2021年4回中山9日目

開催一覧
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2021/01/05 (火)
中山 中京
  馬場コメント
 4回中山は先週で開催を終えました。先週の芝の馬場差2000mで対象の数値は土曜がマイナス1秒4からマイナス1秒7への変動、日曜がマイナス1秒3からマイナス1秒6への変動でした。まず遡って9日間の馬場差を確認しておきますと、全てマイナス1秒を超えており、開幕週はマイナス2秒台。3日目以降は雨の影響を受けた開催日もありましたが、マイナス1秒台の数字でした。
 台風16号の影響で、金曜は合計104ミリの雨が降りました。芝は一旦不良まで悪化したんですが、土曜は快晴で気温が上がって、乾燥が進んで重馬場からスタートして、ダートの8R前には良馬場まで回復しました。馬場差は速くなって行く経緯の変動なんですが、土曜の午前中でもマイナス1秒5前後の速いコンディションではあります。ただ、土曜の夜8時頃にゲリラ豪雨があって、合計8.5ミリの雨が降りました。日曜朝の馬場発表は、1つ悪化して稍重だったんですが、再び快晴の天気となってすぐに回復。土曜同様に速くなっていく経緯の変動で、使われた分少し時計は掛かっていましたが、ほぼ同じ範囲の数値です。土日通じて内が優位の傾向があり、ペースの遅い場合は、内・外の差が顕著に出ていました。
 先週の馬場差1800m対象の数値は土曜がマイナス2秒5からマイナス2秒2への変動、日曜がマイナス1秒7からマイナス1秒5への変動。1200m対象の数値は土曜がマイナス1秒2からマイナス0秒8への変動、日曜がマイナス1秒4からマイナス0秒8への変動でした。遡って9日間の馬場差を確認しておきますと、全てマイナスの数値で雨の影響を受ける開催日が多く、総じて速い時計の出るコンディションでした。特に開催3日目1800mの馬場差は終日マイナス3秒台で、かなりの高速馬場でした。
 金曜に104ミリの雨量となると、芝では乾きが進んでも、ダートは限界があります。土曜朝の含水率はゴール前14%、4コーナー12.4%と水分をたっぷり含んでいて、馬場は高速化しました。1800m・1200m共に乾いて時計を要して行く経緯ではあるんですが、直線は追い風が強くて、ここを2回走る1800mの方が1200mよりも数値は速いです。日曜は前日夜の雨で、土曜と似た経緯ではありますが、雨量の関係から1800mは土曜よりも時計の出方が鈍ってはいます。風も土曜よりは穏やかなので、1800mと1200mの馬場差は接近していました。


  タイム分析
 2021/10/03 (日)  芝=-1.3 → -1.6  Cコース
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
2R T1600 ロードカテドラル 牡2 未勝利 1:35.9 ±0 -0.2 +0.8 -1.0 D D 6.13
3R T1200 トータルリコール 牡2 新馬 1:09.9 -0.3 --- +0.5 -0.8 D C 11.38
5R T1800 ダノンティアラ 牝2 新馬 1:52.6 +2.5 -1.4 +2.4 -1.3 SL C 9.07
7R T2200 ブレークアップ 牡3 1勝クラス 2:13.0 -1.4 -0.7 -0.4 -1.7 B D 3.89
9R T1600 ウォーターナビレラ 牝2 サフラン(1勝) 1:35.8 +0.6 -0.9 +1.0 -1.3 SL C 4.63
10R T1800 ヴァリアメンテ 牡3 茨城新H(2勝) 1:47.0 -0.9 --- +0.5 -1.4 D D 6.00
11R T1200 ピクシーナイト 牡3 スプリン(G1) 1:07.1 -0.7 --- +0.3 -1.0 D C 7.13
 2021/10/03 (日)  ダ=-1.7 → -1.5 / 1200m=-1.4 → -0.8
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
1R D1200 ライヴサファイア 牝2 未勝利 1:10.9 -2.0 --- -0.6 -1.4 B C 6.27
