2021年4回中山3日目

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中山 中京
  馬場コメント
 開催2週目の先週は土曜・日曜・月曜の3日間開催。先週の芝の馬場差2000m対象の数値は土曜がマイナス1秒3からマイナス1秒0への変動、日曜がマイナス1秒3からマイナス1秒8への変動、月曜がマイナス1秒8でした。まずはここまで5日間の馬場差を確認しておきますと、全てマイナスの数値ですが、2週目特に3日目の土曜は開幕週と比較すると、1秒ほど時計が掛かっていました。
 台風14号の影響で土曜は朝から激しい雨が降りました。また、向正面が向かい風となりましたが、雨ほどの影響はありませんでした。後に小雨となり、12R時には上がりましたが、夜になって再びパラついてはいました。馬場差は変動です。競馬を使われて時計を要していく経緯です。天候の割に後半でも、高速の範囲なのはまだ開催2週目。馬場が傷んでいないのもあります。土曜に合計64ミリの雨量が計測されたことで、日曜は天候は回復しても土曜の朝の段階と同じ数値でスタートしましたが、その後は乾燥が進んで時計の出方が早くなって行く経緯です。後半には1週目の高速馬場に近い数値にまで回復していました。月曜は天候も良く、終日良馬場発表。日曜後半と同じマイナス1秒8で、これは1日でくくれます。今週から2週はCコース、良馬場であれば高速馬場が維持されると思いますが、開幕週のマイナス2秒台まで戻るかどうかは少し微妙になって来ます。
 先週の馬場差1800m対象の数値は土曜がマイナス3秒4からマイナス3秒7への変動、日曜がマイナス2秒5からマイナス1秒9への変動、月曜がマイナス0秒8。1200m対象の数値は土曜がマイナス1秒4からマイナス1秒7への変動、日曜がマイナス1秒7からマイナス1秒5への変動、月曜がマイナス1秒3からマイナス1秒1への変動でした。遡って5日間の馬場差を確認しておきますと、全てマイナスの数値で全体に速い時計の出るコンディションとなっていて、特に3日目の1800mはマイナス3秒台となりましたが、1200mは全てマイナス1秒台となっています。
 台風による大雨で、土曜は不良発表です。水の浮いた段階から超の上に超がつくほどの高速馬場なんですが、雨が弱まって水が引くに連れて、後半は更に速くなって行きました。1200mも同じ経緯です。日曜は乾いて水準方向に近づく変動なんですが、それでも速い時計の出る馬場。日曜は向正面は追い風。直線が向かい風で、1800mは向かい風の部分を2回走る事で、土曜と比べれば時計が出にくくなっていたのも要因と言えます。一方の1200mは、追い風の部分からのスタートとなって、軒並みペースが速くなりました。1800mとの馬場差は土曜と比較しても接近しています。月曜も風が強かったのですが、前日ほどではありません。より乾きが進んで、1800mはマイナス1秒を切りました。1200mも時計を要して行ったんですが、1800mほど一気に水準方向に動いていない事は注意点の1つです。


  タイム分析
 2021/09/18 (土)  芝=-1.3 → -1.0  Bコース
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
3R T1200 トーセンキャロル 牝2 未勝利 1:09.9 -0.1 --- +0.7 -0.8 D D 7.38
5R T1800 ブルーグロット 牡2 新馬 1:53.5 +3.4 -1.3 +3.1 -1.0 SL C 5.50
7R T2500 マリノアズラ 牝3 1勝クラス 2:34.1 -1.2 -0.3 -0.2 -1.3 C C 7.27
10R T1600 サトノアイ 牝3 御宿特別(2勝) 1:35.2 +0.9 -0.6 +1.1 -0.8 SL D 6.29
12R T2000 ナリノモンターニュ 牡4 1勝クラス 2:00.5 -0.8 --- +0.2 -1.0 C D 8.31
 2021/09/18 (土)  ダ=-3.4 → -3.7 / 1200m=-1.4 → -1.7
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
1R D1200 モズゴールドメダル 牝2 未勝利・牝 1:11.9 -1.0 --- +0.4 -1.4 D D 8.94
2R D1800 アトラクティーボ 牡2 未勝利 1:52.2 -3.8 --- -0.4 -3.4 B D 6.20
4R D1800 ブラックルパン 牡2 新馬 1:55.8 -0.5 --- +2.9 -3.4 E C 11.00
6R D1200 イディオム 牡3 1勝クラス 1:10.8 -1.1 --- +0.3 -1.4 D D 9.07
8R D1800 ドラウプニル セ5 1勝クラス 1:51.2 -2.8 --- +0.8 -3.6 D D 8.20
9R D2400 ホウオウエーデル 牡5 松戸特別(2勝) 2:31.2 -3.8 -0.5 +0.6 -4.9 D D 6.08
11R D1200 アイアムハヤスギル 牡5 初風SH(3勝) 1:09.4 -1.3 --- +0.4 -1.7 D D 8.40

