2016年12月12日放送
2016/12/10(土)・12/11(日)開催
目次
5回中山3日目・4日目
中山芝 土:-0.8 日:-0.8 Aコース
先週の芝の馬場差2000m対象の数値は土日ともにマイナス0秒8だった。まずはここまで4日間の馬場差を振り返っておくと、開幕週と比べ、先週は少しだけ時計が掛かったが、それでも速めの時計が出るコンディションで大きな動きはない。
この中間は火曜日以降雨が降らなかった。芝は先週同様に良好で、1週目より若干掛かってはいたが、ほど良い速さを保っている。先週と比較すると、差しがバンバン決まっている印象は薄いが、これはメンバー構成とか展開もあるんだと思う。平均以上の流れでは、差し馬中心に組み立てが理想なのには変わりはない。残る2週もAコースが使用されるので、雨さえ降らなければこの傾向のまま行くはず。
中山ダ 土:+0.2 日:+0.4 1200 土:-0.3 日:-0.1
先週の馬場差1800m対象の数値は土曜がプラス0秒2、日曜はプラス0秒4。1200m対象の数値は土曜がマイナス0秒3、日曜がマイナス0秒1だった。ここまで4日間の馬場差を振り返っておくと、水を含んだ開幕週と比べ、先週は1800m・1200mともに時計が掛かった。
雨の影響から先々週は土日の両日、1800m・1200mともにマイナスの馬場差だったが、先週は週初めに少し降っただけで、1週目より乾いて、1800m以上の中・長距離はプラスゾーンに入っている。1200mも1週目よりは掛かっているが、それでもこちらは表示に近いマイナスの範囲内だった。
土曜の方が日曜日より速いのは、馬場の下の方にしっとりとした部分が残っていたため。その土曜は風が強かったが、時計の出方とは無関係だった。全般的に逃げ・先行馬が多いのは、中山らしい傾向で、距離や展開次第では差し・追い込みも決まっていた。
番組注目馬
- なし
勝ち馬の内次走上位候補
- 土曜中山12R 1着 エフティスパークル
5回阪神3日目・4日目
阪神芝 土:+0.1 日:-0.1 Aコース
先週の芝の馬場差2000m対象の数値は土曜がプラス0秒1、日曜はマイナス0秒1だった。ここまで4日間の馬場差を振り返っておくと、開催初日はやや速めの時計が出るコンディションだったが、2日目は雨が降って変動。先週は金曜の雨の影響が残って時計の出方は水準レベルだった。
金曜夕方に集中して2時間でおよそ4ミリの雨が降った。土曜日は稍重発表。開幕週は雨で変動となった日曜後半を除いては、水準よりも速かったが、先週土曜は水準レベルでもプラスゾーン。日曜は乾いて良馬場発表になり、馬場差はマイナス0秒1ですから水準レベル。1週目の良馬場時よりは掛かっていた。上位馬に脚質的な偏りはなく、日曜後半8Rのショウボート・9Rのシャケトラのように脚力が上ならスローペースでも差してこられる。中山同様に9日間開催だが、阪神は今週までがAコースで最終週がBコース使用になる。
阪神ダ 土:-1.3 日:-1.0
先週の馬場差1800m対象の数値は土曜がマイナス1秒3、日曜がマイナス1秒0だった。ここまで4日間の馬場差を振り返っておくと、全てマイナス1秒台が続いている。
開幕週から良馬場でもマイナス1秒2と速い時計の出やすいコンディションだった。そして先週は金曜夕方に降った雨の影響から土曜は稍重発表。開幕週と比べても若干ではあるが、マイナス方向に動いた。日曜は良馬場発表。前日より水準方向に動いたが、それでもマイナス1秒台。好位抜け出しが多かったが、後方からの追い込みも土曜1R・日曜2R・7R3鞍あった。 偏っている訳ではない。
番組注目馬
- なし
勝ち馬の内次走上位候補
- 土曜阪神03R 1着 タスクフォース
- 日曜阪神05R 1着 キセキ
長谷川仁志 次走推奨馬
- 土曜阪神10R 1着 マイネルサージュ
※タイム分析でも取り上げたが、ハミを変えた効果で折り合い面が向上。内からスパッと抜け出して連勝を飾った。ここで見て欲しいの前走に当たる東京の南武特別。これが馬群を割って抜け出して、突き放して勝ってしまった。この時に強くなったなと確信した。今回の連勝は当然。もともとハービンジャー産駒の中でも好みのタイプで、相性の良かった馬でもある。オープンでもオープン特別かハンデ重賞くらいなら、勝負になると見て個人的な狙い馬としたい。
4回中京3日目・4日目
中京芝 土:-2.0 日:-2.0 Aコース
先週の芝の馬場差2000m対象の数値は土日ともにマイナス2秒0だった。ここまで4日間芝の馬場差を振り返っておくと、全てマイナス2秒台でかなり速い時計の出るコンディション。
月曜以降雨がほとんど降らなかった。開幕週同様の超のつく高速馬場。ただ、そうは言っても少しずつ時計を要していくのも中京の特色で、開幕週より少し掛かってはいた。また、先週は風の影響もあったんだと思う。基本的に脚質的な偏りはないが、どちらかと言うと差し馬の台頭が多かった気がしている。最終週の今週もAコース使用。雨が降ると一転して悪くなるのも中京の傾向だが、良馬場なら高速に変わりなく、マイナス1秒5程度の馬場差ではないだろうか。
中京ダ 土:-0.1 日:-0.1
