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東京1R 3歳未勝利・牝 注目

5着のジェンダアネモスについて。

5着：ジェンダアネモス

逃げて5着でした。東京ダート1600mの3歳未勝利戦で、良馬場で前半600m34秒6以下でですね、逃げた馬というのはこの馬を含めて過去にですね、8頭しかいないんですよ。つまり、希有なハイペースでこのレースの1400mの通過ラップは1分25秒0と速く、レースの上がり600mは39秒6も掛かりました。控えるとちょっと力んでしまいますから、少々ペースが速くても逃げた方が良いタイプです。自身の上がりは40秒2ですけれどもね、次走でローカル場所のダート1700mを使ってきたら、これはかなり注意が必要だと思います。

東京3R 3歳未勝利 タイムＥ

基準より1秒1遅い勝ちタイムでした。

東京5R 2歳新馬 タイムＡ

このレースの勝ちタイムは、当開催2歳新馬戦の基準タイムより2秒5速く、1800m対象の馬場差がマイナス2秒0だった事を踏まえても、 -2.5-(-2.0)＝-0.5 さらにペース補正が0秒4入っており、 -0.5-0.4＝-0.9 で、基準より0秒9速い勝ちタイムとなります。

1着：ダノンヒストリー 勝ち馬注目

ダノンヒストリーが単勝1.2倍の支持に応えて逃げ切りました。2024年セレクトセール1歳部門、税抜き3億9000万円の高額取引馬で、半姉にダノンベルーガ・半姉にボンドガールがいる、これおなじみの良血です。そして父はエピファネイアです。今回ね、正直言って勝ち方だけが焦点だったと思ってますけれども、この馬が前半1000m59秒8の平均ペースで逃げた時点で、これはとんでもないレースになるなと思いましたね。どういう事かと言いますとね、好記録が出る事はもちろんなんですけれども、東京の2歳新馬戦でこのペースになりますと、やっぱポテンシャルの差っていうのが、もう着差に歴然と出てしまいますんで、1頭1頭の着差が大きく開いて、このレースはハナとかねアタマ・クビと言った、こういうカタカナ着差がね一つもないレースになると、そういう風に思ったからなんです。でね、新馬戦タイムランクがSLになる事が多い新馬戦ではね、これはある意味凄いレースだと思いますね。ちなみに、東京芝1800mの2歳新馬戦で1分46秒台で走った馬っていうのは、今年のダービー馬のクロワデュノールとこの馬だけですから、もう将来性云々、これ以上言う必要はないんじゃないでしょうか。

2着：アウダーシア

それから2着のアウダーシアは出遅れた事は大きなビハインドですけれども、先ほど言いましたようにこのペースだとね、位置取りはほとんど関係ないんですよね。もう純粋な能力の勝負になってしまうんです。上がり600m最速で追い込んで、この馬のパフォーマンスも優れていましたよね。という事で、次走はほぼ勝てるんじゃないかと思いますね。

3着：グリーンエナジー

3着のグリーンエナジーは2着馬から3馬身半差の完敗とは言え、それでもですね、完全タイム差はプラスマイナスゼロです。3番人気で3着ですから、ハイレベルの新馬戦で3着という評価をして良いと思いますけれども、次走ですねレース間隔を詰めて使って来るようだと、反動も懸念されます。

東京6R 2歳新馬 タイムＥ

基準より1秒0遅い勝ちタイムでした。

東京7R 3歳以上1勝クラス

東京8R 3歳以上1勝クラス

東京9R 香港JCT タイムSL

前半・中盤が遅く、補正しきれずスローの扱いとします。勝ったウィクトルウェルスについて。

1着：ウィクトルウェルス

このレース、タイムランクはSLです。ですからね、着差のつきにくいペースでしたから、ちょっと地味なパフォーマンスに映ったかもしれませんけれども、一応メンバーランクはCでしたし、このペースで1馬身差。上がり600m最速ですからね、完勝と言って良いと思います。これで2歳未勝利戦から3連勝。その内1勝が先ほど触れましたね、メンバーの揃っていたゆりかもめ賞ですからね。決して相手に恵まれて連勝して来た訳ではないんです。2000mも2400mも勝っていますんでね、ちょっと今後の路線が読みづらいんですけれども、普通なら菊花賞路線になるでしょうからね。今後の動向に注目したい1頭です。