中山2R 3歳未勝利 タイムB
 このレースの勝ちタイムは当開催2歳未勝利クラスの基準タイムより3秒8速く、このレースの時の1800m対象の馬場差が-3秒4だったことを踏まえても、 -3.8-(-3.4)=-0.4 で基準より0秒4速い勝ちタイムでした。5.アトラクティーボが今回は先手を取って、9.エコロドラゴン・10.ゼニットが続きました。直線に入ってもアトラクティーボが先頭で、リードを5馬身・6馬身と広げ、独走態勢に入ります。結果は10馬身差で逃げ切り勝ち。離されながらもエコロドラゴンが2着を確保。さらに5馬身開いて、ゼニットが3着でした。
1着:アトラクティーボ 
 アトラクティーボがレコードを更新して逃げ切りました。初めてのダートだった前走、新潟戦は稍重で3着。自身の完全タイム差はプラス1秒2でした。それが今回はギリギリとは言ってもBランクの勝ちタイム。考えられるのは、今回のような高速ダートへの適正が高い事、それだけではなくて、前走は体重の減少して折り合いを欠いていましたが、今回は馬体を戻して逃げた事で楽な走りができたという事でしょう。パワフルなフットワークから、乾燥した砂の適正も高くて、メンバー次第で上でも勝ち負けが可能だと思います。またTOPIXで挙がっていたように、新種牡馬ワンアンドオンリー産駒のJRA初勝利なんですが、ワンアンドオンリー、不振続きの現役後半時にダートを試していたら面白かったのかもしれません。今となっては後の祭りなんですが…。
2着:エコロドラゴン 
 そして2着以下は勝ち馬から10馬身以上離されました。2着のエコロドラゴンは2番手を守り切りましたが、1秒6差の大差。タイムランクはEになります。ただし、まだ2戦目で今回初めてのダート。542キロの馬格からも良化余地は残しています。
中山4R 2歳新馬 タイムE
 基準より2秒9遅い勝ちタイムでした。
中山5R 2歳新馬 タイムSL
 前半・中盤が遅く、補正しきれずスローの扱いとします。
中山7R 3歳以上1勝クラス 注目
 3着だったヒシシュシュについて。
3着:ヒシシュシュ 
 ここまで6戦4連対。小柄な牝馬で大事に使われていて、今回は体重が8キロ増の414キロとふっくらした作りでした。状態が良く、メンバー的にも負けられない倉だったと思います。中団で折り合って、抜群の手応え。4コーナーで先頭のスカイシーカーに並びかけた際は、勝てると思ったんですが、これが結果的に仕掛け早となりました。ただ、流れも遅いので仕方ない面もあります。最後2頭に交わされたのは、道悪の適正の差だと思います。ディープインパクト産駒のヒシシュシュに対して、勝ったマリノアズラはメイショウサムソン産駒なら、2着のボーンジーニアスはナカヤマフェスタ産駒。時計を要す馬場でのスタミナの差が出たとも言えます。次走も間隔を空けて、敵鞍を選択してくるのは間違いありません。良馬場なら勝ち上がる可能性が高いと思います。
中山10R 御宿特別 タイムSL
 前半・中盤が遅く、補正しきれずスローの扱いとします。
中山11R 初風S 注目
 4着のクインズヴィヴィについて。
4着:クインズヴィヴィ 
 ここ2走がスタート後手、中山1200mで内枠を引いたことで発馬を決めるのが課題でしたが、まずまずのスタートが切れて、押して上がって行こうとはしていました。ところが前半600m手前辺りで前が狭くなってブレーキ。後方集団まで下がってしまいます。馬群を捌いて外から目を引く脚で伸びてきただけに、このロスが勿体なかったと思います。本質的に1200mが忙しいのは確かでも、直線の長い中京では外枠を引いて結果を出しています。今回は中山の高速馬場で、なおさら忙しかったはずです。それでも今回、仮に外枠だったら届いていた可能性も高いと思います。強調したいのは、調教の動き・今回の気配など状態が良い事です。外枠を引くのが望ましいのは確かなんですが、どこに出走してきても巻き返せるだけの下地は整っています。

  馬券Summary
新種牡馬シルバーステート
あとで
解説者:長谷川仁志(馬サブロー専属評論家)
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