 --- +1.4 -1.2 E D 9.00
12R D2100 リッターシュラーク 牡4 丹沢SH(3勝) 2:09.9 -0.5 --- +0.4 -0.9 C D 8.80

東京1R 3歳未勝利 タイムE
 基準より1秒0遅い勝ちタイムでした。
東京2R 3歳未勝利 タイムB
 基準より0秒6速い勝ちタイムでした。
1着:ランカンカン 勝ち馬注目
 ランカンカンがダートに戻って勝ち上がりました。ランカンカンは芝2000mからの距離短縮だったんですが、楽に前につけ、直線での追い比べを制しました。1800m以上では前につけていても伸び切れなかったんですが、距離を短縮して甘さがなくなりましたし、以前より走りがスムーズになっていて成長もしていると感じます。1勝クラスでも上位候補ですね。
2着:オブデュモンド 番組注目馬
 2着のオブデュモンドは少し出遅れましたが、スーッと先行できました。直線でランカンカンが並んで来るまで追い出しを待つ余裕もありましたが競り負けました。と言ってもこの馬も好タイムで、休み明けで苦しくなった前走を除けばダートでは安定しています。次走は有力ですね。
3着:ワールプール 
 3着のワールプールはずっと外を回って早めに脚を使えましたが、直線でもジリジリと伸びていました。2着から6馬身差で水準以下のタイムですけども、ブリンカーの効果なのか自身は大きく前進しています。ロスの少ないレースができれば、更に前進できそうです。
東京3R 3歳未勝利 タイムB
 基準より0秒4速い勝ちタイムでした。
1着:コスモノート 
 コスモノートが芝に戻って勝ち上がりました。コスモノートは出遅れてかなり後ろからになったんですけども、直線でごぼう抜きの追込みを決めました。前傾ラップではありますけども、先行馬が全て止まるようなペースではなく、芝の1400mが合っていたという事ですね。昇級しても芝の短距離なら上位可能だと思います。
2着:スマートワン 
 2着のスマートワンは2番手追走から楽に抜け出して、普通なら勝ちパターンですね。着順に安定感はないんですけども、芝1400mでは好走確率が高く、1度だけ芝1400mで4着以下になった時は、中京から中1週で中京。つまり、中1週で連続の長距離輸送でした。適度に間隔を空けて、次走も芝1400mであれば上位候補になります。
3着:フィエゾン 
 3着のフィエゾンは出遅れましたけども早めに挽回して、直線でもしっかり伸びています。芝1400mでは安定していますね。
4着:セブンシーズ 
 それから1番人気で4着のセブンシーズ。出遅れてはいないんですけども、どんどん前半位置が下がりました。1400mの速い流れには対応できなかったという感じですね。直線でよく伸びてはいますけども、まぁ相変わらず鋭さは感じないです。次走も上位候補ですけども、勝ち切るのは簡単ではなさそうです。
東京4R 3歳未勝利 注目
 5着だったレキオノユメについて。
5着:レキオノユメ 
 スタート直後はね、まぁすんなり好位の内に収まりそうだったんですけども、その後に外から前に行く馬が多く、結局は中団の内に入って身動きが取れなくなりました。そして身動きが取れないまま3コーナー過ぎからは外から上がって行く馬が多く、さらに位置が下がってしまいました。直線では内にもたれそうになりながらも伸びてはいるんですけども、それほど切れる脚は使えないので、直線入り口で後ろにいては苦しいですね。スタミナありますから小回りコースの長めの距離で3コーナーからマクるようなレースができれば勝つチャンスはかなりあると思います。次走も東京だと最低でも4コーナーで前にいないと厳しいと思います。
東京6R 3歳1勝クラス タイムA
 このレースの勝ちタイムは、当開催3歳1勝クラスの基準タイムより1秒7速く、1600m対象の馬場差がマイナス1秒4だったことを踏まえますと、 -1.7-(-1.4)=-0.3 しかし、ペース補正が0秒6入っていて、 -0.3-0.6=-0.9 で基準より0秒9速い勝ちタイムでした。グレイトミッションが先手を取って直線に入って行きましたが、後続が外から上がって来ます。特に勢いが目立つのがホウオウラスカーズで、抜け出すとリードを広げて1着。さらに外からゴールデンシロップが2番手に上がって来て、内の1番人気レフトゥバーズは3番手の入線となりました。
1着:ホウオウラスカーズ 
