2021年3回東京2日目

開催一覧
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2021/12/26 (日)
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2021/12/25 (土)
中山 阪神
2021/12/19 (日)
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2021/12/18 (土)
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2021/12/12 (日)
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2021/08/21 (土)
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新潟 函館
2021/08/01 (日)
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新潟 函館
2021/07/18 (日)
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2021/07/17 (土)
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2021/07/11 (日)
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福島 小倉 函館
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2021/06/26 (土)
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2021/01/05 (火)
中山 中京
  馬場コメント
 先週の芝の馬場差2000m対象の数値は土曜がマイナス2秒4、日曜がマイナス2秒3からマイナス2秒0への変動でした。2回東京からの連続開催ですので、まずは遡って8日間の馬場差を確認しますと、ほとんどがマイナス2秒台で速い時計の出るコンディションが続いています。
 この春の東京開催の特徴としてですね、コース替わり1週目から馬場の内側が荒れ始めて、ジョッキーたちの進路取りに変化が見られる事が挙げられます。Cコース2週目の先週はですね、その傾向がさらに強まりまして、日曜は逃げ馬が馬場の内側を避けるケースが多かったです。だからと言って、直線内側がダメという訳ではなく、内側でさほど不利にならなかったのは、ペースが落ち着いた時とその日の最初のレースでした。なお、日曜は雨が降ってですね、後半は少し時計が掛かったんですけども、それでも終日マイナス2秒台で、変動の幅は小さく、馬場に大きく影響を及ぼす程ではありませんでした。なお、今週まではですね、引き続きCコース、後半2週はDコースが使用されます。
あとですね、1つ補足しておきたい事があるんですが、2歳や3歳の限定戦については、連続開催では同じ基準タイムを使用しているんですけれども、2回・3回東京は10週のロングラン開催という事もありますので、3歳未勝利戦についてはですね、3回東京では2回東京よりも速めている距離があるので、その点に注意していただきたいと思います。
 先週の馬場差1600m対象の数値は土曜がマイナス1秒8からマイナス1秒6への変動、日曜がマイナス1秒7からマイナス2秒0への変動でした。遡って8日間の馬場差を確認しておきますと、雨の影響を受ける事が多く、前の開催の8日目以降馬場差は全て変動となっています。特に先週は脚抜きの良いコンディションでした。
 雨の影響は残ってですね、土曜朝はマイナス1秒8でスタートです。後半いくらか乾いたんですが、それでも終盤はマイナス1秒6でしたからね、終日速い時計の出るコンディションでした。日曜は雨が降り続いてですね、土曜とは逆に終盤の方がさらに時計が出やすくなりました。ただ、全般に速いタイムが出やすいコンディションでしたね。逃げ切り勝ちもありましたし、追い込み勝ちもありましたし、東京らしくですね多彩な脚質の馬が勝ちました。これはペースや展開、あるいはメンバー構成による部分も反映されていたように思います。