4R D1800 ナーシサステソーロ 牝4 1勝クラス 1:53.1 -0.9 --- +0.8 -1.7 D D 8.75
6R D1200 キミワテル 牡3 1勝クラス 1:11.0 -0.9 --- +0.1 -1.0 C D 8.20
8R D1800 エマージングロール 牡3 2勝クラス 1:52.4 -0.8 --- +0.7 -1.5 D D 8.13
12R D1200 ディサーニング セ6 外房S(3勝) 1:10.4 -0.3 --- +0.5 -0.8 D D 7.93

中山1R 2歳未勝利 タイムB
 基準より0秒6速い勝ちタイムでした。
1着:ライヴサファイア 勝ち馬注目
 ライヴサファイアが1番人気の支持に応えました。1着ライヴサファイア、先々週タヤスゴールドがBランクで勝った新馬戦の2着でした。自身のタイムランクはC相当でしたが、連闘でランクアップに成功しました。日曜では最も速い時計の出る時間帯でしたが、完全タイム差はマイナス0秒6ですから優秀です。コパノリッキー産駒ので、逃げた新馬戦と違って他馬を行かせておいて、抜けて来れたのが収穫です。ダート短距離なら昇級しても上位候補に入ります。
2着:スズカコテキタイ 
 2着のスズカコテキタイ、新馬戦6着はEランクの勝ち馬からさらに離されていたんですが、先行してスピードを見せていました。今回はハイペースで行けなかったのですが、その分脚が溜まって直線で伸びて来ました。0秒4差でタイムランクはCでも、この競馬が出来れば東京は歓迎だと思います。相手次第ではチャンスもあります。
3着:ミラビリス 
 その後3着に8番人気ミラビリス、4着に6番人気ビップアクアと上位人気でない馬が続きました。3着ミラビリスも展開に乗じての追い込みでした。上がり600m推定タイムは最速で、初めてのダートで一変しました。ただ、少しビビりの気性なんですよね。今回は外枠もプラスだったようです。
4着:ビップアクア 
 その後3着に8番人気ミラビリス、4着に6番人気ビップアクアと上位人気でない馬が続きました。4着ビップアクア、前走は今回と同じ重馬場発表のダート1200mで2着。今回は着順を落としたんですが、ランク的には1つアップさせています。切れる脚はないのですが、メンバー1つの範囲にはあります。
5着:ランコントル 
 5着ランコントル、初めてのダートだった前走は砂を被って嫌がっていたんですが、前バテの展開に乗じての2着。今回は外枠で出して行ったんですが、勝負所で再び砂をかぶり、戸惑っていました。堅実さは出てきましたが、まだ気性が幼いです。
中山4R 3歳以上1勝クラス 
2着:キュン 通信簿
 今回クビ差2着の惜敗で、流れを考えれば後方から差し切ったナーシサステソーロよりこの馬の方が強い競馬はしています。ただ、1000m通過手前にダイモーン、その後セイウンロミオ・コスモコラッジョと次々とマクって来た際に横山武史騎手は控えて脚を温存していました。北海道から連続して騎乗していて、馬の特徴を心得ていたからこその2着でもあったと思います。走破時計はあと0秒1遅ければEランクです。1勝クラスは新潟も始まって、鞍数が増加。この馬の場合牝馬限定戦もあるので、恵まれるケースも出てくるでしょうが、いくらか人気先行の面もあって、嫌って妙味ありと考えました。
中山5R 2歳新馬 タイムSL
 前半・中盤が遅く、補正しきれずスローの扱いとします。
1着:ダノンティアラ 
 1着ダノンティアラ、1000m通過1分5秒6の超スローペースの2番手。展開の恩恵があったのは確かなんですが、速い上がりに対応して2着馬と共に後続を離して、競り勝ちました。まぁ飼い食いが遅いという話がありました。牝馬で438キロと少しキャシャな馬体を考えれば、素質が光るモノがあります。ドゥラメンテ産駒、2008年の凱旋門賞馬ザルカヴァの近親と血統面も奥があります。
2着:ウインバグース 
 2着ウインバグース、3着ロムレーン。これら2頭はモーリス産駒の牡馬です。それぞれ馬格もしっかりしています。2着ウインバグースはスローの内。先週の好走パターンに持ち込んでの惜敗でしたが、器用さがあるので勝つのに時間は掛かりません。
3着:ロムレーン 