 ホウオウラスカーズが自己条件で2勝目を挙げました。ホウオウラスカーズは馬群の外を回りつつも大きな距離損がなく、直線半ばで追い出すと回転の早いフットワークで抜け出しました。トップスピードはあまり長続きしませんけども、一気にスピードを上げられるので超スローペースからの上がりが速いレースは得意ですね。まぁ持続力を要求されると今のところ厳しいので、クラスが上がってすぐに通用するかどうかは展開次第となりますけども、外を回っていても折り合いがついた点は収穫だと思います。
2着:ゴールデンシロップ 
 2着のゴールデンシロップは超スローペースで前半は行きたがり、それをなだめている内にポジションが下がったんですけども、直線でよく伸びました。フットワークが大きくて、瞬発力勝負が合っているとは思えませんけども、東京コースは合っていますし、距離は1600mが恐らくベストですね。
3着:レフトゥバーズ 
 3着のレフトゥバーズは馬群の中で力んだ走りでしたね。それでも直線で脚は使っていて、能力は高いんですけどもまぁ直線に入るまでにリラックスして運べるかどうかがカギとなりそうです。
東京7R 4歳以上1勝クラス 注目
 4着だったブライドグルームについて。
4着:ブライドグルーム 
 まずスタートが遅いんですよね。さらにこの後、前半の芝の部分ではなかなか加速がつかなかったんですけども、ダートに入ってからは行きっぷりが良くなります。そして良い手応えのまま直線に入ったんですけども、前が壁になっていてなかなか追えませんでした。この後、進路ができてからはよく伸びていて、このクラスで通用する目処が立ちましたね。中央未勝利で、その後去勢をして兵庫(園田・姫路ですね)に移籍して3勝を挙げて戻って来たんですが、その矯正の効果なのか以前より落ち着いたレースぶり。この元の気性を考慮したのか、今回は強い追い切りをせずに使っていて、その点からは使っての上積みも見込めます。東京ならオールダートの1400mの方が合うでしょうし、東京ダート1400mなら狙えると思います。
東京8R 是政特別 タイムE
 基準より1秒4遅い勝ちタイムでした。
東京11R オークス GI
 タイムランクがD・メンバーランクはCでした。クールキャットが今回は逃げて4コーナーです。逃げた事のある馬が1頭もいないという組み合わせだったんですけどもね、ならば私が行きましょうという感じで、まぁ結局前に行く馬は結構多くて、1000m通過は59秒9。速いという事はないですけども、極端なスローペースにはならなかったですね。1番人気のソダシは先行馬のすぐ後ろにいて、直線入り口で前の馬が内と外に分かれたので前がぽっかり空いていたんですけども、伸びはイマイチ。それを尻目に外を回ったユーバーレーベンが力強く抜け出しました。ソダシをマークする位置にいたアカイトリノムスメは少し待たされたんですけども、進路ができると鋭く伸び、大外から伸びたハギノピリナにハナ差先着して2着となりました。
なお、1勝馬のオークス制覇は1995年のダンスパートナー以来史上3頭目だという事です。
1着:ユーバーレーベン 
 1勝馬のユーバーレーベンが勝ってG1初制覇です。ユーバーレーベンは今年になって中山のフラワーカップでは不器用さが響いて3着、フローラステークスでは超スローにハマって3着。逃げ馬不在の今回も同じような脚の余し方をする危険もありましたけども、超スローペースにはならずしっかり距離適性がモノを言うレースになって力を発揮できました。3コーナー最後方からマクった札幌2歳ステークスの時点で、豊富なスタミナはもう示していて、その札幌2歳ステークスやフラワーカップでは4コーナーの回り方がぎこちなかったですけども、左回りだとスムーズですね。騎乗したM.デムーロ騎手、オークスは2度目の勝利です。
M.デムーロ騎手 もう感動しました。本当に嬉しいね。やっぱG1凄く良いですね。
まぁ、この馬ホントにずっと信じていましたですね、ホントあのーいろいろありましたですね。やっぱ調子良くなくって、ちょっとずつ良くなってて、もう今日パドック見てたらもうやっぱこの前乗りたかったです。展開もちょっとあんまりスタートが出た、凄く良い所行ってました思ってて、でもみんな出してて1コーナーから、ごちゃごちゃならないのにちょっと後ろになっちゃって、あーちょっと失敗したかな思って、後ろ過ぎるなっちゃって、向正面なんかはスムーズな競走になって、3・4コーナーのところはペーストちょっと上がって来たの時に、もうすごい楽だったですね。直線向いたらもういつも通りジリジリジリジリ伸びてたから、このあいだもジリジリ伸びてて、そのイメージあったから、もう距離全然問題ない思って本当に信じてただけ。直線ちょっと早め先頭立ってた、ちょっとやっぱ甘いの馬だから、少し物見するかもしれないから、もうちょっとお願いしてて、もう最後まで頑張りましたで、すごい本当に素晴らしいです。よかったです。