  タイム分析
 2021/06/06 (日)  芝=-2.3 → -2.0  Cコース
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
4R T2400 カーディナル 牡3 未勝利 2:24.7 -3.3 --- -0.5 -2.8 B D 7.71
5R T1600 クレイドル 牝2 新馬・牝 1:35.4 -1.2 -0.3 +0.3 -1.8 C C 6.08
6R T1400 ビーオンザマーチ 牝2 新馬 1:22.6 -1.1 -0.2 +0.2 -1.5 C C 4.86
8R T1400 バルトリ 牝4 1勝クラス 1:21.0 -1.2 -0.2 ±0 -1.4 C C 7.50
9R T2000 アルビージャ 牡3 ホンコン(2勝) 1:59.4 -0.7 -0.9 +0.4 -2.0 D C 5.80
11R T1600 ダノンキングリー 牡5 安田記念(G1) 1:31.7 -1.0 -0.3 +0.3 -1.6 C B 5.46
 2021/06/06 (日)  ダ=-1.7 → -2.0
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
1R D1400 ボレロ 牝3 未勝利・牝 1:25.4 -0.4 --- +1.1 -1.5 E C 7.31
2R D1600 エコロファルコン 牡3 未勝利 1:37.2 -1.9 --- -0.1 -1.8 C D 7.88
3R D1300 メレカリキマカ 牡3 未勝利 1:18.2 -1.1 --- +0.4 -1.5 D D 6.75
7R D1600 ノーブルシルエット 牝3 1勝クラス 1:35.2 -2.8 --- -0.8 -2.0 B C 6.73
10R D1400 モズダッシュスター 牡5 麦秋S(3勝) 1:23.2 -0.3 --- +1.5 -1.8 E D 8.36
12R D1600 ヘライア 牝4 小金井特(2勝) 1:35.5 -1.7 --- +0.3 -2.0 C C 8.33

東京1R 3歳未勝利・牝 タイムE
 基準より1秒1遅い勝ちタイムでした。
東京2R 3歳未勝利 注目
1着:エコロファルコン 
 ホッコータルマエ産駒の番組注目馬、エコロファルコンが1着です。前走がタイムランクAレースの2着で、休み明け好走の反動しなければ勝てる相手だったと思います。要は勝ち方とタイムが焦点になったんですが、ハイペースで逃げてラスト400m12秒3-12秒5とほとんど減速していませんからこれは強い逃げ切りです。ただですね、完全タイム差はマイナス0秒1。うーん、タイムランク上位で勝つと思っていただけ、そこだけがちょっとね…というところです。
2着:ディープアゲイン 
 そして2着のディープアゲイン、これは10番人気と低評価でしたけれどもね、攻め馬は動くんですね。やっと走ったという感じがしました。ただ、気が悪いのでバラける東京が良かったという可能性はあります。もちろん、能力はありますからフロックではないんですけれども、次走も走るかどうかはちょっとアテにしづらいですね。
3着:ゲットアップ 
 そして3着のゲットアップ、近走は1800m・2100m・2500mを使って来たんですけれども、どうにも先行して伸びきれないレースが続いていました。ということで、今回は初めての1600m器用。これが功を奏しましたね。自身のタイムランクはDになるんですけれども、レース内容自体は進展があったと思います。
東京4R 3歳未勝利 タイムB
 このレースの勝ちタイムは当開催3歳未勝利クラスの基準タイムより3秒3速く、2400m対象の馬場差がマイナス2秒8だった事を踏まえますと、 -3.3-(-2.8)=-0.5 で基準より0秒5速い勝ちタイムでした。
1着:カーディナル 勝ち馬注目
