2009年1回中山8日目

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中山 京都
  馬場コメント
 開幕週こそマイナスの馬場差だったが、2週目以降雨の影響もあって時計のかかる馬場コンディションとなっている。特に先週の土曜は相当に時計の掛かる馬場だった。
 ただでさえ時計が掛かる重い芝だったが、先週水曜から金曜にかけて雨が降って追い打ちがかかり、土曜は3週目より1秒以上かかるかなり重い芝となった。日曜日は馬場が回復して、馬場差にして土曜より0秒9速くなったが、それでも3週目より掛かっている。最内の芝はあまり良くない感じだったが、そのほかはどこを通っても大差ないという状態。ただし、外を回るとコースロスがあるという事。
 まず1800mだが、3週目まではプラスの馬場差だったが、その中でも時計の出方は異なった。1週目と3週目はほぼ同レベルで時計がかかり、2週目の土曜日、つまり3日目は水準に近いレベル。しかし先週は雨の影響で脚抜きが良くなり、一転して速い時計の出る馬場になった。
1200mの方は3週目までは大きな変動はなく、プラスにしろマイナスにしろほぼ水準レベル。しかし、こちらも先週はかなり速い時計が出た。
 水曜から金曜にかけて雨が降ったが、土曜日はたっぷり水分を含んで非常に走りやすそうだった。不良馬場の場合、表面に水が浮いていると逆に時計が掛かったりするが、土曜日の朝の場合は表面に水は浮いていなかった。昼頃にちょっと雨が降って、水が浮いていたが時計が掛かる不良ではなく、極限に近い超高速馬場だった。日曜日は不良馬場でスタートして、午後から重馬場に変更されたが、こちらも一日を通した数値(馬場差)とした。
気温が上がらず乾燥が遅れたものの、日曜日の含水量は土曜日よりはかなり低かったはず。不良馬場というのは含水量の上限がありませんから、同じ馬場発表でもコンディションはかなり異なる場合がある。土日とも高速馬場だが、日曜は土曜よりも時計は掛かっていた。


  タイム分析
 2009/01/25 (日)  芝=+1.2  Cコース
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
5R T1600 ジャストルーラー 牡3 未勝利 1:37.7 +1.5 --- +0.5 --- D C 6.00
9R T1800 ケイアイライジン 牡3 若竹賞500 1:49.7 +0.5 --- -0.6 --- B C 7.92
10R T1600 クリムゾンベガ 牡5 若潮賞H1000 1:36.0 +1.6 --- +0.6 --- D D 8.91
11R T2200 ネヴァブション 牡6 アメリカ(G2) 2:13.9 +1.1 --- -0.2 --- C C 5.46
 2009/01/25 (日)  ダ=-1.5 / 1200m=-1.4
R 距離 勝ち馬 2着 性齢 条件 走破T T差 P補正 完T差 馬場差 WL TL ML 次走
1R D1200 クロヒメ 牝3 未勝利・牝 1:12.0 -1.0 --- +0.4 --- D D 8.87
2R D1800 スマイルキング 牡3 未勝利 1:54.3 -1.4 --- +0.1 --- C D 8.71
3R D1200 ストレートイン 牡3 未勝利 1:11.7 -1.3 --- +0.1 --- C C 7.77
4R D1800 シルクプロミス 牝3 新馬・牝 1:55.5 -0.5 --- +1.0 --- E D 9.78
6R D1200 トーセンディケム 牡3 新馬 1:13.4 +0.2 --- +1.6 --- E D 9.87
7R D1800 ニシノテンカ 牡5 500万下 1:51.4 -2.6 --- -1.1 --- A C 5.25
8R D1200 クールフォーマ 牡4 500万下 1:11.1 -0.8 --- +0.6 --- D C 7.63
12R D1800 アバレダイコ 牡4 1000万下 1:51.5 -1.7 --- -0.2 --- C D 8.91

