2021年1回新潟3日目

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中山 中京
  馬場コメント
 先週の芝の馬場差2000m対象の数値は土曜がプラス0秒8からプラス1秒7への変動、日曜が設定不能でした。なお、この開催では直線1000mのレースは最終日に1鞍だけ組まれています。ここまで4日間の芝の馬場差を確認しておきますと、1週目はマイナスの数字でしたが、2週目の先週はプラスの数値になり、特に日曜はかなり時計が掛かりました。
 土曜は朝から小雨が降り続け、午後からは本格的な雨になりました。雨量は22.5ミリを計測。芝が未生育ながらも、開幕週はまずまず速い時計の出やすいコンディションでスタートしたんですが、この雨で一気に悪化。馬場差は変動で、中盤の6Rもプラス0秒4と掛かっていたんですが、後半の10R・12Rになると、さらに時計の出方が鈍くなって行きました。日曜も小雨から激しい雨となって、そこに強風が吹きました。吹いたと言うか、吹き荒れたという感じ。芝の3鞍はタイム差が大きすぎて、時計でレースの価値を判断できるレベルではなくて、設定不能です。11Rの4歳以上オープン、リステッド競走福島民報杯は前走で3勝クラスをハナ差勝ちしたばかりのマイネルウィルトスが2着以下に大差勝ち。結果も予測不能と言うか予想不能に近いものになってしまいました。残り2週は良馬場時でもプラスの馬場差が推測できます。今開催はまだ芝保護の関係から番組は少ないんですが、次開催の2回新潟、さらに夏の開催が少し心配になって来ます。
 先週の馬場差1800m対象の数値は土曜がマイナス0秒9からマイナス1秒6への変動、日曜がマイナス0秒7からマイナス0秒5への変動。1200mは土曜がマイナス0秒6からマイナス0秒9への変動、日曜がマイナス1秒1でした。ここまで4日間の馬場差を確認しておきますと、全てマイナスの数値で1週目よりも2週目の方が時計は出やすくなりました。
 土日ともに雨の影響が大きかったです。土曜日は1800m・1200mともに速い時計の出やすいレベルでスタートして、さらに速まって行く推移。日曜は水が浮いたコンディション。1800mは向かい風の直線部分を2回通るために、土曜よりも時計が出にくくなって、後半はさらに風が強くなって馬場差は水準方向に動きました。一方、1200mは前半部分の向正面が追い風。ペースが速くなって、時計の出方も速くなって行きました。


  タイム分析
 2021/04/17 (土)  芝=+0.8 → +1.7  Bコース
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
6R T2000 セイウンゴールド 牡3 未勝利 2:02.8 +1.2 --- +0.4 +0.8 D D 8.13
10R T1200 レイハリア 牝3 雪うさぎ(1勝) 1:10.6 +1.6 --- +0.8 +0.8 E D 7.33
12R T1600 アトリビュート 牝4 三国特別(1勝) 1:36.4 +2.5 -0.4 +0.7 +1.4 D D 6.44
 2021/04/17 (土)  ダ=-0.9 → -1.6 / 1200m=-0.6 → -0.9
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
1R D1800 ゴールドジャーニー 牝3 未勝利・牝 1:57.6 +3.6 --- +4.5 -0.9 E D 8.93
2R D1200 セイレーン 牝3 未勝利 1:12.6 -0.1 --- +0.5 -0.6 D D 7.13
3R D2500 リオンドール 牡3 未勝利 2:45.4 +3.1 -1.0 +3.5 -1.4 SL D 7.47
4R D1200 レコレータ 牝3 未勝利・牝 1:12.3 -0.4 --- +0.3 -0.7 D D 7.00
5R D1800 エイシンリヒト 牡3 未勝利 1:52.8 -1.2 --- -0.1 -1.1 C D 6.79
7R D1800 クラウンデザイアー 牡4 1勝クラス・若 1:53.1 +0.3 --- +1.6 -1.3 E D 3.91
8R D1200 サウンドワイズ 牝4 1勝クラス・牝 1:11.1 -0.8 --- +0.1 -0.9 C D 7.00
9R D1800 タガノキングロード 牡4 1勝クラス 1:52.3 -0.5 -0.3 +0.6 -1.4 D D 6.50
11R D1800 マテンロウスパーク 牡4 ラジオ福(2勝) 1:50.9 -1.1 --- +0.5 -1.6 D D 6.27