 断然の1番人気カーディナルの圧勝でした。ハービンジャー産駒カーディナルがですね、今回は順当勝ちと言えるんですけれども、これまで歯がゆいレースが続いていましたから、スカッとするような勝ち方でしたね。前半のペースを緩めでしたが、1000m以降が平均に速いラップで、これは好タイム決着の要因です。
2着:シングマイハート 
 2着のシングマイハートは向正面から動いて、切れ味不足をカバーする積極的なレースをしました。初ブリンカー着用の効果は何とも言えないんですが、かなり中身の濃いレースをしていますからね、次走以降に繋がるのではないかと思います。
3着:トロワエスポワール 
 それから3着のトロワエスポワールですが、これまで試行錯誤で適正が掴めなかったんですけれども、芝の2400m出走後はですね4着・3着と安定。日曜東京で最初の芝でしたから、4コーナーで内にいた2頭で1着・2着でしたけれどもね、この馬は4コーナー 大外のロスがあったという事は言えます。ただ、今回はね折り合いがテーマでしたから、その目的はクリアできたんでしょうね。
東京7R 3歳以上1勝クラス タイムB
 基準より0秒8速い勝ちタイムでした。
1着:ノーブルシルエット 勝ち馬注目
 唯一の3歳牝馬ノーブルシルエットが勝ちました。ノーブルシルエットはですね、辛勝ですけれども、ペースを考えれば圧倒的な強さを見せたと言えます。前半1000m58秒1のハイペースを2番手から正攻法で押し切った中身は濃く、3歳牝馬52キロ云々は関係ないですね。無理使いをしなければ、かなり良い線まで行くと思います。
2着:ゴールドミーティア 番組注目馬
 2着ゴールドミーティアは出遅れましたけれども、これまでとは違うレースぶりである程度の位置で流れに乗せる事ができました。この馬の場合は当日のテンションが鍵になるんですけれども、まぁ落ち着いて臨戦できればにすぐに勝てるでしょうね。
3着:リンガスウォリアー 
 そしてこのレースは人気順通りで決着しました。まず3着のリンガスウォリアー、2着から4馬身差ですけれども、自身の完全タイム差はプラスマイナスゼロです。要するに先着2頭が強かっただけで、今期は安定して走れている点で好感が持てます。相手次第ですね。
4着:タマモブトウカイ 
 4着のタマモブトウカイ、出遅れて流れに乗れず4コーナー外のロスも大きかったですね。もう少し前めのポジションを取れれば、上位争いできる能力はあります。
5着:レイニーデイ 
 5着のレイニーデイは6着に3馬身半差で、ここまでがタイムランクC相当です。前走も今回もですね、ハイペースに巻き込まれただけではいつでも勝てるスピードと粘りを見せていますよね。
東京9R ホンコンJCT 
3着:ディアセオリー 解説危険
 今回5番人気でしたけれども、上位2頭が強く一瞬は2着に浮上しそうになったんですからね、次走はもっと人気を集めると見て危険な人気馬としました。その理由の1つがですね、勝ち味に遅かった1勝クラス時代のイメージが大きい事で、まぁそれはですね相手なりに走れるけれども、良い脚が一瞬しか使えないというレースぶりに現れているんですね。私自身、サムライハート産駒はローカル場所で狙えという事が持論としてありますのでね、次走が東京ならもうひと押しが足りないかもしれません。
東京10R 麦秋S タイムE
 基準より1秒5遅い勝ちタイムでした。
東京11R 安田記念 GI
 タイムランクがC・メンバーランクはBでした。ペース補正が0秒3入っているようにですね、G1の安田記念とすれば、緩やかな流れで、トーラスジェミニが2番手から粘り込めるペースだったという事です。そうかと言ってですね、先行有利になった訳ではなく、結局瞬発力の有無が明暗を分けた部分があったと思います。
 先手を取って行ったのはダイワキャグニーでした。そのダイワキャグニーが逃げて4コーナーに入って行きます。さほどペースは速くなかったんで、まぁ直線は瞬発力勝負になった感じがありますよね。グランアレグリアはもう馬群を割って出て行くしかなくて、サリオスの前に入って抜け出しを計ります。一方で外がシュネルマイスターとダノンキングリーで、トーラスジェミニの内がかなり厳しい状況になってるんで、馬場的にはですね、グランアレグリアが最後に通ったコース、その辺りがですねギリギリのボーダーライン。外の差し馬が有利な馬場傾向になっていたと思いますね。