東京11R 安田記念 タイムＥ

基準より1秒6遅い勝ちタイムでした。タイムランクはE・メンバーランクはBでした。スタートは2枠の2頭が早かったですね。予想の段階ではちょっと逃げ馬を特定しづらいメンバー構成で、結局このマッドクールとウインマーベルのどちらかがハナを行くという、そういう序盤の攻防になりました。前半の600mは35秒0ですから、かなり遅い流れでしたよね。中盤も結構緩んで、一団で直線に向きます。ただ、この日の馬場の傾向からしますと、基本的に先行馬とインコース・内枠有利になりそうな、そういう感じだったんですよね。ですから、これ2枠2頭がどこまで粘るのかなというその攻防の中で、まずジャンタルマンタルが出てきて、結局、内ではなく外めの方が伸びて来た馬との争いになった訳ですね。まぁ1頭強い馬がいたなっていう事で、あとはもう本当に着差的にはほとんど紙一重のような感じで入って来ましてね、やっぱり全体のタイムが遅いので、こういう着差になりやすいという、よくあるパターンでしょうかね。メンバーランクはBだったんですが、タイムランクは結局Eという事になりました。2021年にダノンキングリーが勝った時、それと非常にこのラップの構成が似てるんで、それと比較してEランクになった理由を説明しますけれども、ダノンキングリーが勝った2021年は前半の600mが34秒9。今年は35秒0ですからこの時点では0秒1遅いだけです。ところが問題は、次の中の400mなんですよ。これがダノンキングリーの勝った年より0秒5も遅いんです。かなり中だるみになったという事が言える訳です。そして最後の600mが、今度ここも0秒4遅いんです。つまりね、最後の600m0秒4遅くて、真ん中0秒5遅くて、最初が0秒1遅いって事はちょうど1秒でしょ。そうすると、ダノンキングリーの勝った年が1分31秒7、今年が1分32秒7で、そこで1秒の差が出たという事です。これにまぁちょっと、ペース補正と馬場差というのを加味すると、やっぱりどうしてもタイムランクEの完全タイム差がプラス1秒6。それぐらいのレースになってしまうという事で、これだけ言うとちょっと凡戦の感は否めないというしかないですね。

1着：ジャンタルマンタル

勝ったのは2番人気ジャンタルマンタルでした。これは強かったとは思うんです。見た目の勝ちっぷりは。結構返し馬良い感じでね、良い頃のジャンタルマンタルに戻って来てるのかなと思いましたし、この馬の競馬でほとんど正攻法に近い競馬で勝った訳ですから、これで朝日杯とNHKマイルと安田記念を勝った訳ですし、名実ともにですね、現役最強マイラーという地位を確たるものとしたというレースだと見て良いとは思うんです。ただ、先ほど言いましたように、このタイムランクEの中で、やっぱりジャンタルマンタルってダノンキングリーの年の5着にね、トーラスジェミニって馬がいて、この馬は大体前半35秒前半で行って、最後34秒2でまとめてるんですけれども、それと同じぐらいのパフォーマンスだったんです。だから何か6部ぐらいの力で勝ったんじゃないのかなと思いますね。あの皐月賞で負けたとは言え、3着の力強い競馬を思い出すとね、本当はこんなもんじゃないと思うんですよ。ですからね、そういった意味ではタイムランクEのレースだったら軽く勝っちゃうんだよねっいう、そういうとこだと思います。今後については楽しみな1頭でありますよ。これはだってもう体調が整ったらとんでもない馬になる訳わけですよ。そういうレースですよね、今回はね。