中山7R 4歳上500万下 タイムA
1000m通過が60秒3というハイペース。逃げたダイワランスロットを交わしてサクセスアーチが先頭に立つが、中団からマクって上がって行ったストロングバサラ、その外から中団から伸びて来たダイレクトパス、さらにその外からニシノテンカが差しきった。最後4頭の叩き合いだが、外の勢いが非常に良い。
1着:ニシノテンカ 番組注目馬
過去の実績からも東京1600mがベストで、休み明けの今回は次の東京へ向けての一叩きという感じだったが、“展開が向いてしまった”という感じ。とは言え、時計は非常に優秀だった。得意の東京1600mなら1000万下でも差はないだろう。注目馬。
2着:ストロングバサラ 番組注目馬
運がないという感じ。前回は仕掛け遅れで2着。今回は出遅れた上に結果的に早仕掛け。とは言え、どんな競馬でも確実に上位に来るのですから、このクラスでは完全に力が一枚上という事。次走も連軸としての信頼度は高い。注目馬。
4着:サクセスアーチ 
今回初ダートだったが、クロフネ産駒なのである程度健闘できるだろうと予測できたが、このハイペースを2番手追走で小差4着は価値がある。
中山9R 若竹賞 タイムB
基準より0秒6速い勝ちタイムだった。今開催初日の寒竹賞がタイムランクAとなったのは、ハイペースで逃げたタイフーンルビーのおかげという面があることは当時指摘した。そして注目馬としてそのタイフーンルビーを挙げたが、今回の1000m通過58秒6は馬場を考慮するとかなり速いペースで逃げて、直線で伸びを欠いてしまった。寒竹賞の時よりかなり重い芝になったのが堪えたのかなぁというのが感想。寒竹賞の時計が評価されたのか、メイショウパルマが1番人気だったが、当時引っ張られて出した時計なので過信は禁物としていた。その通りと言っては難だが、不発で今回5着に終わった。今回ハイペースを利して追い込んだのがケイアイライジン。東京の上がりの速い競馬で追い負けしていたが、こういうハイペースの力の競馬は合ってるのだろう。ただ、この時計が鵜呑みに出来ないのは寒竹賞と同じ。むしろ4コーナーでタイフーンルビーに接近していた2着モエレオフィシャル・3着サトノロマネの方に価値はあると見た。
2着:モエレオフィシャル 
今回が初芝だった。速い時計が出る軽い芝では全く未知数だが、今回のレースの内容は優秀。
3着:サトノロマネ 
芝で4走してまだ凡走がない。こちらは速い時計の争いになった際の裏付けはないが、引き続き上位候補。
中山11R AJCC 
逃げたのはキングストレイル、先頭で4コーナーを回る。サンツェッペリンがキングストレイルを行かせる作戦だった様だが、そのサンツェッペリンが早々と止まってしまう。ネヴァブションが2番手から追ってくる。直線で追って追って追ってという感じでなかなかエンジンがかからない感じ。ゴール前で交わすと一気に後ろを離し、エアシェイディが外から内のトウショウシロッコを捕らえて2着。
とにかく中山芝2200mというやや特殊な条件への適正が明暗を分けたと言えるだろう。
1着:ネヴァブション 
中山金杯の回顧でそもそも内回り2000m向きの馬ではない。中山なら2200mから2500mで見直しとしたが、思った通り2200mで巻き返してくれた。騎手のコメントに逆らう様だが、時計の掛かる芝はたぶん良かったと思いますし、レース内容も内をうまく立ち回ったものですから、好条件が揃ってレース内容も無駄がないものでしたから、他の舞台で走れるかどうかはちょっと微妙。