1着:ダノンキングリー 
 ダノンキングリーが接戦を制してG1 7回目の挑戦で初制覇です。過去の重賞3勝がですね、休み明けで、その臨戦と瞬発力勝負がいかにもですね、ディープインパクト産駒の特性に合致していてですね、そして外の差し馬が有利な馬場も味方したとも言えるんですけど、まぁ改めて本質はマイラーだという事を示してですね、3歳秋の毎日王冠の強さ、あれを再現したそんなレースだったと思います。騎乗した川田将雅騎手は安田記念3勝目です。
川田将雅騎手 素晴らしい走りをしてくれたなと思います。
沢山ともに競馬をしてきましたし、それ以外にもずっと見てましたし、まぁ今回キングリーに乗る事になりまして、いろいろとイメージする中で競馬を迎えたんですけども、返し馬の雰囲気からしても正直あまり良い感じではなかったので、色々とその後も対応しながら、競馬までの時間を過ごしたんですけど、競馬自体はとても良い走りができたと思います。
道中のリズムが良かった事で、トモの動きも押し出しの動きも良かったですし、その分良い雰囲気で道中溜める事ができましたので、直線もこれなら動いて行けるなという感触を得ながら、4コーナーから直線に向く事ができましたし、それ通りの動きを直線もしてくれていて、良い動きをしていたなと思います。
それを期待して、今回僕が手綱を任せていただきましたので、こうやってまたオーナーにG1を届ける事ができて良かったなという思いです。
元々能力の高い馬でもありますし、なかなかG1で結果を得る事ができませんでしたけど、やっぱりこういうメンバー相手でも勝ち切れる、その能力の高さというのがこの馬本来の姿だと思います。
素晴らしいメンバーの中勝つ事ができましたし、この後もこの馬らしく、歩みを進められればと思いますので、また走る時に楽しんでもらえたらと思います。
 なお、勝ったダノンキングリーですが、前走昨年の天皇賞・秋では最下位の12着でした。前走最下位からのJRAG1制覇は1984年のグレード制導入後、JRA所属馬としては初だということです。
2着:グランアレグリア 
 そしてダノンキングリーにアタマ差2着がグランアレグリア、惜しくも連覇はなりませんでした。直線の進路取りでですね、一瞬は窮地に陥ったんですけれどもね、その辺りはルメール騎手が道中は苦しそうな感じがあったとコメントしているように、初めての中2週の影響はあったかもしれません。ただ、駆使した上がり600m、推定タイムは最速の32秒9ですから、地力は見せてくれたと思います。
C.ルメール騎手 今日は手応えが前走と全然違いましたね。良いポジションを取れなかったですし、道中は苦しそうな感じがありました。直線の反応も普段より少し遅かったです。それでも最後は来ていますし、能力は高いですが。
3着:シュネルマイスター 
 3着が3歳馬のシュネルマイスター、4着が一昨年の勝ち馬インディチャンプでした。3着シュネルマイスターですね、まだ完成途上の体つきですけれども。まぁ横山武史騎手らしい、脚を余さない力強いレースをしてですね、ダノンキングリーと互角に渡り合いました。もちろん負担重量差4キロ差の恩恵はあったと思いますけども、これで秋の飛躍はですね、約束されたも同然でしょう。
4着:インディチャンプ 
 3着が3歳馬のシュネルマイスター、4着が一昨年の勝ち馬インディチャンプでした。4着のインディチャンプ、こちらは短距離を使って来た後ですから、序盤で少し行きたがったのは想定の範囲内です。その後は我慢できましたし、追い出しを待ってほぼ完璧なレースはできたと思うんですけれども、あと一歩足りなかったですね。そうですね、何かこうねもう一昨年の毎日王冠、あの時3着だったんですけども、あの時と同じような負け方になってしまって、もうなんか前線の域を脱しないでいるなぁという感じがしましたね。
6着:カデナ 解説推奨
 今回、2018年4月のマイラーズカップ以来久しぶりの1600m出走でしたけれども、直線はオッと思わせる場面がありましたね。ただ、先ほども触れた通りですね、外の差し馬が伸びる馬場状態でしたからまぁ内ラチ添いから伸びろと言う方が無理で、まぁそう考えれば大健闘だと思います。ハンデ戦は近走58キロを背負っていますが、7歳ですからね、そろそろ減量があっても良い頃だと思うんです。まぁ何にしてもね1600mでも2000mでも今年のサマーシリーズで狙えるという、そういう脚は見せてくれたと思いますね。まぁ安田記念、そんな予告編的なレースに私は思いました。