 2着ウインバグース、3着ロムレーン。これら2頭はモーリス産駒の牡馬です。それぞれ馬格もしっかりしています。3着ロムレーンは堀厩舎所属。全体に緩い仕上げでした。これは変わって来ます。
5着:ウィズグレイス 
 あと5着のウィズグレイス、単勝オッズ1.5倍と断然の1番人気でした。ディープインパクト産駒の牝馬で、母のカラライナはアメリカのG1 3勝馬です。馬体に柔軟性はあるんですが、返し馬の動きがちょっと物足りませんでした。まぁ進みが悪かったのは、それも影響したんでしょうか。ラストは前が狭くなって満足に追えていませんでした。最良3着はあったと思います。急には全開とは行かないでしょうが、伸びてはいたので、東京に変われば首位候補に入って来ます。
中山7R 3歳以上1勝クラス タイムB
 基準より0秒4速い勝ちタイムでした。
1着:ブレークアップ 
 ブレークアップの逃げ切り勝ちです。1着ブレークアップは1000m通過が1分1秒1。スローペースの逃げから後続を完封しました。未勝利戦で初勝利を挙げた3走前が今回と同じ中山芝2200mで、逃げて0秒6差をつけて楽勝した実績があります。当時の完全タイムも重馬場でマイナス0秒1、悪くありませんでした。その後の2走は10着が続いたんですが、1つは京都新聞杯。前走の新潟戦は直線で寄られる不利と見直せる敗戦でした。昇級すると周りも速くなるんでね、相手次第にはなります。
2着:ナムラカミカゼ 
 2着のナムラカミカゼ、後方インで脚を溜めてタイミング良く内を突きました。先週のスローの展開では勝ちパターンの競馬です。近走の成績からは狙えないんですが、アドマイヤビルゴがBランクで勝った皐月賞トライアルの若葉ステークスで6着した事があります。覚えていれば…というケースです。
3着:トゥーフェイス 
 その後の3着が1番人気トゥーフェイスです。3着トゥーフェイス、小頭数とは言え、外々を回って内の馬に脚元をすくわれる。この3着が、先週の負けパターンです。中山よりも東京のタイプでもありますが、2200m以上は距離が長い印象もあります。東京の1800mから2000mで巻き返せると考えています。
中山9R サフラン賞 タイムSL
 前半・中盤が遅く、補正しきれずスローの扱いとします。
中山11R スプリンターズS GI
 タイムランクがD・メンバーランクはCでした。タイムランクはDでしたが、あと0秒1速ければCです。メンバーランクもCなんですが、スプリントG1はJRAに2鞍だけなので、順調な実績馬はまず出走して来ます。今年は3歳の素質馬も2頭加わっていたので、Bに近いC。そういったレベルでした。
 まずはモズスーパーフレアがここでも先手を取って行きまして、4コーナーに入ります。大外枠からモズスーパーフレアが先手を取りました。ビアンフェが2番手に控えたので、600m通過は33秒3。時計の出る馬場としては、ほぼ平均ペースで行けました。位置取りが意外だったのは、ピクシーナイトが内の3番手。シヴァージがその1列後方の4コーナー5番手に収まったことです。平均以下のペースで流れれば、内が有利の馬場状態でもありました。4番手とは言え、枠なりに外を回ったレシステンシアとの差は大きかったと思います。それにしても内を抜けたピクシーナイトの伸びは強烈でした。短距離、それもべらぼうに速くない流れでの2馬身差。これは圧勝に近いと思います。
 なお、ピクシーナイトはモーリス産駒としてJRAのG1初制覇です。これによりグラスワンダー・スクリーンヒーロー・モーリス、そしてピクシーナイトと4代にわたるJRAG1制覇となり、これは1984年のグレード制導入後初めてです。また、今回のスプリンターズステークスの出走馬は全て関西馬でした。G1に関東馬が出走しなかったのは、2015年のフェブラリーステークス以来、芝のG1に限れば92年のジャパンカップ以来です。
1着:ピクシーナイト 
 3歳馬ピクシーナイトがG1初制覇。3歳馬がスプリンターズステークスを制するのは2007年のアストンマーチャン以来です。内有利の馬場で流れに乗った事、これが1番の勝因なんですが、モーリス産駒でスピードもパワーも出色。さらには伸び盛りの3歳馬で、1200mを使うごとに進化しています。この勝ち方をされると、当分仕方ないのかなとそんな思いが強いです。来春の高松宮記念は得意の中京ですから、まず安泰。前回のエンディングで、この馬はスプリントの匂いがしないと言った自分が情けなくなってきます。ピクシーナイトに騎乗した福永祐一騎手、スプリンターズステークスは初制覇です。