2着：ガイアフォース

その後2着にはガイアフォースでした。これね、実は9番人気と人気がなかったんですけれども、東京の芝の1600mの持ちタイムは出走馬中No.1でした。昨年4着、一昨年4着、今年は2着にパフォーマンス上げて来た訳ですけれども、一つはね、ブリンカーを着用したその効果があったという事です。あとね、今年メンバーランクBなんですけれども、昨年・一昨年よりは、そのメンバーの強度っていうのかな、本当のメンバーの強さという点では、昨年・一昨年より今年の方がちょっとメンバー的には落ちてたんじゃないかなという気がします。そういった部分もあってガイアフォースがソウルラッシュに今年は逆転してるっていう、そういう感じだと思うんですよね。吉村騎手も上手く運びましたね。ちょっとね、道中の不利、若干の不利があってポジションを下げてしまいましたけれども、落ち着いて乗りましたよね。最後はちゃんとソウルラッシュの外に出して。これを差し切った訳ですから立派なもんです。

3着：ソウルラッシュ

そして1番人気のソウルラッシュは3着でした。この馬はね、これまでね、やっぱり接戦で着順を落とすっていう事が結構ありました。伸びてるかって言うと、伸びてるようで伸びてないって言うか、なんかちょっともどかしい3着に映りましたね。結局ね、今年のソウルラッシュの場合は、大体前半35秒後半ぐらいで行ってて、33秒9で上がって来てる訳ですよ。でもね、例えばさっきのダノンキングリーの勝った年で言えばね、その馬自身が35秒後半で行けば、もっと速い上がり、33秒前半ぐらいの脚を使うんですよ。例えばグランアレグリア当時2着でしたけど、32秒9でしょ。勝ったダノンキングリーだって33秒1ぐらい使ってたんです。ですからやっぱりね、安田記念勝つための瞬発力っていうのはソウルラッシュはちょっとないんじゃないかっていう風に思いましたね。

4着：ブレイディヴェーグ

その後は、紅一点ブレイディヴェーグは4着でした。こちらは外枠が不利にならないですね、良い乗り方したと思いますが、もうこれ2着とほとんど紙一重と言うか、記録的なものも同じなんですよね。という事で、評価は同じなんですけれども、本質はマイラーじゃないと思いますよね。なので、やっぱりエリザベス女王杯とか、そういった所が一番適舞台だと思うんですけれども、ちょっといろんな距離で走れちゃうもんだから、器用貧乏的な着順に落ち着いてしまうっていう、ちょっと悲しいところもありますね。

5着：ウインマーベル

そしてその後ウインマーベル5着、勝ち馬とはコンマ4秒差でよく粘りましたね。ちょっと中だるみの緩やかな流れだったという事もありますし、ただやっぱり安田記念を先行して押し切るラップ構成になってないです、この馬も。ですから、今回は展開に恵まれて5着に残ったという感じがします。それとやっぱり本来は逃げるって言うか、こういう競馬で持ち味が生きるタイプではない。この馬もやっぱりいろんな事ができちゃうっていうところで、今回の一戦に関しては器用貧乏的な面があったと思います。

8着：サクラトゥジュール

サクラトゥジュールは8着でした。序盤は良かったですけれども、中だるみのところでちょっと折り合いを欠いてしまったと。このレースはロングランも折り合いを欠きましたし、トロヴァトーレもリズム良く走れないと、そういう馬は結構いました。

12着：シックスペンス

そしてシックスペンスは12着でした。好位の内で絶好位に収まったと思いましたね。しかも、先週の馬場傾向からすれば、あそこで何で伸びて来ないの？という感じです。ちょっと1週前の追い切りで誤算があったようですから、若干調整の狂いがあって、それを修正しきれず体調が整わなかったっていう事は一つ敗因として考えられますし、ルメール騎手はちょっと緩い馬場を気にしたというような事も言ってますが、それだったらあの緩い馬場の中山記念でレコード勝ちしたという事が、ちょっとつじつまが合わなくなってくるんで、この敗因は、私はあんまり鵜呑みにしません。

解説者：吉岡哲哉(競馬ブック)