8着:サリオス 
 今回はウィークポイントのトモをケアすると言うかね、そういうちょっと苦肉の調整過程ではありました。ちょっと返し馬の出駆けは若干硬かったですけどもね、そのせいでしょうか内枠でちょっと位置取りが悪くなって、瞬発力勝負を避ける乗り方ができずですね、直線で寄られる不利で万事休すでした。ただ、坂上からまた伸びていますから、不利がなければ掲示板は確保できたかもしれません。
10着:ケイデンスコール 
 それから10着のケイデンスコールですけれども、まぁ前走のマイラーズカップとはペースが違いましたしね、京都金杯の時とは位置取りも違いました。つまり、G1の瞬発力勝負だとまだちょっと力不足という事で、速い流れで展開の助けが必要かなという感じがしましたね。
13着:カラテ 通信簿
 10番人気13着でした。東京新聞杯はタイムランクD、3連勝で本格化は認めるものの次走はそろそろ厳しいと考えて、次走危険馬としました。まさか安田記念に出てくるとは思わず、10番人気と人気もなかったが、休み明けも厳しかったでしょう。

  馬券Summary
6月デビュー予定の期待の2歳馬
 日本ダービーが終わって、早くも先週から2歳新馬戦が始まったんですけれどもね、6月デビューの期待の2歳馬というのを挙げておきたいです。関東馬から3頭、関西馬から3頭合わせて6頭選んでみました。
6月デビュー予定の期待の2歳馬
 関東馬1頭目はですね手塚貴久の牡馬ヴァーンフリートです。父はリオンディーズ。リオンディーズはエピファネイアの半弟ですけれども、その父がシンボリクリスエスからキングカメハメハに変わって、産駒の血統構成が変わってきます。配合特徴はさておいて、調教では2勝クラスの3歳アルビージャの胸を借りて、水準以上のタイムをマークしています。今開催東京4日目、つまり今週日曜日ですね芝の1800mを川田騎手で予定しています。510キロぐらいですね。
6月デビュー予定の期待の2歳馬
 藤沢和雄厩舎の牡馬フィフティシェビーです。こちらTapit産駒の米国産で、母の父はTale of the Catです。Tapitの父はPulpitで、その母はPreach。PreachとTale of the Catの母Yarnは全姉妹で、ちょっと混乱するかもしれませんけども、全姉妹の3×3という強烈なクロスが生じるんですね。これはこの馬の配合的な特徴だと思います。美浦の坂路で61秒7の時計を出したのが、2/17ですからじっくりと乗り込まれて来ましたね。Tapit産駒は圧倒的にダート向きですけれども、芝の走りにも注目しています。この馬もですね、東京4日目の芝1800mですね、こちらはルメール騎手で予定しています。
6月デビュー予定の期待の2歳馬
 青木孝文厩舎の牡馬マイネルシーマーですね。父はゴールドシップ、母の父はロージズインメイで、ここまでは今年のオークスを勝ったユーバーレーベンと同じなんですけどもね、祖母がサンデーサイレンスとノーザンテーストの血を持ちますので、この馬はサンデーサイレンスの3×4、ノーザンテーストの5×5のクロスが生じて、まぁこれが配合的な特徴になります。調教は地味ですけどね、実践向きのイメージがあります。東京7日目の芝1800mあたりでね、デビューするのかなと思ってたんですけれども、どうやらデビューはもう少し先になりそうです。
6月デビュー予定の期待の2歳馬
 池江泰寿厩舎の牝馬ママコチャですね。父クロフネ、母ブチコですからね、言わずと知れたソダシの全妹という事で、話題性という意味でも取り上げておきます。栗東坂路で61秒0の時計を出したのが3/28ですけれども、5/27から本格的な調教を開始しています。470キロの姉ほど体は大きくなくてですね、ダート向きの可能性もあるんですけれども、フォームが固まらない2歳戦では芝でも期待できると思います。こちら3回阪神3日目6/26土曜の芝の1400mを福永騎手で予定しています。
6月デビュー予定の期待の2歳馬