福永祐一騎手 ありがとうございます。色々なシチュエーションを想定はしていたんですけども、ここまで良いポジションで、逃げ馬の後ろという所まではあまり選択肢に入れてなかったんで、まぁ正直、ちょっと驚いてはいますけども、最終的にはこういう形でG1を勝ってる馬にしたいなという思いがずっとありましたけども、こんなに早く、この1200mG1の舞台でああいう横綱相撲の競馬を取れるようになるとはね、本当にこちらの想像を超えた走りをしてくれたと思います。
いや、こちらの期待以上ですね。正直まだ、今日返し馬に行った感触も、やはり休み明けをひと叩きされた効果を感じてはいたんですけど、まだまだ前と後ろの体のバランスってのは、まだまだ取れてない状態だったんで、今日のこの感じでどれぐらい、このG1の舞台でやれるかなっていう感じではあったんですけど、いやーまぁ前々からね、この馬は凄い馬になるって言うのは、僕は公言はしていたんですけども、ちょっと想像を超えた馬になる可能性が出てきましたね。
今日はプレゼントなんかしていないです。自分が、あの馬自身が自らつかみ取った勝利だと思いますし、この先短距離界を引っ張って行く存在になる馬ですし、国内のみならずね、いろんな選択肢を考えられる馬だと思います。ありがとうございました。
2着:レシステンシア 
 そして2着がレシステンシア、3着がシヴァージでした。2着レシステンシア、4コーナーでは1着馬・3着馬・5着馬が内です。2番手のビアンフェも7着と大バテしてはいません。その中で、枠なりに外を回されたのは今回の馬場を考えれば、厳しかったと思います。2着確保は底力。今は自在に競馬ができて、馬力勝負にも対応できます。いずれチャンスが来るでしょう。
3着:シヴァージ 
 そして2着がレシステンシア、3着がシヴァージでした。3着のシヴァージ、追い込み一手で時計を要す事、これまでの好走パターンを覆しました。とは言っても、こうしたケースでは行ったら行ったで甘くなる、そんな感じのものです。あわや2着のシーンを演出したのには、ちょっと驚きました。6歳とは言え、選択肢が広がったのは大収穫と思ってます。
4着:メイケイエール 
 その後4着がメイケイエール、そして5着がモズスーパーフレアでした。4着メイケイエールはスタート後に外へ逃避。2頭に迷惑をかけて、今回も平地調教注意となりました。ただ、その後は自分からある程度の位置に追い上げて、直線はダノンスマッシュとモズスーパーフレアを差しました。まぁ普通に近い競馬は途中からはできていたと思います。少し早熟なタイプなので、これ以上はと思う反面、今後スプリンターとして軌道に乗って来て欲しいと、そういう風に願っています。
5着:モズスーパーフレア 
 その後4着がメイケイエール、そして5着がモズスーパーフレアでした。5着のモズスーパーフレア、昨年は時計を要す良馬場での600m32秒8の超ハイペース。失速しましたが、今年の馬場で33秒3の単騎逃げなら、理想に近いです。大外枠でも自分の形には持ち込めています。
6着:ダノンスマッシュ 
 そして1番人気ダノンスマッシュは6着でした。調教の動きは良かったんですが、若干馬体に張りを欠いて見えました。久々は走るんですが、休養期間が長すぎた事と、外枠で上がりが速すぎたという事も堪えています。
川田将雅騎手 とても良い雰囲気で競馬を迎えられ、レースも理想的な形で進められました。ただ、動かなければいけないところで動くことができず、この結果になってしまいました。動けなかったという事を反省して、次に生かしたいと思います。
11着:ジャンダルム 
 練習の成果で、先入れの奇数枠でもゲートは出ました。ただ、勝負所から追っつけていて、脚が溜まっていませんでした。前がバテる消耗戦にならないと、現場G1では苦しいと思います。

  馬券Summary
菊花賞の展望
あとで
解説者:長谷川仁志(馬サブロー専属評論家)
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