==横山典弘騎手==
こんな渋った馬場だったし、他の馬も切れる脚は使えないだろうから、前々でレースをした。キングストレイルが良い感じだったので、並びかけるのにモタモタしたが、並んでからは大丈夫だった。右回りは内にもたれるが、前の馬を交わす時だけ外に出せればと思っていたし、その通りのレースができた。決してこういう馬場が得意な馬ではないが、今日は思い通りに運べた事が良かった。
2着:エアシェイディ 
勝ち馬から2馬身半で3着とはクビ差。ギリギリの2着だが、特定の重賞では常に好走するタイプ。AJCCはこれで1勝2着2回になった。8歳になって、これから突然G1級になるとは思わないが、たとえば過去4着・2着・3着の中山記念辺りに出てきたら今年も上位候補だろう。
3着:トウショウシロッコ 
4コーナーではエアシェイディと同じ様な位置にいたが、エアシェイディが外へ行ったのに対して、こちらはコースロスなしで内を通ってきた。それで最後に差されてしまったのですがから、現状ではエアシェイディより力が劣るという事だろう。ただ、中山2200mの重賞は2着・3着・3着。稍重の京成杯2着もありますから、中山の極端な瞬発力勝負にならない馬場ですと好走確率が高いという事だろう。
4着:マイネルキッツ 
中山金杯の回顧でネヴァブションと同じ様な負け方をしたが、こちらは東京で見直しとしていた。4着というのは昨年のオールカマーと同じだが、中山2200mでは入着級という事だろう。東京または新潟の2000mで狙い。
6着:アルナスライン 
この馬ダートでも勝ったことはあるが、本来は上がりが速くなる軽い芝でこそという馬。具体的には東京か京都。時計の掛かる芝の中山2200mというのは全く条件が合わないのだと思う。
8着:ドリームジャーニー 
中山2200mしかも時計の掛かる馬場では切れ味が全く活かせない。速い芝・小回りの2000mその辺がベストだが、その様なレースだと今後ハンデ戦なんかだと斤量を背負わされるので、その斤量との闘いになる。とにかく中山芝2200mというやや特殊な条件への適正が明暗を分けたと言えるだろう。他のコースや距離で対戦すれば、着順は入れ替わるはず

==池添騎手==
今日はマークされる立場で、他の馬がこの馬を待ってレースをしていた。2コーナーからゆっくりと上がって行ったが、途中でペースが上がったときに他の馬も一緒にペースアップをする形で展開が不向きだった。それに今日の馬場だとこの馬の切れ味が削がれてしまう。もっと良い馬場で走らせてあげたかった。
中山12R 4歳上1000万下 注目
2着:バロズハート 番組注目馬
前走は今回と同じ中山ダート1800mで11着。中山の坂が堪えているのかなぁと見ていたが、今回は粘った。前走よりメンバーのレベルがワンランク下がったのは確かだが、力をつけてきているとも取れる。この後平坦コースに出走してくる様なら、勝ち目も十分あると見た。注目馬。

  馬券Summary
レコード更新可能だった…かも
中山ダート1800mのレコードというのはキヨヒダカが記録した1分48秒5なんだが、1983年1月の記録。同じ日に中山ダート2400mのレコードが更新されているのだが、この2つは未だにレコード。滅多に行われない中山ダート1000mを除くと、古馬のレコードとしては最古のもの。土曜日は超高速馬場だったので、カジノドライヴが能力全快なら更新可能じゃないか…と注目していたが、出だしから12秒7-12秒1-12秒5とお見合いするようなスローになってしまった。この馬場・このクラスで1000m通過62秒2。ラストが12秒0-11秒4-11秒9ともの凄く速いが、それでも1分49秒9で終わってしまった。今時の1600万下のダートでは珍しい全てが関東馬という競馬だった。1週前に京都と中京でダート中距離の1600万条件が行われて、しかも今回カジノドライヴを避けるという馬も多かったのだろう。ただ、カジノドライヴにとっては全力を出さなくとも勝てるメンバー構成になってしまい、しかも俺は目標になるのは嫌だと言ってみんな行きたがらない展開になってしまった。
コースレコードというのは馬場状態やペースに左右されるものという事ですから、レコードだからレベルが高いとは言えないが、更新できる様なチャンスだったので、もったいないなぁ…と思った。
解説者:
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