 音無秀孝厩舎の牡馬ダノンフォーナインですね。こちら2019年セレクトセール当歳で税抜き1億8000万円でセリ取引された高馬。もちろん、お父さんはディープインパクトです。昨年の宝塚記念の日ですけれども、芝の1800mの2歳新馬戦は1着がダノンザキッド、2着がワンダフルタウンで決まりました。今年は阪神4日目5Rになるんですけどもね、今年もハイレベルの新馬戦になるかもしれません。この馬、このレースを視野に調整されていて、鞍上はですね川田騎手になる予定です。デビュー戦が注目される1頭ですよね。
6月デビュー予定の期待の2歳馬
 須貝尚介厩舎の牡馬グットディールですね。父のビッグアーサーは2016年高松宮記念をレコード勝ちしましたけれども、その父サクラバクシンオーはですね1994年のスプリンターズステークスをレコード勝ちしていてですね、まぁサクラバクシンオーの後継者として期待が高まる種牡馬です。5/6ですね栗東の坂路で49秒9の好タイムをマークしています。血統表を眺めていても、いかにもスピードの塊といった印象を受けます。今週が開幕週となるんですね1回札幌2日目の芝1200mを吉田隼人騎手で予定しています。

 「クロス」について。名馬の血をですね、父系・母系からですね、適量に受け継ぐということで、次世代の名馬が生まれやすく、特に父の4代前と母の3代前、その逆に父の3代前と母の4代前に同じ馬がいまとね、これは4×3・3×4のクロスという言い方をされていますけどもね、これは昔から「奇跡の血量」と言われているもので、要するに血が濃すぎず薄すぎずというあんばいで、配合のセオリーと考えられていたと思われます。
6月デビュー予定の期待の2歳馬
 近年のダービー馬ではですね、2011年のオルフェーヴル。同馬はご覧のように父系の4代前と母系の3代前にノーザンテーストがいますから、ノーザンテーストの4×3になる訳です。そして2014年のワンアンドオンリーがHaloの3×4。2017年のレイデオロがMr. Prospectorの3×4でした。本来はですね、クロスという言い方は適切ではないです。近親交配言うべきものなんですけれども、まぁ何十年も競馬用語で使われてきたものですし、ここではクロスと言わしていただきます。今年のダービーですね、シャフリヤールがディープインパクト産駒としてはダービー7勝目を挙げました。これほど偉大な種牡馬の場合はですね、その影響力は強くて、まぁ良い繁殖馬をつければ走るという事で、配合云々はナンセンスと言われるかもしれません。ただ、2012年のダービー馬ディープブリランテ、こちらはLyphardの4×5、それから2019年のこちらもダービー馬、ロジャーバローズこちらLyphardの4×4があった訳です。走るディープインパクト産駒のですね、配合的な特徴、あるいは共通点を見つけるという事はですね、思わぬ穴馬にたどり着く事もあります。先のロジャーバローズは12番人気でしたからね。

 ここまでのG1で気になる配合は?今年のヴィクトリアマイルですけどもね、10番人気で2着に入ったランブリングアレー、こちらはLyphardの4×5を持つディープインパクト産駒だった訳です。ランブリングアレーのお母さんはブルーミングアレーですけれども、シンボリクリスエス産駒でしたけれどもね、このブルーミングアレーの弟、トーセンラーとスピルバーグはディープインパクト産駒で、この配合の成功例と言って良いかと思うんですよね。
それからダービー2着のエフフォーリア、こちらエピファネイア産駒でエピファネイア産駒は大半の馬でサンデーサイレンスの4×3が生じて、これはねデアリングタクトもそうなんですが、このパターンは他の種牡馬の仔にも今増大傾向にある訳です。そうしますとですね、多数の馬がサンデーサイレンスの近親交配で、奇跡の血量を持つ時代に入った今ですね、これを補完する知恵は何なのかと。つまり、先ほどのディープインパクトとLyphardの関係のようなね、そういったモノを見つければ、一歩ですね先んじた予想・馬券作戦につながるのではないかと。まぁ血統表を眺めましょうという事ですね。
解説者:吉岡哲哉(競馬ブック)
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