新潟1R 3歳未勝利・牝 タイムE
 基準より4秒5遅い勝ちタイムでした。
新潟3R 3歳未勝利 タイムSL
 前半・中盤が遅く、補正しきれずスローの扱いとします。
新潟5R 3歳未勝利 注目
 勝ったエイシンリヒトについて。
1着:エイシンリヒト 
 芝を3戦して5着・11着・10着。この馬もダート替わりで一変しました。1000m通過1分1秒4と緩みのない流れに持ち込んで、4コーナーでは一旦引き付けて追われると7馬身差、独走状態でした。エイシンヒカリ産駒の牡馬です。軽い馬場が向いていたと思います。力の要るダートだとわからないとも鞍上は語っています。脚抜きの良い馬場で先行出来れば面白いんですが、あくまでランクはCになるんでね、いきなりはどうかと思います。
新潟6R 3歳未勝利 注目
1着:セイウンゴールド 
 1着セイウンゴールド、3コーナーで前の馬の影響を受けて挟まって位置を下げたんですが、再び盛り返してしぶとく伸びていました。前2走が稍重と重馬場で3着と4着。勝浦騎手は良馬場ならもっと走れると語っているんですが、パンパンの馬場では恐らくスピードも瞬発力も足りないと、私自身はそう考えます。上で通用するとしたら、やはり渋めの馬場ではないでしょうか。
2着:リフレーミング 
 そしてその勝ち馬にクビ差2着が1番人気のリフレーミングでした。2着のリフレーミング、少し驚いたのはこの馬の末脚でした。4コーナーでは後方で追っつけていたんですが、内の回りの直線をごぼう抜きで伸びて来ました。レースの上がりを1秒8も上回る上がり推定600m35秒7。まぁこれが印象になったんでね、注目馬にする事も考えたんですが、キングヘイロー産駒でこの馬も道悪の恩恵を受けた可能性があります。一応は様子を見たいです。
4着:ケンアンビシャス 
 4着のケンアンビシャス、1000m通過1分0秒9は馬場コンディションを考慮すると速いです。前に行った組では1番踏ん張っていて、0秒2差でした。前走中京戦2着時に0秒2差の勝ち馬は同じ日に中山の山藤賞を勝っているプレイイットサム。馬場を問わず、組み合わせ1つで勝機があります。
新潟7R 4歳以上1勝クラス タイムE
 基準より1秒6遅い勝ちタイムでした。
新潟10R 雪うさぎ賞 タイムE
 基準より0秒8遅い勝ちタイムでした。

  馬券Summary
ボーデン組のその後-引っぱられた時計か?-
 1/30、1回東京初日5R芝1800mの3歳未勝利戦は美浦木村厩舎所属のボーデンが1分45秒2で圧勝しました。
ボーデン組のその後 -引っぱられた時計か-
 高速馬場に加えてペースも流れてはいたんですが、未勝利クラスとしては出色の時計。完全体の差はマイナス2秒2のAランク。Aランクの中でも極めて優秀でした。このレース、離された2着馬と3着馬でもタイムランクはA相当になります。以下4着から7着馬までがBランク相当で、8着馬から14着馬までが水準のCランク相当で走破していました。まぁ、こうして考えるとこの組から勝ち馬が続出して不思議はないんですが、勝ったのは現時点では2着のトゥーフェイス1頭。どちらかと言うと、人気と期待を裏切った馬が多いです。俗に言うところに引っ張られた時計だったのではと勘繰りたくもなります。
 そこで検証すると3着ラインスプラッシュの次走は1勝クラスへの格上挑戦でした。4着スフリエールは反動の出やすい非力な牝馬で、その後3走したのは少し使いすぎなんだと思います。5着のスーパービームと7着ベルピエースはダートへ路線変更。それぞれに敗因があったという事です。注目したいのは、Cランク相当でも完全タイム差がマイナスの範囲内だった、9着のネイチャーシップが4/3中山芝2000mを9番人気で2着した事です。この時自身のランクもC相当でしたから、ほぼ同じ走りができた事になります。しかも当時は外傷性鼻出血明けでもありました。引っ張られた時計ではない証明と言えると思います。なお、このネイチャーシップは先週日曜4Rの3歳未勝利戦で4着でしたが、距離の2200mは若干長かったんだと思います。
 ボーデン組の時計は、あくまで東京1800mの良馬場でマークされたモノです。タフな中山や道悪、ダートなどでの敗走はノーカウントとまでは言わないんですが、ある程度は割り引いて考えても良いんじゃないかと考えます。今週からロングランの東京開催が始まります。新潟は当分芝の番組が少ないとは言っても、こちらも左回りです。先に挙げた馬の巻き返しはもちろんの事、その後出走していないBランク相当の6着エイムトゥルー、Cランク相当でネイチャーシップに先着の8着ノアスマッシュにも注目。さらに、フレグモーネで皐月賞を断念しましたが、勝ったボーデンが権利を取ってダービー出走を果たせるかどうか、既に勝ち上がっているトゥーフェイスの昇級戦も含めて、楽しみになって来ます。そもそも競馬に引っ張られた時計というのはありません。時計通りに走れない理由が存在するだけです。
解説者:長谷川仁志(馬サブロー専属評論家)
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