2着:アカイトリノムスメ 
 2着争いは接戦でしたが、内のアカイトリノムスメがハナ差で外のハギノピリナを抑えました。2着のアカイトリノムスメは直線に入った時にソダシのすぐ後ろにいまして、そのソダシが伸びないので、ちょっと前が塞がった感じで進路がなくてしばらく待たされましたけども、進路ができてからは鋭く伸びました。スムーズに追い出されていれば、もっと際どかったかもしれないですね。
3着:ハギノピリナ 
 3着のハギノピリナは向正面から動いて押し切った前走の矢車賞でね、豊富なスタミナを見せていましたが後方待機から東京の3コーナーからマクって、それで最後までバテてはいなかったですね。多分尋常ではない量のレベルのスタミナがありますので、秋はね秋華賞ではなく菊花賞を狙ってほしいと私は思います。
4着:タガノパッション 
 4着のタガノパッションは直線で進路を何度も変えながら伸びていて、能力の高さを示しています。まだキャリア4戦ですし、これからが楽しみですね。
5着:アールドヴィーヴル 
 5着のアールドヴィーヴルもまだ切れ味不足なんですけども、しっかり伸びていました。こちらもまだキャリア4戦で、しかも晩成血統ですから更なる成長を望めます。
8着:ソダシ 
 そして1番人気のソダシは8着でした。結果的に差し馬が上位を占めてはいますけども、先行馬にとって、まぁ特に厳しいという流れでもなく、手応え良く直線に入って伸びなかった理由は距離が長いという事だと思います。
吉田隼人騎手 ひと言で言うと距離が長いのかもしれません。展開もキツかったですね。逃げ・先行馬がいなくて、外の馬たちが絞って内に入って来て危ないラインでした。ただ、それだけではないですね。我慢させる事をやってきたし、後ろにいたアカイトリノムスメはしっかりと伸びている訳ですから、距離の壁なのかもしれません。ここまで上手く来て、いい夢を見させてもらいました。期待に応えられなかったのは残念ですが、また1から馬を造り直しますし、これからも応援してほしいです。

  馬券Summary
皐月賞圧勝なら二冠濃厚
皐月賞圧勝なら二冠濃厚
 1991年から2020年までのダービー馬30頭の内、ダービーを0秒3差以上で勝った馬が10頭いるんですが、そのうちの6頭が菊花賞に出走して4勝2着2回で3着以下がありません。一方、ダービーを0秒2差以下で勝った20頭の内、菊花賞に出走した9頭は全て菊花賞で3着以下でした。
皐月賞圧勝なら二冠濃厚
 そして1991年から2020年までの皐月賞馬30頭の内、0秒4差以上で勝った6頭中4頭がダービーも勝っています。ダービーと菊花賞の関係とは違って、皐月賞を0秒2差以下で勝った馬も6頭ダービーを勝っているので、皐月賞での着差が小さいからと言ってダービーで軽視するというのはいけないんですけども、皐月賞は離して勝った馬は非常に有力です。
 今年エフフォーリアは0秒5差で皐月賞を勝ちました。ダービーで本命にしない理由がほとんどありません。そしてですね、エフフォーリアのように皐月賞で差をつけて勝った馬がダービーも勝つ場合、そういう前提に立ってですね、その場合2着や3着には皐月賞に出ていなかった馬が来る事が多いです。ナリタブライアンが勝った時の2着エアダブリンと3着ヤシマソブリン。ディープインパクトが勝った時の2着インティライミ。オルフェーヴルが勝った時の2着ウインバリアシオンは皐月賞に出ていませんでした。皐月賞をあえてパスしたシャフリヤールが相手候補の筆頭かなと、そう見ます。

 ところで、今回のダービーは番組注目馬としてグレートマジシャン、それからサトノレイナスの登録があります。まず、この2頭、番組注目馬とした時点では次走がダービーとは全然想定していないという事をご承知おき下さい。ただし、どちらもまぁ2着候補には十分になり得る能力がありますし、皐月賞に出ていないという点でも要注意だと言えますね。
解説者:大川浩史(日刊競馬)
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