先週の馬場差1800m対象の数値は土日ともにマイナス0秒1だった。ここまで4日間の馬場差を振り返っておくと、開幕週はマイナス0秒5だったが、先週は水準寄りになった。
中間雨が降らず、先週は開幕週より乾燥した状態。馬場差も水準に近くて、1週目よりも時計を要していた。それと同時に全体に上がりが掛かって、差し・追い込みが効きやすい状況になっていた。
番組注目馬
- 土曜中京10R 2着 レッドイグニス
勝ち馬の内次走上位候補
- なし
長谷川仁志 次走危険馬
- 土曜中京11R 1着 オールマンリバー
※1番人気に応えて1000万下の浜名湖特別を1着。4コーナーから馬群に包まれて窮屈になる場面がありながらの完勝だった。ただ、今回はメンバーランクがD、勝って当然の相手関係に加えて、完全タイム差はプラス0秒5と平凡な決着。ずっと好走を続けているが、2着が3回続いた4走前の阪神。3走前の京都、2走前の東京は完全タイム差がそれぞれプラスマイナスゼロ、プラス0秒3、マイナス0秒6でBからCの範囲内だった。これが1番人気で3着の前走の東京戦はプラス0秒6になり、今回がプラス0秒5。内容は低下しつつある。堅実な差し馬で、馬券の軸としての信頼性は高くて、1600万に昇級しても人気必至に思えるだけに、少しおっかなびっくりだが、危険馬とする。
馬券Summary
- 新種牡馬の総括・前編
今回と次回は今年の2歳世代から産駒を繰り出した新種牡馬について簡単な論評を加えてみたい。
新種牡馬ランキングは12/5終了現在で産駒が13勝しているルーラーシップが勝利数1位。他にアイルハヴアナザーとディープブリランテの産駒が10勝以上をあげている。昨年はヴィクトワールピサ産駒が15勝でトップ。初年度産駒からジュエラーが桜花賞を制してクラシックサイアーとなったのは記憶に新しいが、10勝以上あげた種牡馬が4頭いた。また一昨年はハービンジャーが21勝と勝鞍を量産したためか10勝以上の種牡馬は2頭にとどまっていた。初年度産駒は2010年に41勝のディープインパクト、現2歳リーディングサイアーで2011年に31勝のダイワメジャー、これらの父で1994年に30勝を挙げたサンデーサイレンスなど、こういった存在は別格。大体の種牡馬は2歳戦で10勝以上が成功の目安となる。今回は勝ち鞍首位のルーラーシップに触れたいと思う。
ルーラーシップは父がキングカメハメハ、母エアグルーヴの超良血でキングカメハメハの後継として期待されて種牡馬入りした。ポイントはサンデーサイレンスの血を持たないことであって、これによってサンデー系の繁殖牝馬と交配しやすいメリットがある。ドゥラメンテと血統構成は似通っているが、母父がサンデーサイレンスのドゥラメンテと比較しても種牡馬としてのニーズは高いはず。ルーラシップ産駒の12/5終了時までの戦績は以下の通り。
1着 | 2着 | 3着 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
全成績 | 13 | 10 | 14 | 10.5% | 18.5% | 29.8% |
芝 | 12 | 8 | 13 | 10.6% | 17.7% | 29.2% |
ダート | 1 | 2 | 1 | 9.1% | 27.3% | 36.4% |
まず13勝の内訳は芝12勝、ダート1勝。芝向きであることは確かだが、ダートはそもそも出走回数が少なくて3着内率は36.4%と率では優秀。
芝距離 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1200m | 0-0-0-3/3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
1400m | 0-0-2-11/13 | 0.0% | 0.0% | 15.4% |
1600m | 2-2-1-29/34 | 5.9% | 11.8% | 14.7% |
1800m | 3-2-6-23/34 | 8.8% | 14.7% | 32.4% |
2000m | 7-4-4-14/29 | 24.1% | 37.9% | 51.7% |
芝の距離別勝鞍は1600mが2勝、1800mが3勝に対して2000mが7勝と最も多くなっている。1600mよりも中距離からデビューする馬が多いのでこれは自然な流れ。短距離は苦手だが1600mが特別に短いと言う印象はない。芝の12勝の内8勝が3コーナー5番手以下で、逃げ切りは1頭だけ。その3コーナー5番手以下の上がり3F推定タイムを見ると平均値は35.6、33秒台は新潟外回りの1回だけで良馬場でも34秒台から35秒台が多い。ルーラーシップの唯一のG1勝ちは香港のクイーンエリザベス2世C、勝ち時計は芝の稍重で2.02.3とかかっている。パンパンの良馬場の瞬発力比べよりも少し力のいる馬場の持久力勝負の方が向いているのは確か。
今週の朝日杯FSにはルーラーシップ産駒の2頭の登録があるが、このうちサウジアラビアRC2着のタンビュライトは上位候補に挙げられている。母の父は定番のサンデーサイレンス、母の近親にマリアライト/リアファルを持つ母系自体は少し重めだが、野芝の秋開催と違ってパワーの要求される暮れの阪神には最適だと考えている。